安倍氏、影響力維持に痛手=「再々登板」の期待後退も―桜を見る会

「桜を見る会」疑惑の再燃は、退陣後も影響力維持を狙う安倍晋三前首相にとって痛手だ。
体調が回復したとして活動を活発化させているが、自民党内では「今後の障害となるのは避けられない」との声が上がる。党内でささやかれる3度目の首相登板への期待も後退しそうだ。
安倍氏は持病の再発を理由に9月16日に首相を退いたが、同28日には出身派閥の細田派パーティーに出席。その後も、ドイツのメルケル首相と電話で会談し、靖国神社に参拝するなど精力的だ。
健在をアピールする安倍氏に、冷や水を浴びせたのが桜を見る会の前夜祭をめぐる問題だ。首相在任時、自身の事務所の直接的な関与や会費の補填(ほてん)を否定。だが、東京地検特捜部の捜査では安倍氏周辺が一部補填を認めた。野党は安倍氏の国会招致を求めている。
自民党では26日、厳しい見方が相次いだ。伊吹文明元衆院議長は二階派総会で「首相の肩書を外して憲法改正の旗を振れる立場になったが、しばらくは無理だろう」と指摘。岸田派中堅は「答弁と全然違う。悪質だ」と批判し、竹下派の竹下亘会長は記者団に「政治資金の問題だから細心の注意をして対応しなければならない」と語った。
安倍氏は党総裁として国政選6連勝を達成。「ポスト安倍」の有力候補だった岸田文雄前政調会長と石破茂元幹事長の失速もあり、党内では「菅義偉首相の次は安倍氏」との声が少なくない。しかし、今回の疑惑は「森友・加計」問題など安倍政権の負の側面を再び想起させかねない。
細田派では安倍氏の早期復帰と会長就任への期待が強いが、閣僚経験者は「派閥に戻っても求心力がそがれるのではないか」と懸念を示す。同派幹部は「すぐには戻ってこられないかもしれない」と肩を落とした。