「どうすれば…」「協力金足りない」 東京で時短要請、飲食店困惑

新型コロナウイルスの感染者急増を受けて28日、東京都内で酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対し、営業時間を午後10時までに短縮する要請が始まった。
東京で同様の時短要請が行われるのは8~9月以来だが、今回は師走の忘年会シーズンを控えた「書き入れ時」。短縮に応じられないとする店舗もあり、効果を疑問視する声も聞かれる。
日本有数の歓楽街・新宿。集団感染が多い「夜の街」として批判を受け、官民一体で感染対策に取り組んできたが、春の緊急事態宣言発令時を合わせると3回目の時短要請に、飲食店からは落胆の声が聞かれた。
JR新宿駅の西口にある「思い出横丁」で昭和22年から営業を続けるもつ焼き屋「第二宝来家」は、時短をせず、通常営業する道を選んだ。応じた場合は1事業者当たり40万円の協力金が支払われるが、オーナーの金子栄二郎さん(52)は「協力したかったが現実問題として難しい。2店舗あるので、従業員の給料や家賃を考えると、40万円では足りない」と、苦しい胸の内を明かした。
50店以上の飲食店が軒を連ねる思い出横丁では、全店舗で国立感染症研究所の視察を実施し、消毒なども徹底。金子さんの店も「最近ではお客さんが半分くらい戻ってきていた」が、東京の1日当たりの感染者が500人以上になるとまた減り、売り上げは3分の1程度。「こんなに厳しい経営難は初めて。何とか耐えるしかない」と話した。
一方、新宿区歌舞伎町のすきやき店「米新」は、元々の営業時間が午後11時までで、売り上げに大きく影響しないことから時短要請に応じることに。店主の橋本人美さん(57)は「これだけ感染者が増えているので、要請に従った。(時短要請は)もう慣れた」。ただ、これから迎える12月について「例年2~3割、売り上げが増える時期だが、今年はだめでしょうね」と、不安を隠せない様子だった。
店を訪れる客の側にも戸惑いが広がる。28日夜、思い出横丁の居酒屋で飲んでいた品川区に住む自営業、佐藤一和さん(30)は「僕らは我慢するだけだが、飲食店の人たちが大変だと思う」。文京区の男性会社員(26)は「午後10時までに営業を短縮して、効果があるのか」と、疑問を呈した。