6割の自治体が3歳健診見合わせ 1歳半健診で4割 「第3波」で再開に悩み

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、乳幼児の集団健診を一時休止している自治体が相次いでいることが、毎日新聞の調査で判明した。健診は病気や虐待に気づく端緒となるだけに、影響が懸念される。「第3波」が押し寄せる中、どう健診を実施していくのか、自治体は苦慮している。
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乳幼児健診はすべての1歳半と3歳を対象に、市区町村に実施が義務づけられている。厚生労働省は自治体に対し、感染が拡大した4~5月に集団健診の延期を呼びかけたが、緊急事態宣言解除後の5月26日、工夫して集団健診を実施するよう通知した。
調査は状況を把握するため、8~9月、県庁所在地、政令指定都市、東京23区の計74市区を対象に実施した。
その結果、4~5月以外も実施していなかったのは1歳半健診で約4割の32市区、3歳健診では約6割の46市区に上った。今後も感染状況次第で休止の可能性があると回答したのは、半数を超える38市区。密集を避けるため、医療機関に委託する個別健診に変更していたのは8市区だった。
宮崎市は6月に再開したものの、7月からの感染拡大を受け9月下旬まで休止した。担当者は「第3波を迎え、遅れをどう取り戻せばいいのか」と頭を抱える。
大阪市は緊急事態宣言中、1歳半と3歳の健診は延期したが、独自で行う生後3~4カ月の集団健診は続けている。過去には健診で心臓に穴が見つかり、緊急手術した子もいる。担当者は「首据わりや股関節の状態も確認するので、受診遅れは後遺症につながりかねない。保健師らと顔を合わせることは育児相談や虐待予防につながる」と話す。
東京都江戸川区は体制を見直して再開した。これまで一度に20~30組が集まり1時間半かけて実施していたが、4~6組に減らし15分に短縮したという。担当者は「第3波の影響で未受診者が増えなければいいが」と不安視する。
日本子ども虐待医学会の井上登生(なりお)副理事長は「個別健診は医師が記入した受診結果しか判断材料がなく、保健師は子どもに対する親の不適切なかかわりを見落としやすい。病気の発見や虐待予防の観点から、感染対策を講じて集団健診の継続を勧めたい」と話す。【黒田阿紗子、谷本仁美】