留学生の間でもクラスター 外国人への対応、言葉の壁高く

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、日本で暮らす外国人の間でもクラスター(感染者集団)が発生し、差別ともとれる事態も起きている。
言葉の壁や文化の違いもあり、自治体は必要な情報を伝えるのに苦心している。
仙台市青葉区の花壇自動車大学校では、10月20日から11月10日にかけて114人の感染が判明した。109人が外国籍の留学生で、東北地方では最大のクラスターになった。
うち64人は留学生用の寮で暮らしており、共同生活が拡大の背景とみられるが、自治体が頭を悩ませるのが情報発信のあり方だ。市はホームページなどで、感染防止策や相談方法を日本語や英語、中国語などで発信。宮城県と共同運営する相談用のコールセンターは12カ国語で対応する。だが、発熱などの症状があってもすぐに相談しない事例が多く発生した。
市交流企画課の担当者は「情報が本当に伝わったか、確認するのは難しい。外国籍の方は身内でコミュニティーを作る傾向があり、日本の行政機関に相談してもらうには壁がある」と悩む。
在留外国人が27万6282人(6月末時点)と全国で2番目に多い愛知県も、「言葉の壁」に直面する。
感染者には保健所の職員らが電話で行動歴などを聞き取って濃厚接触者を探すが、日本語を話せない場合は、話せる家族や友人を介して聞き取らざるをえない。県内の保健所の40代女性職員は「まず、濃厚接触者という言葉が伝わらない。説明した注意事項が、きちんと伝わっているのかという問題もある。感染者や濃厚接触者が外を出歩いてしまうこともあった」。同県豊橋市の担当者も「通訳する家族や友人に知られたくないことは隠されてしまうのでは」と懸念する。
外国人支援に関わる愛知県立大の神田すみれ客員共同研究員は「日本人と外国人との間に情報の格差がある。感染予防策はもちろん、発熱した時にどうすればいいのかといった情報を、丁寧に伝えていくことが必要だ」と話す。