千代田区長の億ション「見返りの疑い拭えず」 最終報告

東京都千代田区の石川雅己区長が区内の高級マンションの1室を優先購入していた問題で、区議会百条委員会は27日、最終報告をまとめた。
物件が区長家族向けに優先販売されたと認定したが、それが区によるマンションの高さ制限の緩和許可の見返りだったかどうかについては「疑いをぬぐい去ることはできなかった」とするにとどめた。
また、区議会は同日、証人喚問への出頭や記録の提出を正当な理由なく拒否したとして、区長の妻を、地方自治法違反の疑いで東京地検に刑事告発した。
■問題の経緯は
問題の物件は石川区長が2018年に妻、次男と共有名義で購入した同区三番町の高層分譲マンションの1室。このマンションは区から高さ制限を10メートル緩和する許可を受けていた。区長が、その見返りとして優先購入の便宜を受けた可能性があるとの疑惑から、区議会は今年3月から百条委を設置し調べてきた。
これまでに、区長家族が購入意欲や希望の部屋のタイプを示した後に、その部屋が一般販売枠から、地権者などに優先的に販売される「事業協力者住戸」枠に変更されたことなどが明らかになっている。
■なぜ区長家族に
証人喚問では物件を販売した三井不動産レジデンシャルの当時の担当部長も出頭。区長家族のために事業協力者住戸に変更したことを認め、「契約を円滑に進めるための販売戦略上の理由だった」と説明した。
百条委は、この日の最終報告で、なぜ区長家族に提供されたのか委員全員が納得することはできなかったとし、「疑惑は解消されるどころか一層深まった」と言及。さらに「倫理を求める立場の長が不正や便宜供与を疑われる行為をすることはあってはならない」と指摘した。
最終報告を受け、石川区長は、記者団に対し、「報告の内容は、見返りがあったことを認めているものではない」と自らの潔白を改めて主張。調査が長期にわたったことについて「区民にご迷惑をおかけしたことは深く反省している」と話した。(大山稜)
■千代田区長選には区議が出馬へ
来年1月の千代田区長選に同区議=自民=の早尾恭一氏(59)が27日、無所属で立候補する意向を表明した。取材に対し、「多選の弊害がある現状を変え、誇れる区にしたい」と話した。近く自民党都連が推薦を発表する見通し。
早尾氏は2007年に同区議に初当選し、現在4期目。区議会では、百条調査権が付与された企画総務委員会で委員長を務める。
現職の石川雅己区長は立候補の意向を明らかにしていない。