在日コリアンへの差別投稿で賠償増額 東京高裁「極めて悪質」

差別的なブログへの投稿で人格権を侵害されたとして、在日コリアン4世で大学1年の中根寧生(ねお)さん(18)=神奈川県=が、投稿者の60代男性に300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長、相沢哲裁判長代読)は12日、91万円の賠償を命じた1審・横浜地裁川崎支部判決を変更し、130万円の支払いを命じた。投稿は在日コリアンを侮辱する内容で、「人種差別に該当し、極めて悪質」と判断した。
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判決によると、中根さんは2018年1月、川崎市であった平和イベントに参加し、ラップで在日コリアンに対する偏見をなくそうと訴えた。その様子を地元紙が記事にしてインターネットで配信したところ、記事を見た男性が「悪性外来寄生生物種」「バカ丸出し」などとブログに投稿。中根さんの見た目を中傷する表現もあった。
判決は男性の投稿を「読者に対し差別的、侮辱的言動をあおるもの」と指摘し、中根さんの人格権を侵害したと認定。1審は男性が謝罪したことを考慮して賠償額を算出したが、中根さんが当時中学3年だったことを踏まえ、「多感な時期に与えた精神的苦痛は多大。謝罪の意などは被害を軽減するものとはいえない」として慰謝料を増額した。
判決後の記者会見で中根さんは「匿名でのひきょうな差別に対して、抑止効果の一歩になってくれたらうれしい」と話した。代理人の神原元弁護士は「1、2審とも人種差別を認めてくれた画期的な判決だ」と評価した。【遠藤浩二】