「ウサギの楽園」観光客減り、野生ウサギが激減…島内確認は500匹前後

「ウサギの楽園」として知られる広島県竹原市の大久野島(おおくのしま)で、野生のウサギが激減している。
新型コロナウイルスの感染拡大で、訪れる国内外の観光客が減り、餌が少なくなったためだ。地元では貴重な「観光資源」をどう守るかについて議論が始まっている。(飯田拓)

大久野島は周囲約4キロの無人島。第2次世界大戦前から戦中にかけ、旧陸軍の毒ガス製造工場があり、当時は機密保持のため地図から消されていたが、1950年に瀬戸内海国立公園に編入。現在、宿泊施設やキャンプ場があり、国内外から観光客が訪れている。
ウサギが増えたのは70年代。島外から持ち込まれた外来種が野生化し、繁殖したとされる。2013年頃、外国人観光客らがインターネットで「ウサギ島」と紹介したことで、知名度が急上昇。13年に約12万5000人だった観光客数は年々増え、19年は約28万9000人に達した。
観光客から栄養価の高い餌を与えられるようになったことでウサギの生息数が増えたとみられる。島を管理する環境省が18年に調査したところ約1000匹の姿を確認。風光明媚(めいび)な無人島の観光資源になる一方で、島の草木が食い荒らされ、道路脇の斜面が崩れるなどの問題も出ていた。
ところが、新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年春以降、来島者が激減。同省が今年1月、調べたところ、島内で確認されたのは500匹前後になっていたという。