首相、五輪中止求める声に「安全安心の大会、実現可能」

菅義偉首相は14日夜、首相官邸で記者会見し、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象を全国に拡大すべきだとの意見に関して「専門家からも、感染状況には地域差があり、急速に感染が拡大し病床状況が厳しい所があるとの指摘がある。こうした感染状況を踏まえ、全国一律というよりも地域ごとに効果的な対策を講ずることが重要だ」と述べ、全国への適用に否定的な見解を示した。
【図解でおさらい】3度の緊急事態、違いは
また、5月31日に緊急事態宣言の期限が切れた後の対応について「その時点で改めて判断を行う」と述べた。
首相は、国民の間に中止を求める声が出ている東京オリンピック・パラリンピックについて「まずは感染拡大を食い止めるため全力を尽くす。選手や関係者の対策を講じて国民の命と健康を守り、安全安心の大会を実現することは可能だ」と述べ、開催する方針を改めて強調した。
また、新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は首相の記者会見に同席し、分科会が政府に北海道など3道県を追加するよう強く求めた理由について、4点あったと明かした。「3道県が総合的に言えばもう(国の感染指標で最も深刻な)ステージ4(感染爆発)だ」「変異株の影響が今非常に強くなり、さらなる感染拡大が懸念される」「病床の逼迫(ひっぱく)状況が数の上でもうすでに厳しいが、数が示すよりさらに厳しい状況にある」「緊急事態という強いメッセージが今の状況を改善するには必要だ」――の4点だったという。
尾身氏は「こうしたことを率直に政府に述べるのが我々の責任と思って述べたところ、政府は非常に早い対応をして意見を採用してもらった」と述べた。【花澤葵】