「未婚より既婚女性のほうが幸せのウソ」既婚女性に広がる幸福度格差

「結婚によって女性は幸せになれるのか」
この問いはさまざまな映画や小説のテーマになっています。そして、多くの場合、「結婚=幸せ」という図式が成り立っているのではないでしょうか。
わかりやすい具体例として挙げられるは、プリンセスが出てくる物語です。
結婚した後、「末永く幸せに暮らしました」というフレーズで締めくくられ、「結婚=幸せ」という図式が成立することを暗に示しています。
実はこの点はあながち間違いではありません。学術的な研究でも裏付けが取れています。
さまざまな国のデータを用いた研究において、「結婚している女性の方が未婚女性よりも幸福度が高い」ことが示されています(※1)。
実際に、日本の女性を対象にした分析結果を見ると、既婚女性の幸福度の平均値は、未婚女性や離婚した女性よりも高くなっています(※2)(図表1)。
[1]筒井義郎(2018)結婚と幸福:サーベイ、Discussion Papers In Economics And Business, Discussion Paper 18-01.[2]図表1・2での離婚した女性とは、過去1年間に離婚を経験した女性のことを意味している。
図表1の結果は、「結婚した女性が幸せになっている」ことを示していますが、冷静になって考えると「これって本当?」と疑問がわいてきます。世の中を見渡すと、夫婦関係に不満を抱え、幸せではない結婚生活を送る女性の姿を見かけることが少なからずあるからです。結婚生活と一口に言っても、夫婦関係が良い場合もあれば、悪い場合もあります。夫婦仲が良ければ結婚生活は楽しく、幸せなものになるでしょう。しかし、もし夫婦仲が悪ければ、結婚生活はつらく、幸せとはかけ離れたものになる恐れがあります。夫婦とは共に生きていくことを誓い合った仲であり、簡単に別れることができないためです。このように、結婚生活が幸せなものになるかどうかは、「夫婦関係の良し悪し」によって大きな影響を受ける可能性があります。■夫婦関係の良し悪しが幸福度にダイレクトに影響するこの実態を探ったのが図表2です。この図は、図表1の結婚している女性を夫婦関係に「満足」、「普通」、「不満」の3つのグループに分け、それぞれの幸福度の平均値を示したものです。この図は、興味深い2つ結果を示しています。1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
結婚生活と一口に言っても、夫婦関係が良い場合もあれば、悪い場合もあります。夫婦仲が良ければ結婚生活は楽しく、幸せなものになるでしょう。しかし、もし夫婦仲が悪ければ、結婚生活はつらく、幸せとはかけ離れたものになる恐れがあります。夫婦とは共に生きていくことを誓い合った仲であり、簡単に別れることができないためです。このように、結婚生活が幸せなものになるかどうかは、「夫婦関係の良し悪し」によって大きな影響を受ける可能性があります。■夫婦関係の良し悪しが幸福度にダイレクトに影響するこの実態を探ったのが図表2です。この図は、図表1の結婚している女性を夫婦関係に「満足」、「普通」、「不満」の3つのグループに分け、それぞれの幸福度の平均値を示したものです。この図は、興味深い2つ結果を示しています。1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
しかし、もし夫婦仲が悪ければ、結婚生活はつらく、幸せとはかけ離れたものになる恐れがあります。夫婦とは共に生きていくことを誓い合った仲であり、簡単に別れることができないためです。このように、結婚生活が幸せなものになるかどうかは、「夫婦関係の良し悪し」によって大きな影響を受ける可能性があります。■夫婦関係の良し悪しが幸福度にダイレクトに影響するこの実態を探ったのが図表2です。この図は、図表1の結婚している女性を夫婦関係に「満足」、「普通」、「不満」の3つのグループに分け、それぞれの幸福度の平均値を示したものです。この図は、興味深い2つ結果を示しています。1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
このように、結婚生活が幸せなものになるかどうかは、「夫婦関係の良し悪し」によって大きな影響を受ける可能性があります。■夫婦関係の良し悪しが幸福度にダイレクトに影響するこの実態を探ったのが図表2です。この図は、図表1の結婚している女性を夫婦関係に「満足」、「普通」、「不満」の3つのグループに分け、それぞれの幸福度の平均値を示したものです。この図は、興味深い2つ結果を示しています。1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
この実態を探ったのが図表2です。この図は、図表1の結婚している女性を夫婦関係に「満足」、「普通」、「不満」の3つのグループに分け、それぞれの幸福度の平均値を示したものです。この図は、興味深い2つ結果を示しています。1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
1つ目は、夫婦関係の満足度が「満足」から「普通」、「不満」へと変化するにしたがって、女性の幸福度が低下するという点です。夫婦関係に満足している女性ほど幸福度が高く、夫婦関係に不満を抱える女性ほど幸福度が低くなっています。この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
この結果は、「夫婦関係の良し悪しが女性の幸福度にダイレクトに影響する」ことを意味します。■結婚から得られる幸福には格差がある2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
2つ目は、夫婦関係に不満のある女性の幸福度が未婚女性や離婚した女性の幸福度よりも低くなっているという点です。これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
これは、ショッキングな結果です。夫婦関係に不満のある女性の幸福度が最も低くなっているためです。この結果は、「夫婦関係に不満のある結婚は、それだけ女性の幸福度を押し下げるマイナスの影響を持つ」ことを意味します。以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
以上の結果をまとめると、「結婚によってすべての女性が幸せになっているわけではなく、夫婦関係に満足する一部のみが大きな幸せを享受する」と言えるでしょう。結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
結婚から得られる幸福度には、格差が存在しているわけです。■夫婦関係は「経年劣化」する図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
図表2の結果は、結婚生活で幸せになるには、良好な夫婦関係が重要であることを示しています。それでは、いったいどの程度の人が夫婦関係に満足しているのでしょうか。実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
実は夫婦関係の満足度は一定ではなく、結婚期間とともに変化することが指摘されています(※3)。図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
図表3は結婚期間別の夫婦関係満足度の構成比を示しています。これを見ると、結婚直後だと大半の女性が夫婦関係に「満足」していることがわかります。[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
[3]永井暁子(2005)結婚生活の経過による夫の夫婦関係満足度の変化、季刊家計経済研究、66, 76-81.しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
しかし、結婚期間が伸びるにつれて、夫婦関係が「普通」や「不満」の割合が大きく増加します。結婚10年目以降になると、夫婦関係に「満足」している割合よりも、夫婦関係が「普通」や「不満」の合計値の方が大きくなっています。この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
この結果を一言でいえば、「夫婦関係は経年劣化する」となるでしょう。夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
夫婦関係に凄く満足できるのは結婚してからの数年間であり、時間がたつにつれて普通になっていく。これは実感に近いのではないでしょうか。ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
ちなみに、図表3と同じデータを用いて、10年間継続して夫婦関係に満足している女性の割合を計算すると、約13%でした(※4)。この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
この結果も夫婦関係に満足し続けることが難しいことを物語っています。[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
[4]佐藤一磨(2021)夫婦関係満足度と幸福度―夫婦仲が悪い結婚と離婚、幸福度をより下げるのはどちらなのか―, PDRC Discussion Paper Series DP2021-001のp27のAppendix2に計算結果を掲載。■結婚で幸せになるには、夫婦関係のマネジメントが重要これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
これまでの内容を整理すると、次のようにまとめることができます。「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
「結婚によって幸せになれる女性もいるが、すべての女性が幸せになれるわけではない」結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
結婚は、幸せを保証するものではないということです。もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
もし幸せな結婚生活を送りたいのであれば、結婚後もパートナーとうまくやっていく「マネジメント力」が求められることになるでしょう。もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
もともと赤の他人である二人の人間が同じ屋根の下で共同生活を行うのが結婚です。このため、夫婦関係を良好に維持するには、調整やマネジメントが必要不可欠となります。食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
食事、運動、余暇の過ごし方といった生活習慣から、子どもに対する考え方や金銭感覚に至るまで幅広い範囲がマネジメントの対象です。しかも期間は1、2年というわけでなく、その後の生涯にわたる可能性があります。これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
これはなかなか大変な作業です。ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
ただ、女性だけでなく、男性もこのような意識を持ち続けることが夫婦関係の維持・向上に寄与する可能性があります。■離婚という解決策夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
夫婦関係に不満のある結婚生活は、幸福度の観点から見た場合、大きな問題です。この解決策として「離婚」という選択肢も考えられます。図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
図表2にあるとおり、結婚生活に不満のある女性よりも、離婚した女性の幸福度の方が高くなっている点を考慮すると、結婚への不満が長期にわたり、心身の健康を害するようになるのであれば、「離婚」という選択肢も検討する必要があるかもしれません。ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
ただし、日本の場合、離婚後の経済的な不安や子どもへの影響を考え、離婚に踏み切れない場合もあると考えられます。特に、離婚後の母子家庭は貧困に陥りやすいことがわかっており、これが不幸な結婚に女性を滞留させる原因の1つになっている可能性があります。この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
この点に関しては、地方自治体や国からの政策的な支援が求められるポイントでしょう。———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
———-佐藤 一磨(さとう・かずま)拓殖大学政経学部准教授1982年生まれ。慶応義塾大学商学部、同大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は労働経済学・家族の経済学。近年の主な研究成果として、(1)Relationship between marital status and body mass index in Japan. Rev Econ Household (2020). (2)Unhappy and Happy Obesity: A Comparative Study on the United States and China. J Happiness Stud 22, 1259-1285 (2021)、(3)Does marriage improve subjective health in Japan?. JER 71, 247-286 (2020)がある。———-(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)
(拓殖大学政経学部准教授 佐藤 一磨)