「映画文化の危機」 コロナでミニシアター閉館相次ぐ 深刻な資金難

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が31日まで延長された東京都で、多様な映画を上映する小規模映画館(ミニシアター)が苦境に立たされている。都による休業の要請や協力依頼が続き、深刻な資金難に直面しているためだ。閉館を余儀なくされる映画館もあり、関係者は公的な支援を強く求めている。
中小映画館の打撃深刻 映画評論家・町山智浩さん
「休業依頼の根拠が分からない。映画館はほかの施設とどう違うのか」。東京・渋谷のミニシアター「ユーロスペース」の北條誠人支配人(59)は宣言の延長に伴う措置の分かりづらさにため息をついた。
都は床面積1000平方メートル超の映画館に休業を要請し、1000平方メートル以下の場合は休業の協力を依頼した。いずれも政府より厳しい、都独自の措置だ。ミニシアターは客席数200~300程度で、大半が後者に分類されるとみられる。一方で劇場や演芸場は宣言の延長に伴い、政府の方針に沿って措置が緩和され、「無観客開催」要請から営業時間短縮などの要請となった。
大手映画会社の直接的な影響を受けずに自主映画や過去の名作などを独自に選んで上映するミニシアターは、映画ファンにとって大切な場所だ。ユーロスペースは昨年、映画関係者らが設立したクラウドファンディングから300万円の援助を受けたが、1年間の売り上げは例年の3分の2ほどにとどまった。現在は感染防止策を徹底して上映を続ける。北條支配人は「閉館すれば映画の作り手や配給会社にお金が行き渡らなくなる。行政による支援が必要だ」と訴える。
「ミニシアターの消滅は、日本の映画文化そのものの危機だ」。ミニシアターを支援する有志でつくる「セーブザシネマ」のメンバーで弁護士の馬奈木厳太郎さんはそう指摘し、営業の自粛などで生じた経済的ダメージを踏まえた行政による支援を求めている。 一般社団法人コミュニティシネマセンターによると、全国のミニシアターは2020年時点で約130館。都内には3割程度の約40館が集中する。だが、この中には営業が続けられなくなった映画館も。杉並区の「ユジク阿佐ケ谷」は昨年12月に閉館し、渋谷区の「アップリンク渋谷」も今月20日に閉館する。運営会社の浅井隆代表は「限界を超える状態で、再投資をしても先が見えない状況となり閉館という決断を余儀なくされました」と公式サイトに思いをつづった。 全国興行生活衛生同業組合連合会など複数の業界団体によると、これまでに国内の映画館でクラスター(感染者集団)の発生は確認されていない。一方で、都の休業依頼に応じた場合に支給される支援金は各館とも1日当たり2万円。あるミニシアターの支配人は「とても休業にたえられる額ではない。雇用を守るためにも、都内の多くの映画館は感染対策をしながら営業している」と解説する。【遠藤大志】
一般社団法人コミュニティシネマセンターによると、全国のミニシアターは2020年時点で約130館。都内には3割程度の約40館が集中する。だが、この中には営業が続けられなくなった映画館も。杉並区の「ユジク阿佐ケ谷」は昨年12月に閉館し、渋谷区の「アップリンク渋谷」も今月20日に閉館する。運営会社の浅井隆代表は「限界を超える状態で、再投資をしても先が見えない状況となり閉館という決断を余儀なくされました」と公式サイトに思いをつづった。 全国興行生活衛生同業組合連合会など複数の業界団体によると、これまでに国内の映画館でクラスター(感染者集団)の発生は確認されていない。一方で、都の休業依頼に応じた場合に支給される支援金は各館とも1日当たり2万円。あるミニシアターの支配人は「とても休業にたえられる額ではない。雇用を守るためにも、都内の多くの映画館は感染対策をしながら営業している」と解説する。【遠藤大志】
全国興行生活衛生同業組合連合会など複数の業界団体によると、これまでに国内の映画館でクラスター(感染者集団)の発生は確認されていない。一方で、都の休業依頼に応じた場合に支給される支援金は各館とも1日当たり2万円。あるミニシアターの支配人は「とても休業にたえられる額ではない。雇用を守るためにも、都内の多くの映画館は感染対策をしながら営業している」と解説する。【遠藤大志】