リモートワークに慣れすぎて出社が苦に…「出社ストレス」を乗り越えるための2つのポイント

これほど急速に世の中の仕組みがガラッと変わるとは、誰も予測していなかったのではないだろうか。しかし、必要に迫られたとはいえ、人間は短期間の間に生活スタイルを激変させた。その順応性の高さには驚かされるのだが、なにぶん短期間での大変換だったこともあり、そこに歪みも生じている。
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代表的なのが「リモートワーク」。会社に行かない生活に馴染めずに苦しむ人がいる一方、自宅から出ない生活を満喫している人もいる。
ただ、在宅勤務に体が慣れてしまうと、今度は元の生活に戻れなくなるのではないか、と心配する人も出てくる。今回は、そんな心配性な人のお話です。
IT関連企業に勤務するEさん(34)は、コロナ禍による在宅勤務が1年を超えた。元々人付き合いが活発な方ではなく、会社や得意先に行っても地味に過ごしているタイプ。リモートワークは彼の性に合っていたようだ。
ところが最近、彼は不安にさいなまれている。
「コロナ禍が収束して通勤が再開したら、果たしてやっていけるのだろうか……」iStock.com リモートワークとはいえ、月に1~2回は会社に顔を出さなければならない。最初のうちは嫌々ながらも“出勤”ができていたのだが、最近は体が強い拒否反応を示すようになったのだ。「出社日の前日あたりから体調不良が始まり、当日は起きた瞬間から体がだるく、頭が痛い。電車に乗るとさらに気分が悪くなり、吐き気を催して途中駅で降りて休憩することもある。たまの出勤でこのざまなのに、毎日出社するなんてとても……」 会社に行かなくなったことで彼が得たメリットは多い。作業中に話しかけられることが苦手だった彼にとって、気まぐれに仕事や雑用を任せてくる上司のストレスから離れられたことは大きく、いつも断っていた飲み会もそれ自体がなくなったことでストレスから解放されたように感じるという。 彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
iStock.com リモートワークとはいえ、月に1~2回は会社に顔を出さなければならない。最初のうちは嫌々ながらも“出勤”ができていたのだが、最近は体が強い拒否反応を示すようになったのだ。「出社日の前日あたりから体調不良が始まり、当日は起きた瞬間から体がだるく、頭が痛い。電車に乗るとさらに気分が悪くなり、吐き気を催して途中駅で降りて休憩することもある。たまの出勤でこのざまなのに、毎日出社するなんてとても……」 会社に行かなくなったことで彼が得たメリットは多い。作業中に話しかけられることが苦手だった彼にとって、気まぐれに仕事や雑用を任せてくる上司のストレスから離れられたことは大きく、いつも断っていた飲み会もそれ自体がなくなったことでストレスから解放されたように感じるという。 彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
リモートワークとはいえ、月に1~2回は会社に顔を出さなければならない。最初のうちは嫌々ながらも“出勤”ができていたのだが、最近は体が強い拒否反応を示すようになったのだ。「出社日の前日あたりから体調不良が始まり、当日は起きた瞬間から体がだるく、頭が痛い。電車に乗るとさらに気分が悪くなり、吐き気を催して途中駅で降りて休憩することもある。たまの出勤でこのざまなのに、毎日出社するなんてとても……」 会社に行かなくなったことで彼が得たメリットは多い。作業中に話しかけられることが苦手だった彼にとって、気まぐれに仕事や雑用を任せてくる上司のストレスから離れられたことは大きく、いつも断っていた飲み会もそれ自体がなくなったことでストレスから解放されたように感じるという。 彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「出社日の前日あたりから体調不良が始まり、当日は起きた瞬間から体がだるく、頭が痛い。電車に乗るとさらに気分が悪くなり、吐き気を催して途中駅で降りて休憩することもある。たまの出勤でこのざまなのに、毎日出社するなんてとても……」 会社に行かなくなったことで彼が得たメリットは多い。作業中に話しかけられることが苦手だった彼にとって、気まぐれに仕事や雑用を任せてくる上司のストレスから離れられたことは大きく、いつも断っていた飲み会もそれ自体がなくなったことでストレスから解放されたように感じるという。 彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
会社に行かなくなったことで彼が得たメリットは多い。作業中に話しかけられることが苦手だった彼にとって、気まぐれに仕事や雑用を任せてくる上司のストレスから離れられたことは大きく、いつも断っていた飲み会もそれ自体がなくなったことでストレスから解放されたように感じるという。 彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
彼自身、会社にいれば人付き合いが必要なことは理解している一方で、それが「嫌い」な自分もよく分かっており、かといって「独立してやっていこう!」というタイプでない自覚もある。 仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
仕事に対する姿勢は誰よりも真面目で、任された仕事は期限内にきちんと終わらせるため、人付き合いは悪くても周囲の評価は悪くなかった。そんなEさんにとって、リモートワークは最適な労働環境。まさに「水を得た魚」のようだ。リモートワーク中の平均的な一日 在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
在宅勤務中のEさんの平均的な一日はこんな感じ。・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
・朝8時頃に起床。簡単な朝食。・9時から13時まで自宅で仕事。・その後昼食をとって昼寝。・15時頃から再び仕事をして、19時か20時頃に切り上げる。・夕食のあとは軽くビールかワインを飲みながら、YouTubeなどを見て過ごす。・日付が変わる頃には自然に眠くなるので就寝。・特別な用事がない限り、基本的に土日はゴロゴロして過ごす。 以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
以前は週に1回か2回ジムに行っていたが、最初の緊急事態宣言でジムが休業して以来、行っていないし行くつもりもない(手続きに行くのが面倒なので退会はしていない)。食材は週末に近所のスーパーに買いに行くが、ウーバーを利用することも多い。その気になれば1週間で一度も外出しないで過ごせる自信はある。言い忘れたがEさんは独身で、この数年は女性とのお付き合いもない。結婚願望もないという。 さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
さて、こんなEさんを医学的に分析するとどうなるのか。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師が解説する。「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「出勤日に頭痛や吐き気が出るのは自律神経失調症のストレス反応ですが、これをもって“病気”と認定するのは時期尚早。コロナ禍で起きているメンタル不調のなかでは軽いほうだし、考え方次第ではEさんは“幸せな人”ですよ」 当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
当人としてはかなり悩んでいるようなのだが、本当に「幸せ」なのだろうか。「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「Eさんの悩みは『コロナ禍が収束したら』とか『通勤が再開したら』という“将来の不安”によるものです。いまは何の苦痛もなく、それどころか快適な毎日を過ごしている。単に将来の不安を予期し過ぎていまの幸せに目が向けられない状況なのです。 そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
そもそも、コロナ禍はまだ当分は続きそうだし、収束したとしてもリモートワークは継続される可能性もある。新型コロナウイルスが完全に制圧され、明日から毎日出社しなければならない、という日の夜になってから悩めばいいことを、前倒しで悩んでしまっているのです」(山本医師・以下同) じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
じつに明快な回答である半面、Eさんにとっては取り付く島もないご意見のような気も……と思ったところで山本医師が付け加えてくれた。「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「ネガティブな思考をポジティブに変えればいいだけのこと。そのためにはどうすればいいのかを考えましょう」一つだけ気になることが… いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
いまの生活がEさんにとって快適であることは間違いないようだが、山本医師は一つだけ気になることがある、という。「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「“運動不足”です。会社に行くということは、それだけでもちょっとした運動になるし、日に当たる機会も得られる。毎日通勤していたころのEさんは、当人にその自覚がないだけで、相応の運動をしていたのです。ところがいまの彼の生活にはそれがない点が心配です。無理してジムに行く必要はないものの、せめて1日1回、20分か30分の散歩でもしてほしいところです」 巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
巣ごもり生活で日に当たる時間が減ったことで、ビタミンD不足が懸念されている。そのためここに来てビタミンDのサプリメントの売れ行きが倍増しているとの報道もあった。 ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
ビタミンD不足が続くと骨が弱くなることが知られているが、じつは「うつ症状」を引き起こすリスクもあるのだ。Eさんのように「思い悩むタイプ」の人は、なるべくならビタミンDを減らさないように心がけたいもの。サプリで補充してもいいが、それよりは天気のいい日に散歩したほうが健康的だ。「起床時間」と「始業時間」の意外な関係 もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
もう一つ、月に1~2回の“出社日”の対策についても山本医師に話してもらった。「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「始業時刻の3時間前には起床するようにすると、だいぶラクになるはずです。人間には体調を整えるための三つの機能が備わっています。ホルモン(内分泌)、自律神経(交感神経と副交感神経)、そして免疫系です。 そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
そしてこの三本柱には“日内リズム”があり、このリズムには、睡眠(夜)と覚醒(昼)の二つの“相”がある。 “夜の相”から“昼の相”に移る、つまり睡眠モードから本格的な活動モードに完全に移行するのに、2~3時間かかるといわれており、起きてから仕事開始までの時間が短いほど自律神経のバランスが崩れて、ストレス反応(Eさんの場合は頭痛や吐き気)が出やすくなるのです。 したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
したがって、仕事の開始時刻が9時なら6時以前に、10時なら7時以前に起きるのが理想的。できることなら、在宅勤務のあいだも起きる時刻だけは出社日に揃えておくと、いざ通勤再開となった時もスムーズに移行できるはずです」「ついていけない」ときに無理はしない 山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
山本医師によると、コロナ禍の在宅勤務で、完全に昼夜逆転してしまっている人が増えているという。これが体に沁み込んでしまうと「時差ぼけ」と同じ状態になるので、人によっては元の生活に戻すのに苦労することになるのだが、Eさんのライフサイクルであれば、ほぼ問題なく元に戻せるとのこと。「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
「はたから見ればもっと深刻な状況なのに、何の不安もなく呑気に暮らしている人もいる中で、Eさんは真面目な性格なのでしょう。それは決して悪いことではないし、どうしてもつらくなったらメンタルヘルスケアという受け皿もある。いまは充電期間と考えて、満喫すればいいのです」 悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
悩む対象は人それぞれ。ただ、コロナ禍によって“不安のネタ”が増え、鮮明に照らし出され、体が付いていけなくなっている人は少なくないようです。 ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
ただでさえ心配事が多いのに、ニュースを見ればギスギスした話題にあふれていて、気分は落ち込むばかり。山本医師の言うように、散歩でもしてポジティブな思考にする取り組みが、いまは一番大切なのかもしれません。(長田 昭二)
(長田 昭二)