「褒めて欲しい」「叱って欲しい」“普通の主婦”が「電話で悩みを聞く副業」で月収40万を超えるまで

『日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書』という本を書いた。副業の本を出すのは13年ぶり。そこで気付いたことは、副業の仕事が「素人」から「プロ」にスライドしている点である。
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以前はオークションやアフィリエイトなど、やり方さえ覚えれば素人でも稼げる副業が多かった。しかし、今は専門的な知識や技術を要する副業に人気が集まっている。
たとえば、Webライターの副業は検索エンジン対策やオウンドメディアのノウハウがなければ、効率よく稼ぐことが難しくなっている。動画編集の副業も、YouTubeでバズる方法やクリック率を上げるサムネイルの制作技術がなければ、企業の案件が取りづらくなりつつある。リモートワークが普及したことで、専門知識を有するサラリーマンが、地方の企業へアドバイスする副業も人気だ。
近年、「副業事情」は様変わりしている iStock.com
自宅勤務で通勤時間がなくなり、時間を持て余している会社員が、減らされた残業代を取り返すために、特技や経験を生かして副業を始めているのが、今のコロナ禍のサイドビジネス事情といえる。
そのようなご時世だからこそ「電話相談」という、誰にでもできそうな副業に対して懐疑的な思いがあった。見ず知らずの人にお金を払い、悩みを相談する人などいるのだろうか。専門家やプロに需要が集まる今の副業の業界で、特別なスキルを必要としない電話相談という仕事が、ビジネスとして成立するとは思えなかった。
そんなうがった目でネットを調べていると、スキルや特技が出品できる「ココナラ」で、電話相談の副業をしている「けんちゃんママ」という主婦を見つけた。 どういう思いでこの副業を始め、どういう仕事をして、どのくらい稼げているのか。その他もろもろのことが聞きたくなって、けんちゃんママに取材を申し込んだ。意外と重労働?「副業の一日」「本当に普通の主婦なんです」 リモート取材に応じてくれたけんちゃんママの第一印象は「明るい人」。ココナラでトップクラスの人気を誇る人だったので、少しは横柄に出られることを覚悟していたが、拍子抜けするほど腰の低い女性だった。「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
どういう思いでこの副業を始め、どういう仕事をして、どのくらい稼げているのか。その他もろもろのことが聞きたくなって、けんちゃんママに取材を申し込んだ。意外と重労働?「副業の一日」「本当に普通の主婦なんです」 リモート取材に応じてくれたけんちゃんママの第一印象は「明るい人」。ココナラでトップクラスの人気を誇る人だったので、少しは横柄に出られることを覚悟していたが、拍子抜けするほど腰の低い女性だった。「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「本当に普通の主婦なんです」 リモート取材に応じてくれたけんちゃんママの第一印象は「明るい人」。ココナラでトップクラスの人気を誇る人だったので、少しは横柄に出られることを覚悟していたが、拍子抜けするほど腰の低い女性だった。「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
リモート取材に応じてくれたけんちゃんママの第一印象は「明るい人」。ココナラでトップクラスの人気を誇る人だったので、少しは横柄に出られることを覚悟していたが、拍子抜けするほど腰の低い女性だった。「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「この副業のいいところは、自分の好きな時間に働けるところです。家事の合間の隙間時間を利用して仕事をすることができるんです」 電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
電話相談は朝7時から深夜0時まで。多い時で1日6件ほどの相談を受ける。料金は自分で決めることができて、1分間の相談料金を設定し、話した分だけ料金が加算されていく。 相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
相談時間は短い人で3分、長い人で3時間。これ以上の時間になると自動的にココナラのほうで通話が切断されるシステムになっている。しかし、再び同じ人がすぐに電話をかけてくることも稀にあり、けんちゃんママの最高電話通話記録は8時間47分。朝に電話がかかってきて、電話が終わったのが夕方ごろ、なかなかな重労働だ。 それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
それでも、平均すると電話相談の時間は30分から1時間ぐらいで収まるという。一見、長時間労働のように見えるが、実際は自分の空いている時間だけで対応をしているので、スケジュールにがんじがらめになることはない。 2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
2人の子供のお母さんである彼女にとって、好きな時間に稼げる電話相談の仕事は、理想の副業の形といえる。家具の相談から「レポートが終わらない!」「励まして欲しい」まで 電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
電話相談には必ずココナラの仲介が入るので、電話番号が相手に知られることはない。お互いが評価し合うシステムなので、常軌を逸した電話相談がかかってくることはほとんどないという。 どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
どんな人が、どんな相談をしてくるのか。「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「主婦、学生、サラリーマンさまざまです。友達や身内に相談できない深い悩みが多いです」 夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
夫の愚痴やパワハラの相談、独身女性からの転職や結婚の悩みなど、知っている人には相談しづらい話が大半を占める。 一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
一方で、ユニークでほのぼのした相談事も多い。 ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
ある大学生からは「レポートが終わらない!」と、解決のしようがない相談を受けたことがあった。また、会社の経営者からは、次に買うオフィス家具の相談をされ、ある母親からは「娘が相談したいことがある」と、電話を代わり、女子中学生の悩みを聞いてあげたこともあった。「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「『励まして欲しい』という電話も多いです。これから夜勤に出る人から、会社に行きたくないから出勤前に励まして欲しいとか、ある出版社の編集者さんからは、今から怖い漫画家に原稿を取りに行かなくてはいけないから、勇気がもらえる言葉が欲しいとか。そういうことって、知っている人には頼みづらいですよね」 また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
また、悩み事の域を超えるような相談が舞い込んでくることもあるという。 病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
病気の検査で異常なしだったから褒めて欲しいと言われたり、お酒を飲み過ぎるから自分を叱って欲しいと言われたり。「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「電話で時代劇の練習相手になったこともありました。一生懸命やったんですが、私が大根役者過ぎて、その方から2度目の電話がかかってくることはありませんでした」悩みを聞くコツは… 悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
悩みを聞くコツはあるのか。「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「真剣に耳を傾けることです。丁寧に話を聞いて、内容を全部受け入れる覚悟で悩みを聞くようにしています」 現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
現在、けんちゃんママは、月によってばらつきがあるものの、電話相談で20万円~40万円を稼ぐ。主婦の副業としては十分すぎるほどの収入といえる。 しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
しかし、ここまで稼げるようになるまでは、平坦な道のりではなかったようだ。得意の料理で始まったネットの副業。しかし… ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
ココナラで仕事を始める前まで、けんちゃんママは病院の受付事務のパートとして働いていた。子供が大きくなるにつれて時間に拘束される仕事が難しくなり、在宅で自由に仕事ができるネットの副業に興味を持ち始めた。 しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
しかし、フリマアプリやブログを書く仕事では思うように稼げず、悩んでいたところ自分のスキルを販売する「ココナラ」と出会った。 料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
料理が得意だったけんちゃんママは、早速、『体育会男子高校生時短弁当の作り方』というサービスを、テキスト動画にまとめて出品した。だが、売れたのは総額1万3000円ぐらい。思うように収入を得ることはできなかった。 なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
なんの特技もない自分がココナラで稼ぐ方法はあるのか。他の人の仕事を見ていたところ「電話相談」というサービスにたどり着いた。「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「カウンセラーでもない私が、他人の相談なんか受けてもいいのかという不安はありました。話を聞くことがうまい人なんて、世の中にたくさんいますから」 不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
不安だらけで始めた最初の電話相談は今でも覚えているという。話がまったく噛み合わず、相談にもうまく乗れなかった。自分は人の話を聞く才能はないと激しく落ち込んだ。「相談する人の悩み事の答え」のありか しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
しかし、不慣れながらも人の悩みと向き合い、一生懸命、話を聞いているうちに、少しずつコツが分かってきた。「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「相談する人の悩み事の答えは、すでにその人の中で出ているケースがほとんどなんです。受け入れて欲しい、癒やされたい、承認して欲しいという思いがあるから、悩みを他人である私に相談しているんです。だから、何を相談されても、正論やアドバイスを言わないようにしています。その人の気持ちに共感してあげることが、相談する人が一番求めていることなんです」 けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
けんちゃんママは、「今、この人が求めている言葉は何だろう?」と常に頭の中で考えながら相談を受ける。ノートにメモを取りながら、話の全体像を掴んだ上で相談の受け答えをする。びっしりと悩み事が書き込まれたノートは、5月で9冊目に突入した。副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
副業で出会えた「感動」 けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
けんちゃんママに電話相談のやりがいを聞いてみた。「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「収入面のやりがいはもちろんあります。でも、それ以上に人に感謝されることが、この副業の最大の魅力だと思っています」 主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
主婦の仕事として家事、掃除、洗濯を日々こなすが、それらを通じて「ありがとう」と言われることはない。母として妻として当たり前だと理解しながらも、心のどこかで淋しいという思いをけんちゃんママはずっと抱えていた。 そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
そんな自分が、電話相談で見ず知らずの人から「ありがとう」と言われ、時には泣きながら感謝の言葉を述べられる。今までの生活では体験することができなかった感動がそこにはあった。「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「世の中にはお金をもらえる副業がたくさんあります。でも、人から感謝される副業はそんなに多くありません。自分の存在意義を感じられるこの仕事は、一度体験してしまうと止められなくなりますよ」けんちゃんママの「副業のその先」 今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
今、けんちゃんママが取り組んでいることが2つある。 ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
ひとつは、ココナラで電話相談の副業をはじめたい人への支援だ。一般の人からの電話相談の他に、副業で稼ぎたい人に対して、コツやアドバイスを電話で教えている。しかし、ノウハウを教えることは、自分のライバルが増えることにもなる。「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「何も才能がなかった私が、これだけ楽しい副業に巡り合うことができたんです。きっと誰でもできる仕事だと思うし、多くの人にいろいろな出会いや体験が生まれるほうが、世の中のためになると思ったんです」 もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
もうひとつ、副業を通じて取り組むのが、フィリピンのセブ島のスラム街への支援だ。昔から海外の貧困層への支援に興味があったが、時間とお金がなくて行動に移すことはできなかった。 しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
しかし、ココナラの電話相談で稼げるようになり、ボランティア活動の夢を叶えることができるようになった。「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「セブ島のスラム街に行って、貧困層の子供たちを目の当たりにしてきました。今はココナラの売上の一部を寄付にあてていて、いつか、電話相談をしてくださった人たちと一緒に、フィリピンの子供たちに支援ができるような事業が始められればと思っています」 悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
悩みの相談を受けて、そこで稼いだお金を今度は貧困で悩む子供たちを救うために使う。けんちゃんママの悩み事の支援サイクルは、小さいながらも少しずつ回り始めている。「けんちゃんママの悩み」は誰が聞く? 最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
最後にけんちゃんママ自身は誰かに相談しないのかと聞いてみた。しばらく考えた後に「あまりないですね」と言葉が返ってきた。「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「電話相談を長くやっているとストレスをうまくかわすやり方を覚えてくるんです。それに、こんなに長く電話相談を続けられるということは、人の悩みを聞くのが本当に好きなんだと思います。この仕事にやりがいを感じているし、誇りも持っているから、大きなストレスを感じることはあまりないですね」悩みを聞いてもらえる場所 取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
取材する前まで、電話相談の副業に対して「本当に稼げるのか?」という思いがあった。しかし、悩み事が複雑に入り組むこの時代に、誰かに相談したいというニーズは増えているはずである。 特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
特にコロナ禍で人との接触が絶たれたことで、不満や辛さを心の中に閉じ込めてしまう人は多い。自分自身の存在意義が分からなくなり、心の中で悲鳴を上げている人はたくさんいるに違いない。 それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
それならば、心理カウンセラーや精神科の医師に相談すればいいと思っていたが、いざ自分の立場で考えてみると、それも難しいことが分かった。 専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
専門家に相談することで「自分が何かしらの病気なのではないか」とは思い込んでもイヤだし、仮に相談しても、「カウンセラーだから」「話を聞くプロだから」と思って、素直に専門家の話が聞けなくなってしまう。「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
「人の悩みを聞く」というマーケットは改めて大きいと思った。しかし、ちょうどいいさじ加減のサービスが今まで存在していなかった。そこにけんちゃんママのような電話相談のプロが現れて、悩み事を相談するサービスの市場を急拡大させた。 格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
格差社会や差別、家庭問題など、息苦しい問題が世の中に増えれば増えるほど、心の隙間を埋める「普通の人の電話相談」という新しい副業は、世の中に浸透していくのではないだろうか。◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
◆◆◆写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
写真=けんちゃんママ提供(竹内 謙礼)
(竹内 謙礼)