昨年のバッシングを戦い抜いたパチンコ店幹部がいま語る経営哲学

COVID-19という新型コロナウイルスによる感染症の拡大を防ぐために、様々なことを辛抱しなければならない生活も一年を超えた。その間、人々は「敵」を次々と認定し攻撃してきた。俳人で著作家の日野百草氏が、一年前にもっとも糾弾されていた業界のひとつであるパチンコ店幹部に、乗り越えたいまだからこそ言えることを聞いた。
【写真】一年前はパチンコ店が悪役だった
* * *「いいなりになったらやられるんです。関係ない人の言いなりになっても、なにもいいことはない」
関東近郊、地場のパチンコ店幹部である西口真二さん(仮名・48歳)はマスク越しに笑みをのぞかせた。マスクでくぐもっていても、その声は相変わらずの自信に満ちている。
「去年の今ごろとずいぶん風向きは変わりました。私たちの努力と、支持してくださるファンのおかげです」
日曜日の千葉県柏市、柏駅はコロナ禍にあっても賑わいをみせていた。東京東部の住宅街、綾瀬駅や亀有駅、金町駅から乗った乗客が多数、この柏駅や途中の松戸駅に降りるところをみると、緊急事態宣言下の都内を避けて千葉に買い物に来た都民も多いのだろう。西口真二さんは筆者の高校時代の友人、学校は違うが、この柏駅近くの地下ゲームセンター街、通称”丸チカ”に集った古きゲーム仲間だ。
「あのとき(2020年の緊急事態宣言)ほどではありませんが、足立区や品川区といったナンバーもいます」 緊急事態宣言、2020年とは違い2021年のいま、都内のホールのほとんどは営業している。1000平米超の大型施設に対する休業依頼だが、百貨店や映画館はその範疇になくとも休業、もしくは規模縮小の上で営業している。西口さんの地域は緊急事態宣言下にないため都内のホールのような時短もしていない。関東各県は特定の市に対してまん延防止等重点措置の対象地域に指定しているが、あくまで要請でありコロナ対策の徹底には従っても私権に及ぶことまで言うことを聞く義理もない。協力金もはした金、パチンコホールのように特定の顧客に支えられたアミューズメント施設なら通常営業したほうがよっぽどいい。「そうです。お客様が来ないなら休みますが、支持してくれるお客様が来てくれるわけですから、ファンのためにも休めないわけです。お客様だけを大事にする姿勢は変わりません。それでいいんです」 特定顧客に支えられている業界は強い。気に入らないからと外野がパチンコ離れだ、オワコンだと喧伝しても20兆円産業であることは変わらない(レジャー白書2020)。観光業界の倍近く、公営ギャンブルの倍以上の市場規模であり、余暇産業の市場規模における日本一の業界がパチンコ・パチスロ産業だ。少子化や娯楽の多様化、規制の強化などで業界の将来性が不明瞭なのは事実で、最近はコロナより旧規則機問題のほうが痛く、西口さんによれば茨城県の県遊協など揉めにもめたらしいが、この辺の業界話は本旨でないため割愛する。「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」上は言うこと聞く相手にしか言ってこない 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
緊急事態宣言、2020年とは違い2021年のいま、都内のホールのほとんどは営業している。1000平米超の大型施設に対する休業依頼だが、百貨店や映画館はその範疇になくとも休業、もしくは規模縮小の上で営業している。西口さんの地域は緊急事態宣言下にないため都内のホールのような時短もしていない。関東各県は特定の市に対してまん延防止等重点措置の対象地域に指定しているが、あくまで要請でありコロナ対策の徹底には従っても私権に及ぶことまで言うことを聞く義理もない。協力金もはした金、パチンコホールのように特定の顧客に支えられたアミューズメント施設なら通常営業したほうがよっぽどいい。「そうです。お客様が来ないなら休みますが、支持してくれるお客様が来てくれるわけですから、ファンのためにも休めないわけです。お客様だけを大事にする姿勢は変わりません。それでいいんです」 特定顧客に支えられている業界は強い。気に入らないからと外野がパチンコ離れだ、オワコンだと喧伝しても20兆円産業であることは変わらない(レジャー白書2020)。観光業界の倍近く、公営ギャンブルの倍以上の市場規模であり、余暇産業の市場規模における日本一の業界がパチンコ・パチスロ産業だ。少子化や娯楽の多様化、規制の強化などで業界の将来性が不明瞭なのは事実で、最近はコロナより旧規則機問題のほうが痛く、西口さんによれば茨城県の県遊協など揉めにもめたらしいが、この辺の業界話は本旨でないため割愛する。「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」上は言うこと聞く相手にしか言ってこない 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「そうです。お客様が来ないなら休みますが、支持してくれるお客様が来てくれるわけですから、ファンのためにも休めないわけです。お客様だけを大事にする姿勢は変わりません。それでいいんです」 特定顧客に支えられている業界は強い。気に入らないからと外野がパチンコ離れだ、オワコンだと喧伝しても20兆円産業であることは変わらない(レジャー白書2020)。観光業界の倍近く、公営ギャンブルの倍以上の市場規模であり、余暇産業の市場規模における日本一の業界がパチンコ・パチスロ産業だ。少子化や娯楽の多様化、規制の強化などで業界の将来性が不明瞭なのは事実で、最近はコロナより旧規則機問題のほうが痛く、西口さんによれば茨城県の県遊協など揉めにもめたらしいが、この辺の業界話は本旨でないため割愛する。「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」上は言うこと聞く相手にしか言ってこない 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
特定顧客に支えられている業界は強い。気に入らないからと外野がパチンコ離れだ、オワコンだと喧伝しても20兆円産業であることは変わらない(レジャー白書2020)。観光業界の倍近く、公営ギャンブルの倍以上の市場規模であり、余暇産業の市場規模における日本一の業界がパチンコ・パチスロ産業だ。少子化や娯楽の多様化、規制の強化などで業界の将来性が不明瞭なのは事実で、最近はコロナより旧規則機問題のほうが痛く、西口さんによれば茨城県の県遊協など揉めにもめたらしいが、この辺の業界話は本旨でないため割愛する。「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」上は言うこと聞く相手にしか言ってこない 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「何でもかんでもいいなりになってはいけないんです。協力はしますが、いいなりにはならない。自分たちの身は自分たちで守るというのは商売の鉄則です。パチンコ批判をしている人も、自分の食い扶持は守るでしょう。そもそも、彼らの言うことを聞くメリットもありません」上は言うこと聞く相手にしか言ってこない 個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
個人的な話としてのエクスキューズはついているが、西口さんの主張は一貫している。仕事として、顧客だけを向く。客商売というのは因果なもので、つい「これからお客になってくれれば」という気持ちで誰にもいい顔をしてしまうが、高級店や専門店、娯楽に関しては既存客を大事にしたほうが良い。それで駄目なら、ジャンルにおける歴史上ごく当たり前の”自然衰退”であり、別に客でもない通りすがりのうるさい外野を取り込めなかったせいではない。裾野を広げるのは結構だが、そのために既存客を置き去りにしては本末転倒だ。ましてや個々の現場レベルで一から十まで背負い込むものでもないだろう。「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「そもそもホールはクラスターを出していません。1年以上のこの努力は、十分エビデンスとなっているでしょう。エビデンスがあるから、満員電車は問題ないと言っているはずです。問題ないなら営業します。バカ正直に言うことを聞いて、映画館みたいにはなりたくないですからね。鬼滅(『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒット中だってクラスターなんか発生していないのに」 そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
そう、国内累計来場者数2890万人超、興行収入400億円突破の作品を上映してもクラスターは発生しなかった。オーストラリアの総人口より多い来場者数が日本中の映画館に入れ代わり立ち代わり押し寄せてクラスターなし。それなのに大多数の映画館はゴールデンウィークを潰してまで要請に従った。エビデンスは満たしていたはずなのに。「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「かわいそうですよ。パチンコ店と映画館というのは古くから庶民の娯楽でした。私だって思い入れは強い」 娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
娯楽という共通点以上に、かつてはパチンコ店が映画館も経営していることがあった。いまでも一部の名画座や地方都市に行くと総合レジャー企業として映画館を運営するホールがある。そもそも高度成長期に乱立したパチンコ店の中にはブーム崩壊後のボウリング場やテレビに押された映画館からの鞍替え組も多い。「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「何でも言うこと聞くと思われたら駄目です。上は言うこと聞く相手にしか言ってこない。学校と同じですよ。学校と違うのは、言うこと聞いてもいいことはないってことですね」 西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
西口さんは優秀な高校に通っていた。当時から大人びた、頭の切れる男だった。何でも言うことを聞いた業界、無視した業界、のらりくらりとかわした業界――この1年以上、各業界の対応は様々だったが、パチンコ店は2020年の緊急事態宣言下、業界団体が従う姿勢を見せるも関東の一部店舗が徹底抗戦、結局ゴールデンウィークは全店休業を選んだが、このときの業界を挙げての「ホールはクラスターを出していない」という主張と姿勢こそが現在のエビデンスにつながっている。「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「それにみなさん気づいたんでしょう、昨年のように何でもかんでも言うことをきくことはやめたように思います」 西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
西口さんと会ったのは5月のゴールデンウィークと都の緊急事態宣言延長後だが、その間も柏は平常運転、かつての人出とまではいかないが賑わっていた。緊急事態宣言外の千葉県だからというわけではなく、実のところ、都内各所もそれなりの人出で賑わっている。通勤電車もそれなりの混雑ぶりだ。これは民を挙げての無言の抵抗、および政府に対する諦めではないか。「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「昨年の”ホールがウイルスを撒き散らしている”みたいなバッシングは一切ないですね。パチンコに批判的な人も、業界の努力と結果は冷静に評価してくれているように感じます」誰かのせいにするネタが尽きた ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、そして居酒屋、飲酒――1年以上の間にどれだけの”悪”がやり玉に挙げられただろう。為政者の笛に踊らされた連中は、次々と悪人を吊るしては別の獲物を探した。「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「あのときバッシングした人の中にも、いつの間にかバッシングされる側になった人もいるでしょうね」 私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
私は舞台関係者ではない、音楽関係者ではない、パチンコ業界や水商売でもない――2020年の5月ごろ、こんな感覚でバッシングに加担した人々も、やがて旅行業界が、観光地と旅行者がバッシングされ(Go To トラベルを実施したのは日本政府である)、2021年に入ると居酒屋、外飲みから酒そのもののバッシングにまで繋がった。それぞれの愛好者も順繰りに窮屈となった。まさか酒までこんなことになると予想した人は少なかったのではないか。ナチス政権下の『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』がまさか令和の日本で繰り返されるとは。しかし大多数の日本人は当時のドイツ人より賢く気づきも早かった。いまやオリンピック翼賛運動には批判的、それどころか最大の悪は、その為政者どもが一般国民の命より大事にしていたはずの、オリンピックなる大運動会である。「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「オリンピックはパチンコよりエビデンスないでしょう」 学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
学校の部活も運動会も修学旅行も中止にして大運動会、オリンピックを強行する。多くを奪われた子どもたちの80万人以上がそのオリンピックを学校行事として観戦する予定というシュールっぷり。100人以上のパーティーを主催する医師会会長と医師免許を持つ与党政治家がいるのだからエビデンスとして有効とでも言うのだろうか。それなら「さざ波」だし「屁みたい」と偉い方もおっしゃっているようなので、尊重しないのは失礼かもしれない。「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「誰かのせいにするネタが尽きた、とも言えますね」 つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
つまるところ、上級国民はコロナを撒き散らさないが日本の一般国民は撒き散らすから駄目、それどころか国民が悪いと一般国民を”人流”と称し”悪”に仕立てようとしている。もう悪者のタネがないのだろう。東京都に至っては国より厳しい措置で飲食店や映画館を締め上げている。パチンコ・パチスロ店舗の団体である東京都遊技業協同組合は個々の判断に委ねるとしてかわした。多くの業界が今回は小池百合子都知事の言いなりにはならなかった。それでも映画館と百貨店は従った。肝心の協力金は約束通り振り込まれていないのに。「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「声を上げなければ駄目なんです。それまでの努力に自信を持つべきなんです」 西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
西口さんが語ってくれた「声をあげる」「自信をもつ」という言葉――。百貨店はプライドに賭けて、神経質なほどに「新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドライン」を徹底している。映画館に至っては先に西口さんが語る通りクラスターなど発生させていない。それもコロナ禍まっただ中に『鬼滅の刃』を上映、空前の動員を記録したにも関わらずだ。その他に『銀魂 THE FINAL』『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』などヒット作連発でもクラスターは起きていない。興行関係者の努力の賜物であり、立派なエビデンスだ。昨年のバッシングを戦い抜いたホール関係者ならではの言葉だろう。 そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
そして西口さんの言う通り、映連(日本映画製作者連盟)はついに6月1日からの営業再開を認めろと声を上げた。百貨店はすでに売り場拡大、営業時間延長で反旗を翻した。飲食店の一部は振り込まれない協力金に業を煮やして営業を再開している。その結果、都も映画館や百貨店を時短、もしくは土日のみ現状ママの調整に入った。それまでの仕事と努力に自信を持つ彼らが声を上げ、誇り高きエッセンシャルワーカーとして西口さん言うところの「支持してくれるお客様」のため、政府の考えるより現実的な”ウィズコロナ”へと踏み出した成果だ。オリンピックのためならどうなってもいい様子の政府や都を尻目に、多くの一般国民の決意は固まりつつあるようだ。「東京大会を実現するために、我々はいくつかの犠牲を払わなければならない」IOCに心底舐められている日本政府、国民の大部分は大運動会ごときにそんな犠牲は望まない。「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
「いまやオリンピックが悪なんて滑稽ですよね」 あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
あとはいつもの蕎麦屋でよもやま話。次々に悪を仕立て上げたあげく「オリンピックが悪」なんて笑い話にもならないが、ライブハウス、劇場、パチンコ店、歌舞伎町、夜の店全般、観光地や旅行業界、飲酒の次の悪がオリンピックになるとは。オリンピックを目指す老人たち(自民党4役の平均年齢71.5歳!)、彼らは一般国民のためではなくオリンピックのために「人流を抑えなければ」と嘆く。しかしその人流こそ一般国民一人一人の、声なき声そのものである。自治体の半数近くが「ワクチン接種は年内に終わらない」と嘆く体たらくをよそに、一般国民は国に頼ることを半ば諦め、たくましくウィズコロナを生きようとしている。バッシングに耐え抜いたパチンコ業界同様、それまでの努力に自信を持って。【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。
【プロフィール】日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)、『ルポ 京アニを燃やした男』(第三書館)。近日刊『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛されたコミュニスト俳人』(コールサック社)。