【細川幸一】質問1回で年収1300万円?…東京都民が知らない、都議会議員の活動実態 議会は都民の声を反映できているか?

1100万超の有権者をかかえる東京都の都議会議員選挙が6月25日に告示され、投票日は7月4日だ。定数127議席を217人の立候補者が争う。前回は小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」と自民党都連との対立や、築地市場の豊洲移転問題の行方など話題が尽きなかった。
その4年後となる今回の都議選。やはり、多くの都民が気になるのは都民ファーストの勢いだろう。しかし、国政選挙に比べて日頃の選挙民の関心は薄く、地方議会の活動や議員の仕事ぶりはあまり知られていない。そこで、都民ファーストの動向についてふれたうえで、普段の都議会・都議の活動内容について考えてみたい。
小池百合子都知事[Photo by gettyimages]

都民ファーストは、2016年に知事に初当選した小池氏が立ち上げ、17年1月に地域政党としての活動を始めた。同年7月の前回都議選で大会派だった自民党と戦って大勝し、追加公認を含めて55議席を得た。しかし、その後、計8名が離党した(うち石毛しげる氏は除名処分)。
今年の2月19日の記者会見で小池都知事(現在、都民ファースト特別顧問)は「離党等をされた方々というのは、よく有権者が見ているということも確認されたほうがよろしいかと思う」と発言し、党内の引き締めを図っている。
都議会の構成は、勢力順に都民ファースト46、自民25、公明23、共産18、立民7…と続いており、都民ファーストは現在も最大勢力だ(数字は都議会広報課公表資料)。今回の選挙では、前回、小池知事率いる都民ファーストと選挙協力した公明党が自民党と協力関係を復活させた。都民ファーストと自民党・公明党の勢力争いとともに、共産党や立憲民主党などの議席の行方も注目される。地方議会の定数は地方自治法の規定に基づいて各自治体の条例で決められている。現在の東京都議会の定数は127。選挙区は42ある。選挙区は市区等の行政区分を原則としているために人口差が大きく、各選挙区の定数は、1名から8名の選挙区までさまざまだが、人口が少ない選挙区よりも多い選挙区の方が定数が少ない「逆転現象」があり、選挙区の定数を4増4減することで是正されるとみられていた。しかし、結局、都民ファーストと自民、公明の三会派による提案で、今回は特に開きのある練馬、太田両区のみの定数改正で1増1減にとどまった。東京都議会[Photo by gettyimages] 都議会の権限と議員の報酬そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
地方議会の定数は地方自治法の規定に基づいて各自治体の条例で決められている。現在の東京都議会の定数は127。選挙区は42ある。選挙区は市区等の行政区分を原則としているために人口差が大きく、各選挙区の定数は、1名から8名の選挙区までさまざまだが、人口が少ない選挙区よりも多い選挙区の方が定数が少ない「逆転現象」があり、選挙区の定数を4増4減することで是正されるとみられていた。しかし、結局、都民ファーストと自民、公明の三会派による提案で、今回は特に開きのある練馬、太田両区のみの定数改正で1増1減にとどまった。東京都議会[Photo by gettyimages] 都議会の権限と議員の報酬そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
しかし、結局、都民ファーストと自民、公明の三会派による提案で、今回は特に開きのある練馬、太田両区のみの定数改正で1増1減にとどまった。東京都議会[Photo by gettyimages] 都議会の権限と議員の報酬そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
東京都議会[Photo by gettyimages] 都議会の権限と議員の報酬そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議会の権限と議員の報酬そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
そもそも都議会とは何なのだろうか。東京都の組織は議決機関としての議会と、執行機関としての知事とそのもとの部局に大別される。議会は都民の総意を都政に反映させる重要な役割を担っているとされる。議会を構成する議員も執行機関の長である知事も、直接住民により選出されるのが特徴だ。議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
議会の主な権限として以下のものがある。議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
議決権(条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定など)選挙権(議長、副議長、選挙管理委員などの選挙)行政事務の検査・調査権(都の事務の管理、議決の執行及び出納についての検査)意見書の提出権(都の公益に関する事件について、国会や関係行政庁に意見書を提出)同意権(知事が副知事、監査委員、公安委員会委員等を選任・任命する時の同意)不信任議決権(議会と知事との間で意見の対立が生じた場合の知事に対する不信任議決)こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
こうした活動のために、都議会は、年4回定期的に開かれる定例会と必要に応じて開かれる臨時会とがあり、いずれも知事が招集する。会議には全議員が出席して開かれる本会議と各委員会がある。現在、都議会には文教委員会など9つの常任委員会があり、議員は、いずれか1つの委員会の委員となり、任期は1年だ。 都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議の議員報酬はいくらなのだろうか。小池氏が都知事になって知事給与を条例により半額の1448万円とした。それまでは、都議の年収は約1715万円にのぼり、議長には約2133万円が支払われた。しかし、これでは都議の年収が知事を上回ってしまうので、それを避けようと2017年に全会一致で「身を切る決断」をして2割削減し、年収は都議が1372万円、議長は1706万円となっている。報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
報酬のほかに、「第2の報酬」ともいわれる政務活動費(政活費)も交付される。月額60万円だが、報酬カットと同様に政活費も減額され、現在は月50万円になった。それでも一人あたり年600万円の政活費が各会派に支払われる。政活費は調査・研究に使うのが本来の役割で、都議会を含め全国の地方議会で不適切な使用がたびたび問題となっている。また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
また、議会に出るたびに自宅からの距離に応じて支給される「費用弁済」というものもある。本会議や委員会に出席する際の交通費などとして支払われるもので、一日当たり23区と島しょ部選出議員には10000円、それ以外は12000円が支払われる制度だ。しかし、これも報酬削減とともに廃止(島しょ部の議員には特例で支給)された。議員はどんな仕事をしているのか?(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(1)条例を作るのが仕事のはずだが…議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
議会のもっとも重要な任務は、国の法律にあたる条例の制定等だろう。しかし、興味深いことにあまり条例を作っていないのだ。都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議会では(他の地方議会も同様だが)、知事が提案して制定される条例が多く、議員が提案する「議員提案条例」はほとんどない。地方自治法は、定数の12分の1以上の賛成で議員が提案できると定めるが、例えば、令和3年第1回定例会をみると、提出議案のうち、条例案は知事提出49件で、議員提出は7件だ。しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
しかも議員提出条例案には政策条例といわれる施策を定める条例の他に組織や報酬規定等に関する条例案が含まれることが多く、また、肝心の政策条例は否決されることが多い。知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
知事提案議案もほとんどが原案どおり可決しており、議会が本当に機能しているのか疑問に感じる。ただし、変化はある。2000年以降の17年間で政策条例が成立したのは1本だけだったが、前回の都議選があった2017年7月以降は4本あり、これは評価できよう。 (2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(2)議会での質問国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
国会でも議員の活動の指標として話題になる議会での質問回数。都議会はどうだろうか。高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
高橋亮平氏(日本政治教育センター代表理事)は本年2月17日に「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は誰?」という調査結果を公表している(yahoo news掲載)。前回の選挙で選ばれた都議の3年半の期間(任期4年)中のデータとして、平均質問回数は3.3回であり、都議会議員は「1年に1回質問するだけの簡単なお仕事なのか?」と疑問を投げかけた。そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
そして、総質問回数ゼロ議員一覧(2017年第3回定例~2020年第4回定例)を掲載し、「任期中1度も質問していないオールゼロ議員13人は自民7名、都民ファースト4名、公明2名」であるとした。ただし、委員会での質問はカウントされていない。一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
一方で、過去には都庁職員が議員のために議会質問を作るなれあいの慣習があることが報じられた(2017年2月18日付朝日新聞)。質問回数だけでは議員の質を評価することは困難だ。 (3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(3)議会以外には何をしているのかそもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
そもそも定例会は年4回あるが、あわせて80日ほどしかない。それに臨時会がある場合も多いが、年間で数日程度だ。議会がないときに都議は何をしているのだろうか?2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
2017年の選挙で都議に初当選した鈴木邦和氏が当選して11か月後に「政治家は本当に忙しいのか-全日程を分類」というタイトルの情報をネットで出している。自らの11ヶ月間のスケジュールを集計すると、総計は3139時間となり、それを分類したのだという。結果は以下の通りだ。議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
議会・公務・・・13.1%政策調査・・・・23.8%党務・選挙・・・17.1%地元活動・・・・13.6%広報・広聴・・・14.7%メール・電話・・17.7%「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
「議会・公務」はまさに議会での質問やそのための調査活動ということだろう。ここには東京都や地元自治体の公的行事への出席、審議会の委員の仕事などを加えているという。「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
「政策調査」は議会の質問を作る上での調査・研究等の時間としている。中身としては都庁職員との意見交換、勉強会、有識者ヒアリング、文献調査、視察などをあげている。議会開催日以外の議員の重要な仕事だろう。ただし、掛けた時間に対してどんな成果=政策を実現できたのかという点が重要で、鈴木氏は、ただ漫然と勉強会や視察をしていては意味がないとしている。「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
「地元活動」は、議員の仕事として賛否が分かれるとし、この内訳は、新年会・総会、地元行事、報告会、陳情対応、駅立ちなどだという。政策のための活動なのか、選挙のための活動なのかはたしかに判断は難しい。地方議員には公設秘書の制度がなく、地元活動により議員本来の仕事が疎かになるという状況になり得るようだ。 (4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
(4)都庁の審議会委員になる都議通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
通常、官庁と同様に、自治体も政策決定や遂行にあたり審議会を設けている。筆者はいままでいくつかの地方自治体の消費者行政の審議会委員を務めたが、東京都の審議会の委員構成に違和感を覚えた。審議会に都議会議員が数名入っていたのだ。官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
官庁の審議会で国会議員が委員になるなど考えられない。2017年頃に東京新聞がこの問題を継続して報道した。都の審議会の3割に都議が委員として就任しており、首都圏の一都六県でもっとも割合が高いという。全国でみると13の県議会では原則禁止だ。いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
いくつかの都の審議会事務局に理由を問い合わせたが、条例で通常定める「学識経験者」として慣習的に入れているようだ。議会人として政策を提案したり、都政をチェックするのが議員の役割なのに、都庁内の審議会の委員になるのは制度的におかしいだろう。しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
しかも審議会の委員には一回2万円程度の報酬が支払われるが、議員報酬を受け取っている議員にも同額の委員報酬が支払われている。都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議を審議会委員に入れる理由を都庁OB等に聞いてみたが、審議会を経て都議会に出される条例などの知事提案議案をスムーズに通過させてもらう意図があるようだ。東京新聞2017年9月21日付記事では、「もたれ合いが常態化している」とし、都議の「肩書と報酬もらえる」、都幹部の「議案否決避ける保険」という本音を紹介している。問われる都議会の存在意義都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
都議会に対してネガティブな記述をしたが、議会の存在意義が目立つ事案もある。知事の不祥事追及の場面だ。例えば2016年に政治資金の公私混同疑惑が浮上し、都民の批判が集中した舛添知事。進退問題で抵抗した舛添氏だったが、決断に追い込んだのは都議会だ。野党だけでなく与党の公明、頼みの自民も不信任決議案の提出に同調して全会一致での不信任案提出が決まり、舛添氏は知事を辞職した。舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
舛添要一前都知事[Photo by gettyimages] しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
しかし、都議会が地方議会の本旨に沿って十分な役割を果たしているとは感じられない。定数是正も中途半端だ。今回、東京新聞の前述記事を執筆した記者に取材した際の「選挙のたびに政党や議員は『議会改革』というが、身内にとことん甘い」という言葉が印象に残った。「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。
「この程度の政治、この程度の国民」という言葉がある。政治家が職務を果たさなかったり、不祥事を起こすのは、選挙民がそうした政治家を選んでいるからであり、選挙民がしっかりしなければならないという意味だ。日頃の政治への関心も必要だが、選挙は最大の選挙民としての権利行使のチャンスだ。1400万人の都民の生活や将来に影響を及ぼす都議会議員選挙への関心が高まることを願う。