剣道用にマスク開発 通気性重視し、面の下の苦しさ軽減 奈良

コロナ禍でスポーツが制限を受ける中、剣道に特化したマスクが誕生した。鼻や口元は速乾加工した生地を、やあごの部分はメッシュ生地を使い、熱がこもらず、肌に貼り付かない。開発した奈良県安堵町の和小物・袋物販売店「都紬(チュチュ)」の桂木美香さん(52)は「面の下にマスクを付けて稽古(けいこ)する少年剣士を見て、『楽にしてあげたい』と思いついた」と語る。
政権幹部が愛用「仮面ライダーマスク」の正体は
自身も20年以上、剣道を続けており、昨夏、稽古が再開された際、防具の下にマスクを付け、面の口元にフェースシールドを貼るよう推奨された。マスク内は汗だくになり、「耐えられない」という子供たちの言葉が心に残った。「子供は夢中になると体に負荷があっても自覚しない。何とかしなければ、と思いました」。同じ頃、徳島県の中学教師から「剣道用マスクを作れないか」と相談があり、桂木さんは「やりましょう」と即答した。
1カ月後、完成した「メッシュスポーツマスク」は、通気性と安全性が両立し、さまざまなスポーツで引っ張りだこに。さらに中央に縦3本、に2本のひだを作り、ひし形の立体空間を確保した剣道用「面マスク」を考案した。最終的には21カ所を縫う立体縫製の「特錬剣士モデル」を開発し、奈良県警の剣道特練員も愛用しているという。
幼い頃から縫い物が好きだった桂木さんは、08年にネットショップを開店。昨春以降はマスクが中心になり、生地選びや縫製を研究した。ぬれても密着しにくい生地で、入浴時や入浴介助に使える「温泉マスク」も製作。剣道マスクはこうした取り組みの成果でもある。「スポーツ選手や働く人の負担を軽くできるマスクを開発していきたい」と話している。
問い合わせは都紬(080・3772・4741)。【長崎薫】