「ドーン」「バリバリ」 家流れ、救助の余裕なく 熱海で土石流

静岡県は3日午後、大規模な土石流が発生した同県熱海市伊豆山地区周辺で、2人が心肺停止の状態で見つかったと発表した。
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熱海市消防団で伊豆山地区班長の松本早人さん(46)は午前10時40分ごろ、別の団員から「土砂崩れが起きた」と無料通信アプリ「LINE」で連絡を受け、慌てて車で5分ほどの詰め所に向かった。近くのよく知る5軒の家が土台から流されてなくなり、方々で崩れた土砂が流れていた。
すぐに自宅に戻り、急いで家族や近隣住民らに避難を呼びかけ、車で近くの高台に逃げた。「とても救助する余裕はなかった。避難誘導するのが精いっぱいだった。とにかく逃げなければと思った」
伊豆山地区は小さな川が複数流れ、谷底に沿うように斜面に家が建ち並ぶ。地区一帯では夕方になっても細かい雨が降り続き、崩れた土砂が流れたエリアを囲むように警察の規制線が張られていた。
松本さんによると、逃げる間も土砂が流れる「ドーン」、家が壊れる「バリバリ」という大きな音が交互に響き、実際に何軒もの家が眼下の谷底を流れていったという。「上流の方から相当広範囲に土砂が崩れていった。この地区では小さな崩落で道路が通行止めになることはよくあるが、ここまで大きなものが起きるとは」と話した。
また、土砂が流れた川の近くに住む無職の男性(73)は午前10時半ごろ、突然の停電で異変に気づいた。「外を見たら警察官が『早く逃げろ』と叫んでいた。一体何が起きたのか」と話した。【梁川淑広、春増翔太】