保健所職員、過労死ライン続々 最長で時間外238時間

新型コロナウイルスの周期的な感染拡大で、保健所の業務が逼迫(ひっぱく)している。
熊本市保健所の担当課では昨年度の1年間に、1カ月の時間外労働時間が「過労死ライン」を超えた職員が延べ68人にのぼっていた。熊本市を中心に県内で感染者が急増した5月では、職員の約半数がラインを超えた。
市保健所の新型コロナウイルス感染症対策課は、コロナ陽性者への症状聞き取りや接触者調査、入院先の調整など各種の業務を担っている。保健師を中心に、薬剤師や獣医師など職員計40人態勢で発足した。
課が新設された昨年4月は新型コロナ感染症の実態がつかめず、対応のノウハウがなかったこともあり、1カ月の時間外労働時間は最も長い職員で238時間に及んだ。労働者が脳や心臓疾患を発症した場合、発症前1カ月の残業時間が100時間を超えた場合などに業務との関連性が強いと判断されるが、このいわゆる「過労死ライン」とされる100時間を大幅に超えていた。昨年度では、市で感染者が増えた8月に常駐する職員41人中17人(保健師は9人)がライン超過。第4波が本格化した5月には、44人中23人(同19人)にのぼった。
業務の逼迫(ひっぱく)を避けるため、市は人員確保に努めてきた。昨年4月から今年2月までに出した辞令は約10回。3月に担当課に配属された職員は兼務者も含めて74人で、当初の約2倍に増員した。医療の知識をもつ歯科衛生士らの応援職員も集め、4月中旬ごろからの第4波では最大100人態勢で臨んだ。だが感染拡大は続き、5月14日には過去最多の124人の新規感染が発表された。