定年後「田舎のログハウス暮らし」を叶えた夫婦を待っていた「地獄の日々」 いちばん怖かったのは、害虫ではなく…

老後の夫婦関係は、思わぬことで暗転してしまうことが少なくない。たとえば、子や孫への対応の違いで、夫婦仲に亀裂が入ることもある。埼玉県に住む土方啓二さん(72歳・仮名)もそんな一人で、妻は長男の嫁と不仲。
しかし、そんな息子夫婦かわいさに土方さんは住宅購入資金をひっそり援助してあげたのだが、ふとしたときに長男が「父さんのおかげで、いい家が買えた」と口をすべらせてしまい、勝手に贈与をしたことが妻にバレた。そして悲劇が起きた――。
前編記事はこちら→『「義母」と不仲の長男の嫁に、じつは「ひっそり“援助”していた義父」のヤバすぎる末路』
悲劇は突然に… photo/iStock
「当然、妻は激怒しました。私は『自分の退職金なんだし、子どものために使ったのだからいいだろう』と反論しました。しかし妻は『あなたが先に死んだら、少ない年金だけでは暮らしていけない。私が後で困ってもどうでもいいのか』と納得してくれませんでした」(土方さん)
当の長男夫婦は、今度は「子どもを私立の小学校に入れたいので、学費を援助してほしい」と連絡をしてきた。 さすがに断ったが、妻との間にいざこざがあったことを知らない長男には「孫の教育に関心がないんだ」とグチを言われる始末。元は子どものためと甘やかした結果がこれだ。最近では盆や年末年始に顔を合わせることもなく、「冷戦状態」が続いている。高齢者用マンションへ移住を決めて一方、一見仲が良い夫婦こそ陥りがちな失敗もある。「連れ合いも自分と同じ気持ちだろう」と思いこむあまり、お互いの「本音」を十分に確認しないまま、誤った決断をしてしまうのである。「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
さすがに断ったが、妻との間にいざこざがあったことを知らない長男には「孫の教育に関心がないんだ」とグチを言われる始末。元は子どものためと甘やかした結果がこれだ。最近では盆や年末年始に顔を合わせることもなく、「冷戦状態」が続いている。高齢者用マンションへ移住を決めて一方、一見仲が良い夫婦こそ陥りがちな失敗もある。「連れ合いも自分と同じ気持ちだろう」と思いこむあまり、お互いの「本音」を十分に確認しないまま、誤った決断をしてしまうのである。「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
さすがに断ったが、妻との間にいざこざがあったことを知らない長男には「孫の教育に関心がないんだ」とグチを言われる始末。元は子どものためと甘やかした結果がこれだ。最近では盆や年末年始に顔を合わせることもなく、「冷戦状態」が続いている。高齢者用マンションへ移住を決めて一方、一見仲が良い夫婦こそ陥りがちな失敗もある。「連れ合いも自分と同じ気持ちだろう」と思いこむあまり、お互いの「本音」を十分に確認しないまま、誤った決断をしてしまうのである。「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
元は子どものためと甘やかした結果がこれだ。最近では盆や年末年始に顔を合わせることもなく、「冷戦状態」が続いている。高齢者用マンションへ移住を決めて一方、一見仲が良い夫婦こそ陥りがちな失敗もある。「連れ合いも自分と同じ気持ちだろう」と思いこむあまり、お互いの「本音」を十分に確認しないまま、誤った決断をしてしまうのである。「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
一方、一見仲が良い夫婦こそ陥りがちな失敗もある。「連れ合いも自分と同じ気持ちだろう」と思いこむあまり、お互いの「本音」を十分に確認しないまま、誤った決断をしてしまうのである。「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「足が悪い夫が、自宅の階段で転んで骨折をしたら大変だ」都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
都内在住の山内綾子さん(71歳・仮名)は2年前、夫(73歳)の安全を考えて、高齢者向けマンションへの移住を決めた。夫もパンフレットを眺めながら「頼めば掃除もやってくれるのはありがたいね」と乗り気だった。新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
新居に移ってすぐ、山内さんには同年代の友人ができた。マンションの近くの喫茶店で、ドラマの感想や料理のレシピについて話し込む。マンションの住民でつくる合唱サークルに入り「第二の人生」を満喫していた。 ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
ところが、マンション入居後の夫の様子は、山内さんとは対照的だった。「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「夫は一日中動かずにテレビを見ているのです。以前は自宅の庭いじりが趣味だったのですが、ここではそれもできない。車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
車椅子に対応したバリアフリー設備もありますが、夫はほとんど外出しません。離れたところに住む友人に会いに行くこともなく、『前の家に帰りたい』とこぼすことも増えました」抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
抜け殻のようになった夫を見ながら、山内さんはいたたまれない気持ちになるのだという。税務署がやって来た自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
自宅を手放して、夫婦仲良く田舎暮らしをしようと夢みている人もいるだろう。だが、人生が残り短い段階に入って住み慣れた我が家を捨てるのが、大きなリスクであることに変わりはない。「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「ログハウスを買い、ハイキングや温泉を楽しむ生活を送る。それが夫婦の定年後の理想でした」こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
こう語るのは、山梨県に住む牧口ちえこさん(67歳・仮名)だ。牧口さん夫妻は、2年前に都内のマンションから山間部に引っ越し、長年の夢を叶えた。photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
photo by istock ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
ところが、田舎暮らしの実態は雑誌やテレビの特集で描かれている様子とは、まるで違った。「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「まず悩まされたのがネズミです。夜になると屋根裏を走り回り、開封していない食料も次々かじられる。業者に駆除を依頼すると15万円もの出費になりました。夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
夏は庭が雑草に覆われ、虫も次々湧いてくる。4センチもあるカマドウマが家の中に入ってきたのには仰天しました。冬は凍えるほど寒く、暖房代が月に4万円もかかるとは思ってもみませんでした」(牧口さん)1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
1年も暮らせば、こうした環境にも多少は慣れてきた。だが、虫や動物よりも怖いものがあった。人間である。「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「驚いたのが、住民票をうつした途端に税務署の職員が家にやってきたことです。別にやましいことはありませんが、監視されているようで気味が悪い」(牧口さん)噂話が飛び交い続ける「会議」さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
さらに厄介だったのが、町内会の付き合いである。夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
夏祭りの準備や河原のゴミ拾いくらいであれば、都会に住んでいてもよくあることだった。だが、それ以上に面倒くさいのが、「会議」と称した飲み会だった。「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「そこでは『○○さんのゴミの捨て方が汚い』『××さんの息子が大学に進学したらしい』といった噂話が飛び交っているのです。私もこの人たちに四六時中見張られていることを実感し、背筋が凍る思いがしました」(牧口さん)こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
こうした不満を夫にぶつけても、かえってくるのは「おまえのほうが近所付き合いは得意だろ」の一言だけ。趣味の釣りに出かけていく夫の背中を見送るたびに、牧口さんの頭には「離婚」の二文字がよぎるという。「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「東北地方のある県に移住した友人は、不幸にも妻を亡くした際、葬儀の返礼品をカタログギフトにしたのが失礼だと悪口のネタにされたといいます。郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
郷に入っては郷に従えといえども、年齢を重ねてから新しい土地に馴染むのは簡単ではありません」(夫婦問題コンサルタント・寺門美和子氏) 慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
慣れない田舎暮らしがおすすめできないのと同様、素人考えで投資に手を出すのもやめたほうがいい。「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「残念ながら、投資は自己責任です。我々は事前にリスクも説明しておりますので」銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
銀行員の冷たい言葉を聞き、都内在住の子安勝さん(69歳・仮名)は、はらわたが煮えくり返るような思いがした。といっても、子安さんの怒りの矛先が向いていたのは妻である。すべて丸投げしていたのが間違いだった「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「家計を管理していた妻が、私の知らないうちに退職金1000万円を投資信託につぎ込んでおり、なかにはFXなど、ギャンブル性の高い商品もありました。その事実を知らされたのは、コロナ禍で相場が暴落したタイミングでした」妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
妻曰く、馴染みの銀行員に勧められるがまま、次々に商品を買い足してしまったということだった。老人ホームの入居金に充てる予定だった500万円が入った口座にも手を付け、大半を失っていた。「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「元はといえば銀行に勧められた商品です。窓口に文句を言いに行きましたが相手にされませんでした。おカネのことをすべて妻に丸投げしていたのが、間違いでした」 子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
子安さん夫婦のように、退職金や相続財産といったまとまったおカネが入ってくると、慣れない投資に手を出してしまう人は後を絶たない。経済コラムニストの大江英樹氏は語る。「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
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「そもそも、スーパーで10円でも安いセール品を買うような『おカネに執着心がある人』は投資に向きません。おカネが減ってしまうリスクがあるということを受け入れ、10~20年という長期で考えられる人以外は、下手な投資をしないほうがいい」一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
一方、銀行や証券会社は老後資金を少しでも増やしたいという人を虎視眈々と狙っている。ファイナンシャルプランナーの半田典久氏は語る。「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「私は金融機関からの営業電話が来たら、5秒で切るようにアドバイスしています。『お身体の調子はどうですか』という日常会話をしているうちに、銀行側が売りたい、手数料の高い商品を買うように巧みに誘導されるからです」相続対策で手に入れたアパートが…夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
夫婦が互いの状況を共有し、現実と向き合って生活していく。これさえ徹底すれば、夫婦ふたりが揃っているうちは、大きな失敗はしない。ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
ただし、ひとりになってからは別だ。大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
大阪府在住の堀田幸子さん(80歳・仮名)は語る。「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「2年前に夫を亡くして気付いたのは、庭の手入れや外壁のちょっとした補修など、夫がやっていた雑用が意外と多かったことです。電球を交換しようと脚立を出したのですが、バランスを崩して落下、あやうく骨折しかけました。よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
よく、慣れないことはするものじゃないといいます。でも、ひとりで暮らすことを考えたら、あらかじめ慣れないことに慣れておくべきでした」 さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
さらに厄介だったのが、夫が残した賃貸アパートの存在である。夫が「相続対策」と称して手を出したものだが、どんな物件なのかさえ、堀田さんは知らなかった。「どうやって相続手続きするのか、税金はどうすればいいのかと、途方に暮れました。そんな中、入居者から『壁紙が剥がれてしまったのですが』という連絡があり困惑しました。結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
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結局、不動産会社に相談して物件を手放しましたが、買いたたかれていたとしても、私には分かりません」(堀田さん)「運命共同体」として生きていく夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
夫が家のために何をやっていたか。妻がどんな家事をしていたか。料理や洗濯はもちろん、些細な雑用まで、ひとりになる日に備え、試しに役割を交換してみることをおすすめしたい。 「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
「男性は特に、妻の死後に料理や洗濯、掃除ができずに生活が破綻する人も多いのです。最低限、自分の家事は自分でやるようにする。これでひとりになってからも困らないし、妻も楽になって夫婦仲が改善します。まさに一石二鳥です」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子氏)夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
夫婦が互いをよく理解し、“運命共同体”として生きていく。それができれば、ひとりになってからも困ることはない。『週刊現代』2021年6月26日号より
『週刊現代』2021年6月26日号より