全国初摘発「ファスト映画」急増のワケ コンテンツ過多で「時短視聴」需要も

著作権者に無断で映画の内容を10分ほどに編集して動画サイトに投稿する「ファスト映画」の作成者が摘発された。違法行為はもってのほかだが、こうした投稿が増えている背景には、「定額見放題」などコンテンツ過多の時代に、少しでも効率よくたくさんの作品を見たいという視聴者側の時短需要も潜んでいるようだ。
宮城県警が著作権法違反の疑いで逮捕したのは札幌市の男ら3人。昨年7月ごろ、著作権者に無断で編集したファスト映画をユーチューブに投稿した疑いがもたれている。作成したファスト映画は100本を超え、再生回数に応じて得られる広告収入は少なくとも450万円あったという。
著作権者らでつくる「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」の調査では、この1年間に少なくとも55アカウントから投稿された約2100本の「ファスト映画」を確認したという。今月14日時点で、総再生数は約4億7700万回で、被害総額は956億円に上ると推計している。
現在もネット上にファスト映画を名乗る動画はあるが、「引用が認められている動画や画像のみを用いて編集している」などと説明文がつけられている。弁護士の高橋裕樹氏は「映画のあらすじを紹介する動画が全て違法というわけではない。今回摘発された動画は、引用する映像や画像の量が明らかに合法の範囲を逸脱していた点に問題があった」と解説する。
できるだけ短時間で映画やテレビ番組を視聴したい需要は一定数ある。ユーチューブや米ネットフリックス、民放テレビ局が運営する「TVer(ティーバー)」などでも動画の視聴速度を1~2倍前後まで調整できる機能が実装されている。 いわゆる「倍速視聴」について調査会社のクロス・マーケティングが20~60代の男女1100人を対象に実施した調査では、全世代の34・4%、20代の49・1%が「倍速視聴の経験がある」と回答。倍速視聴について全体の22・7%が「隙間時間を活用し、効率よくたくさんの動画を視聴できる」と肯定的だった 放送局でテレビやラジオ番組の制作に携わったこともある同志社女子大の影山貴彦教授(メディア論)は「テレビやネットで新しいコンテンツが続々と配信されるなか、倍速視聴で作品を網羅しようとする視聴者に制作サイドが屈服しているような印象を受ける。間や味わいを丁寧に見てほしいと呼びかける姿勢も重要で、倍速はあくまで1つの視聴方法として許容するにとどめるべきだ」と指摘した。
いわゆる「倍速視聴」について調査会社のクロス・マーケティングが20~60代の男女1100人を対象に実施した調査では、全世代の34・4%、20代の49・1%が「倍速視聴の経験がある」と回答。倍速視聴について全体の22・7%が「隙間時間を活用し、効率よくたくさんの動画を視聴できる」と肯定的だった 放送局でテレビやラジオ番組の制作に携わったこともある同志社女子大の影山貴彦教授(メディア論)は「テレビやネットで新しいコンテンツが続々と配信されるなか、倍速視聴で作品を網羅しようとする視聴者に制作サイドが屈服しているような印象を受ける。間や味わいを丁寧に見てほしいと呼びかける姿勢も重要で、倍速はあくまで1つの視聴方法として許容するにとどめるべきだ」と指摘した。
放送局でテレビやラジオ番組の制作に携わったこともある同志社女子大の影山貴彦教授(メディア論)は「テレビやネットで新しいコンテンツが続々と配信されるなか、倍速視聴で作品を網羅しようとする視聴者に制作サイドが屈服しているような印象を受ける。間や味わいを丁寧に見てほしいと呼びかける姿勢も重要で、倍速はあくまで1つの視聴方法として許容するにとどめるべきだ」と指摘した。