「特殊な要因あったのでは」熱海の土石流、盛り土部分で専門家が指摘

静岡県熱海市で大きな被害をもたらした土石流は、谷の最上流部にあった人工の盛り土部分が崩れたことがきっかけではないかと指摘する声が出ている。
上空からの映像でも、幅約60メートルにわたって地面がえぐれ、黒や茶色の地肌がむき出しになっている様子が見られた。朝日新聞社ヘリで4日に現地を視察した東京電機大の安田進名誉教授(地盤工学)に土石流の発生メカニズムについて聞いた。
「ほかの谷や斜面は崩れていない。特殊な要因があったのではないか」
上空から付近を見た安田さんは印象を語った。特に注目するのが、谷の最上流部で、えぐれた斜面から大量の水が流れ出るツイッターの映像だ。もともと水みちがあったところに土が盛られ、大量の水が突き抜けたことで土砂が崩壊し、土石流の引き金になった可能性があるという。
谷を埋める場合は排水管などを通して水はけをよくするが、その排水能力を超える量の雨が降ったり、詰まっていたりすると、地中に水がたまりやすくなる。安田さんは「施工状況の確認が必要だ」と指摘した。
さらに、安田さんは、土石流の流路も地肌が広くむき出しになっていることに注目。土石流が谷の側壁を削り、かさを増しながら流れ下ったとみる。 下流側から被災した住宅地を見ると、土台のみが階段状に残った茶色い爪痕が一直線の帯になり、その中央を水が流れ下っていた。幅は川の左右1~2軒分。通常の川幅には収まりきらない大量の土砂が流れ下った様子がわかるという。(編集委員・佐々木英輔)
下流側から被災した住宅地を見ると、土台のみが階段状に残った茶色い爪痕が一直線の帯になり、その中央を水が流れ下っていた。幅は川の左右1~2軒分。通常の川幅には収まりきらない大量の土砂が流れ下った様子がわかるという。(編集委員・佐々木英輔)