【梅原ゆかり】32歳男性が青ざめた…妊娠・中絶させてしまった「不倫相手」女性の「すさまじい逆襲」

東京都内の会社員・村上大吾さん(32歳・仮名、以下同)と田中陽子さん(30歳)はともに結婚していながら、性的な関係をもっており、いわゆる「ダブル不倫」状態にありました。陽子さんは不倫期間中に妊娠。大吾さんの子と思しき子どもを妊娠し、中絶していました。
しかし、大吾さんはかつて不妊治療をしていたことがあります。陽子さんが「あなたの子を妊娠した」と言ったことに釈然としないものを感じました。やがて二人は些細なことでケンカし、関係を終わらせることに。別れ際に大誤算は、「俺と付き合いながら、夫ともヤッてたんだろ?!そうじゃなければ、もっと他に男がいたはずだ」と捨て台詞を投げつけたのですが……。
【前編】「W不倫で妊娠・中絶した「30歳女性」が激怒…「妊娠させた男」のヤバすぎる一言」
陽子さんは、この大吾さんの捨て台詞に激昂し、法律事務所に赴きました。
そして2015年12月15日、陽子さんは代理人の名前で、大吾さんの勤務先宛に、中絶手術の際に費用も出さず、俺の子か分からないなどと言い放ったことにより精神的苦痛を被ったとして、200万円の支払いを求める内容証明郵便を送りました。
〔PHOTO〕iStock 大吾さんは内容証明に驚きましたし、職場に送ってきたことに激怒しました。しかし、どうしたものか判断がつかず、反応せずに放置していると、陽子さんは、再び代理人を介し、2016年1月にも、賠償金の支払いを求める内容証明郵便を、大吾さんの職場宛に送りました。大吾さんは、陽子さんに「職場に通知を送るなんてひどいじゃないか!」とメールをしましたが、陽子さんは取り合いません。ついで2016年3月には、とうとう大吾さんを被告として、損害賠償請求訴訟を提起したのです(第一訴訟)。訴状は、2016年4月初旬ころ、大吾さんの自宅に送られ、友美さんがそれを受け取りました。封筒の外側には、地方裁判所が差出人であることが分かる大きな文字、そして「特別送達」などという仰々しい文字も書かれており、友美さんは、ただ事ではないと察しました。大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
大吾さんは内容証明に驚きましたし、職場に送ってきたことに激怒しました。しかし、どうしたものか判断がつかず、反応せずに放置していると、陽子さんは、再び代理人を介し、2016年1月にも、賠償金の支払いを求める内容証明郵便を、大吾さんの職場宛に送りました。大吾さんは、陽子さんに「職場に通知を送るなんてひどいじゃないか!」とメールをしましたが、陽子さんは取り合いません。ついで2016年3月には、とうとう大吾さんを被告として、損害賠償請求訴訟を提起したのです(第一訴訟)。訴状は、2016年4月初旬ころ、大吾さんの自宅に送られ、友美さんがそれを受け取りました。封筒の外側には、地方裁判所が差出人であることが分かる大きな文字、そして「特別送達」などという仰々しい文字も書かれており、友美さんは、ただ事ではないと察しました。大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
大吾さんは内容証明に驚きましたし、職場に送ってきたことに激怒しました。しかし、どうしたものか判断がつかず、反応せずに放置していると、陽子さんは、再び代理人を介し、2016年1月にも、賠償金の支払いを求める内容証明郵便を、大吾さんの職場宛に送りました。大吾さんは、陽子さんに「職場に通知を送るなんてひどいじゃないか!」とメールをしましたが、陽子さんは取り合いません。ついで2016年3月には、とうとう大吾さんを被告として、損害賠償請求訴訟を提起したのです(第一訴訟)。訴状は、2016年4月初旬ころ、大吾さんの自宅に送られ、友美さんがそれを受け取りました。封筒の外側には、地方裁判所が差出人であることが分かる大きな文字、そして「特別送達」などという仰々しい文字も書かれており、友美さんは、ただ事ではないと察しました。大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
大吾さんは、陽子さんに「職場に通知を送るなんてひどいじゃないか!」とメールをしましたが、陽子さんは取り合いません。ついで2016年3月には、とうとう大吾さんを被告として、損害賠償請求訴訟を提起したのです(第一訴訟)。訴状は、2016年4月初旬ころ、大吾さんの自宅に送られ、友美さんがそれを受け取りました。封筒の外側には、地方裁判所が差出人であることが分かる大きな文字、そして「特別送達」などという仰々しい文字も書かれており、友美さんは、ただ事ではないと察しました。大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
訴状は、2016年4月初旬ころ、大吾さんの自宅に送られ、友美さんがそれを受け取りました。封筒の外側には、地方裁判所が差出人であることが分かる大きな文字、そして「特別送達」などという仰々しい文字も書かれており、友美さんは、ただ事ではないと察しました。大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
大吾さんは、もはや隠し通せるものでもないと観念し、陽子さんと関係があったが現在はもう別れている、と友美さんに説明しました。友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美さんは「陽子さんと話がしたい。3人で話をしましょう」と言い出しました。大吾さんとしても、なんとか陽子さんと話をし、訴訟を取り下げてもらおうと思っていましたので、陽子さんを職場近くの喫茶店に呼び出し、話をすることとなりました。 陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
陽子の勢いに圧倒される2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
2016年5月20日、喫茶店に3人が集まるや、陽子さんは、手書きのメモを取り出し、大吾さんとデートをした日付、デートをした場所、妊娠可能性のある性交を行った日付などを読み上げました。陽子さんは、大吾さんが友美さんを連れて来ると事前に知らされていたため、大吾さんとの仲を見せつけるべく、メモを作成していたのです。読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
読み上げる勢いが止まらない陽子さんと対照的に、大吾さんは、小さく俯いたまま一言も発しません。友美さんは、この茶番は一体何事かと、現実の世界で起こっている出来事であるという認識さえ持てず、ただ陽子さんの勢いに圧倒されるばかりでした。友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美さんは、それでも勇気を振り絞り、自分は本来、陽子さんに対して慰謝料請求ができる立場にあると言い、ただし、大吾さんに対して起こしている第一訴訟を取り下げるのであれば、陽子さんに対して慰謝料請求もしない、と言いました。しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
しかし陽子さんはこのとき、友美さんの言葉を、弱い子犬が自分に泣きついてきている、くらいにしか感じなかったようです。鼻であしらい、そのまま陽子さんの圧倒的な威圧感の中、この面談は終わりました。 手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
手紙を読んで嘔吐3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
3者面談を行った3週間後である2016年6月中旬、友美さん宛に、陽子さんから直筆の手紙が届きました。そこには「お二人があんなに仲が良いとも知らず、つらい思いをさせてしまったこと、本当にごめんなさいね。私の知っている大くん、、、病気のことや金銭トラブルなども、もっと奥様にお伝えできたら良いなぁと思っています。大丈夫です、私はストーカーをしたりしないので。安心してください(笑)」と記載されていました。友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美さんは、陽子さんからの直筆の手紙を読み、夜中に嘔吐してしまいました。夫が不貞行為を行っていたこと、不貞の相手方から不遜な扱いを受けていること、そのすべてを受容するほどの心の余裕は友美さんにはありませんでした。友美さんは、大吾さんと相談の上、しばらく実家に帰ることとしました。陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
陽子さんの攻撃はまだ続きます。陽子さんは、2016年6月下旬、大吾さんを被告とする損害賠償請求訴訟(第二訴訟)を提起しました。理由は、大吾さんが一緒に事業を起こそうと言っていたのに不履行であること、結婚しようと言っていたのに不履行であること等が理由でした。陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
陽子さんは、今度は、弁護士をつけずに本人訴訟という形で訴訟提起しました。弁護士をつけなかったというよりは、第一訴訟の弁護士に依頼しようとしたけれど断られた、というほうが正確と思われます。大吾さんのほうは、第一訴訟、第二訴訟とも、信頼できる弁護士に依頼し、対応を一任していました。第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
第二訴訟の口頭弁論期日(裁判所で弁論をすること)が開催されましたが、大吾さんの代理人は、当然のことながら、第二訴訟のほかに第一訴訟が継続していることを裁判所に説明しました。裁判官は、陽子さんに向かって「第一訴訟の請求原因と、第二訴訟の請求原因の違いを書面で明らかにしてください」と指示しました。陽子さんは、この期日が開催された直後に、第二訴訟を取り下げました。 さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
さらなる「手紙攻撃」陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
陽子さんは、二件の訴訟を起こしただけでは飽き足らなかったのか、2017年3月ころ、第一訴訟で書証として提出している文書を、友美さん宛に本人限定受取郵便にて送りました。陽子さんは、大吾さんが友美さんをかばうことが、許せなかったのでしょう。わざわざ、友美さんだけが受け取れる郵便の形で送り付けたのでした。その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
その文書には、大吾さんと陽子さんの不貞行為の態様が赤裸々に記載されていました。また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
また、同じ年の夏ころ、陽子さんは夫である潤さんを焚き付けて、潤さんから大吾さんに対する損害賠償請求訴訟を提起させました(第三訴訟)。大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
大吾さんが陽子さんと不貞行為を行っていたことは事実です。大吾さんは、2017年12月、潤との間で、大吾が潤に対して160万円を支払う旨、和解しました。訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
訴訟は続きます。2018年1月、第一訴訟を担当していた裁判所は、大吾さんに自然妊娠の可能性がほぼないことなどを理由に、陽子さんの請求を退ける判決を下しました。陽子さんはこれに大いに不服を持ち、即日控訴しましたが、同年10月、陽子さんの控訴も棄却され、第一訴訟も終結しました。 友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美の怒りに火がついた少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
少し話が前後しますが、友美さんは、このような陽子さんからの繰り返しの攻撃にすっかり疲弊してしまい、2017年にはうつ状態の診断を受け、2018年には障害等級3級の認定を受けるほど、強い希死念慮に苦しむようになってしまいました。しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
しかし、2018年10月に第一訴訟も終結するに至り、振り返ってみると、田中家が村上家から160万円(第三訴訟の和解金)をむしり取った形となっています。友美さんは、これはおかしい、同等に陽子さんにも罪を償わせねばならないと思うに至りました。そこで2019年3月、友美さんは、陽子さんを被告として損害賠償請求訴訟を提起しました(第四訴訟)。陽子さんから不倫の慰謝料を取ってやろうと思ったわけです。そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
そしてこの第四訴訟の中で、陽子さんは、「第二訴訟をやめてもらえるなら、友美に対する損害賠償債務も免除すると言ったから、第二訴訟を取り下げたのに、今更、このような訴訟を起こしてくるのは約束違反だ!」というトリッキーな主張をしました。友美さんはそんな約束をした覚えはありません。さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
さらに陽子さんは、「消滅時効」をも主張しました。なぜなら、陽子さんは、2015年12月と2016年1月に、大吾宛に内容証明郵便を送っています。これら内容証明郵便を読めば、大吾さんと陽子さんの不貞関係は一目瞭然である、そこから3年を経過した2018年12月に、時効は完成している、というのが陽子の主張でした。※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
※ 不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が「損害」及び「加害者」を知ったときから3年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法724条)。友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美さんの主張は、内容証明郵便の段階では損害を加害者を知るには至らなかった、2016年5月の面談の際に、初めて損害と加害者を知るに至った、というものです。さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
さあ、この第四訴訟の判決はどうなったでしょうか。判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
判決や、いかに?! 認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
認められなかった「債務免除」【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
【判決】【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
【論点1】債務免除の有無そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
そもそも、平成28(2016)年5月の面談において、第一訴訟は既に提起されており、それが取り下げられることによる友美及び大吾の利益は現実的なものであると認められる一方で、第二訴訟はいまだ提起もされておらず、いかなる請求がされ、それがいかほどの根拠を伴うものであるかも判断しがたい状況であったのであるから、友美において、第一訴訟が維持されたまま、第二訴訟が提起されないことの見返りとして、本件不貞行為に基づく陽子の損害賠償債務を全て免除する旨の意思表示をすべき動機があったとも認めがたい。 陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
陽子の前記主張を前提としても、陽子は、大吾に対して現に第二訴訟を提起したのであるから、友美が陽子の損害賠償債務を免除しないことが確定したことになるのであって、陽子がその後第二訴訟を取り下げたことにより改めて免除の効力が発生するということはできない。*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
*要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
要するに、陽子さんの「第二訴訟を取り下げたのだから…」という主張は認められなかったのです。*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
*【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
【論点2】消滅時効の成否内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
内容証明郵便は大吾の勤務先に送付されたものであるから、この送付の頃に、友美がその内容を当然に了知したことを認めるに足りるものではない。・・・よって、これらの消滅時効の主張はいずれも理由がない。 *これは読んで字のごとく、です。時効は成立しませんでした。*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
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*【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
【論点3】慰謝料額について友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
友美は、陽子から、本件不貞行為の具体的態様を赤裸々に既述した本件文書の送付を受け、更に大きな精神的苦痛を受けたこと、友美は、本件不貞行為発覚後にうつ病を発症し、強い希死念慮があり、精神科への通院を継続しているところ、本件不貞行為・・・がこのような精神症状の悪化に相当程度寄与していることが伺われることなどの事情が認められる。・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
・・・以上の事情を総合的に考慮すれば、本件不貞行為・・・により友美が受けた精神的苦痛を慰謝するための慰謝料を140万円とし、これと相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害を14万円と認めるのが相当である。 *結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
*結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
*結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。
結局、2015年に始まった不貞行為が2015年11月にこじれてから、最終決着までに5年の年月を要し、村上家は田中家に160万円を支払い、田中家は村上家に154万円を支払ったことで、これらの争いに、終止符が打たれたのでした。