「物を破壊するように刺した」女子大学生刺殺の男に無期求刑

静岡県沼津市西浦久連で2020年6月、大学生の山田未来さん(当時19歳)を刃物で殺害したとして殺人罪やストーカー規制法違反などに問われた住所不定、無職堀藍被告(21)の裁判員裁判が8日、静岡地裁沼津支部(菱田泰信裁判長)であり、検察側は「単なるストーカー殺人と評価しきれない、危険で非人道的な事案」として無期懲役を求刑した。
弁護側は有期刑を求めて結審した。判決は13日に言い渡される。
検察側は論告で、山田さんと堀被告の関係性を「他人同然であり、単に『目に留まった』というだけで理不尽に殺害されたに等しい」と指摘した。刺し傷や切り傷が49か所あったことに触れ、「思い通りにならないと、物を破壊するように刺した」と強調。「殺害を周到に計画し 躊躇 ( ちゅうちょ )した形跡もない。将来を奪われた被害者の苦痛と無念さは計り知れない」と訴えた。
一方、弁護側は最終弁論で、堀被告が小学生の時に心臓にペースメーカーを取り付けて以降、野球などのスポーツができなくなったことから、「一方的で身勝手な犯行動機には、手術による挫折体験の影響がある。動機を過度に重視することはできない」と主張。更生の可能性があると指摘し、懲役22年が相当とした。
堀被告は最終陳述で、被害者参加制度で出席した山田さんの父親を見て、「(無料通信アプリの)ラインをブロックしただけで人生を奪われるのは、未来さんは到底理解できないと思う。遺族にも(心の)傷を負わせ、人生を奪い申し訳ありません」と頭を下げた。