「安心安全の根拠ない」五輪差し止め、仮処分申し立てへ

東京五輪・パラリンピックの開催に反対する長野市民らが9日、東京都知事と大会組織委員会会長を相手に、五輪・パラリンピックの開催差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てる。
8日に県庁で記者会見し、「コロナ禍で4回目の緊急事態宣言が出される東京での大会に、『安心・安全』の根拠はまったくない」などと訴えた。
申し立てるのは、長野冬季五輪(1998年)に反対する立場から結成された市民団体「オリンピックいらない人たちネットワーク」のメンバーら4人。「新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むどころか、緊急事態宣言が出される中での大会開催は愚かでしかない。市民の健康は阻害され、命も危険にさらされる」と主張している。
メンバーらは、「選手がかわいそう」「無観客でもやらせてあげたい」といった社会の情緒的なムードを懸念。メンバーの1人で長野市の染織家、江沢正雄さん(71)は「開幕まで2週間前となっても、五輪に反対する声があるということを示すことに意義がある」と話している。
同団体は、4月に長野市であった聖火リレーで「五輪反対」の声を上げた際、映像を配信するNHKの特設サイトから音声が約30秒間消されたと抗議している。また、国連機関に対し、五輪中止の勧告をするよう求める意見書を送るなど活動を続けている。(北沢祐生)