「老人ホームで虐待被害」隠しカメラで発覚、家族が告発

熊本市南区にあった老人ホーム「はなな」(事実上の廃業状態)に入所中、当時の職員から何度も虐待を受けたとして、元入所者の女性(94)の次男(65)が7日、元職員4人について暴行の疑いで熊本南署に告発状を提出した。
代理人の板井俊介弁護士によると、熊本南署からは女性への聞き取りを進めるとの回答があり、受理されるかは今後決まるという。
告発状によると、女性は同ホームに入所していた2019年12月から20年1月までの間、介護職員だった男女4人から、車椅子をぶつけられたり、首と腕をつかんでベッドに移動させられたりする暴行を計7回受けたとされる。
19年8月ごろ、女性から「職員が背中にモモンガや保冷剤を入れてくる」と相談を受け、次男が同年12月に女性の部屋に隠しカメラを設置したところ、一連の虐待行為が映っていたという。熊本市は20年12月、隠しカメラの映像などから身体的虐待7件と精神的虐待32件を認定し、業務改善命令を出した。
女性は20年7月、ホームの運営会社に損害賠償を求めて提訴し、今年6月に運営会社が200万円を支払うという内容で和解が成立した。女性は訴訟の中で、元職員の謝罪も求めていたが、施設は事実上の廃業状態で、職員はすでに辞めているとして、運営会社から拒否されたという。
次男は記者会見で「母に暴行した人たちは謝罪もせず、普通に暮らしていて、許せない。ちゃんと罪を償ってほしい」と訴えた。そのうえで、「明るみに出ていないだけで介護職員から虐待を受けた被害者は、全国でもたくさんいると思う。母の件をきっかけにそういった被害が無くなってほしい」と話した。(長妻昭明)