「がんばってるね」ジムに行くたびにオジサンに声をかけられ…「教え魔」被害、なぜ女性がターゲットにされるのか

あるボウリング場が『STOP! 教え魔』という張り紙をしたことで、にわかに話題となった「教え魔」という存在。常連客が勝手にコーチングをすることで、初心者は困惑し、やがてボウリング場に来ること自体を避けてしまうという事態が多発、「お客様同士のコーチは是非ご遠慮ください」と注意を呼びかけている。
【写真】この記事の写真を見る(3枚)
ほとんどの人は「あぁ、そういう迷惑なオジサン、よくいるよね」で、流してしまうところだが、調べてみると「教え魔」はボウリング場だけでなくゴルフ練習場やテニスサークルなど様々な場所に出没しており、かなり根深い問題となっているようだ。(取材・執筆=素鞠清志郎/清談社)
iStock.com
◆◆◆
初心者が練習に打ち込んでいると、いつの間にか後ろにポジショニング。タイミングを見計らいつつ、同じ趣味を持つ仲間という雰囲気で声をかけ、自己流のアドバイスを始める……。
このような行為は、見方によっては「気さくで、教え好きな親切な人」でもあるのだが、なぜ最近になって「教え魔」として問題視されるようになったのか。
プロコーチの資格を持ち、都内のボウリング場で働く赤塚一紀さん(仮名)に話を伺った。
「上級者が初心者に対してアドバイスすることは自然なことで、何も悪いことではないと思います。ただし、アドバイスしていいのは初心者から『教えて欲しい』とお願いされた場合に限るんです」 教え魔の「魔」たる所以は、自分から「教えてあげようか」と近づき、知識や経験でマウンティングしてくるからなのだ。「ボウリング場で多いのは、見ず知らずの人にいきなり声をかけるタイプではなく、同じサークル内で初心者にコーチをする人ですね。ボウリングはアベレージで実力を図れるので、仲間同士でも上下関係が出来てしまう。要するに、そのグループ内で上手いとされている方が、初心者に対してマウントを取るわけです」 各地のボウリング場では、地元に根付いたシニアのサークルが多く活動しており、こうした常連客が大事な収入源となっている。「ボウリングのシニアサークルは、7割が女性で男性が3割くらいの構成が多いんですよ。その男性の中でちょっと上手い人が教え魔になって、女性に対して我が物顔で指導しているのをよく見ますね」 そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
教え魔の「魔」たる所以は、自分から「教えてあげようか」と近づき、知識や経験でマウンティングしてくるからなのだ。「ボウリング場で多いのは、見ず知らずの人にいきなり声をかけるタイプではなく、同じサークル内で初心者にコーチをする人ですね。ボウリングはアベレージで実力を図れるので、仲間同士でも上下関係が出来てしまう。要するに、そのグループ内で上手いとされている方が、初心者に対してマウントを取るわけです」 各地のボウリング場では、地元に根付いたシニアのサークルが多く活動しており、こうした常連客が大事な収入源となっている。「ボウリングのシニアサークルは、7割が女性で男性が3割くらいの構成が多いんですよ。その男性の中でちょっと上手い人が教え魔になって、女性に対して我が物顔で指導しているのをよく見ますね」 そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「ボウリング場で多いのは、見ず知らずの人にいきなり声をかけるタイプではなく、同じサークル内で初心者にコーチをする人ですね。ボウリングはアベレージで実力を図れるので、仲間同士でも上下関係が出来てしまう。要するに、そのグループ内で上手いとされている方が、初心者に対してマウントを取るわけです」 各地のボウリング場では、地元に根付いたシニアのサークルが多く活動しており、こうした常連客が大事な収入源となっている。「ボウリングのシニアサークルは、7割が女性で男性が3割くらいの構成が多いんですよ。その男性の中でちょっと上手い人が教え魔になって、女性に対して我が物顔で指導しているのをよく見ますね」 そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
各地のボウリング場では、地元に根付いたシニアのサークルが多く活動しており、こうした常連客が大事な収入源となっている。「ボウリングのシニアサークルは、7割が女性で男性が3割くらいの構成が多いんですよ。その男性の中でちょっと上手い人が教え魔になって、女性に対して我が物顔で指導しているのをよく見ますね」 そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「ボウリングのシニアサークルは、7割が女性で男性が3割くらいの構成が多いんですよ。その男性の中でちょっと上手い人が教え魔になって、女性に対して我が物顔で指導しているのをよく見ますね」 そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
そんな「サークル内教え魔」が、トラブルを起こすこともあるという。月10万円の「コーチ料」で大揉め「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「金銭トラブルというか、コーチ料を取っていたケースがあったんです。いつも付きっきりでやっているなと思ってたんですが、あとで聞いたら月に10万円を払わせていた。まぁ、お金が発生しても当人同士がよければいいんですけど、結局、そういう人は適当なので、その場で違う人にも教えたりする。すると、私はお金を払っているのに、あの人はタダ、みたいな話になってこじれてしまったんです」 それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
それでもボウリング場としては「出禁」などの措置が取りづらいという。「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「結局は個人間のトラブルというか、ボウリング場側に直接迷惑をかけているものではないので介入できないんですよ。お客さまに対しては基本的に公平に対応しているので、『この人を守りたいからあの人は出ていって』ということにはできないんです」 お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
お金を払って上達すればまだいいが、そうなることは少ない。「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「プロコーチの立場として言わせてもらえば、『教え魔』は百害あって一利なし。彼らはフィーリングで教えるので、理論がない。ただ、上達する場合もあります。ボウリングの初心者は、伸びしろがあるというか、投げれば投げるほど上手くなるものなんです。それで教え魔も『おれが言った通りだろ』となってエスカレートしていく。 でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
でもあるレベル以上は上達しないので、なんかおかしいなと気づき始めるわけです……」「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「教え魔」はどこまでいっても自己満足でしかないのだが、本人は気づかない。「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「教え魔が難しいのは、本人は親切なつもりなんです。人間の心理として自分の持っている情報を誰かに伝えたくなるというのはあると思います。自分も教わってきたから、教えるのが義務とまで思っている人もいます。ただ、その程度の情報はネットやYouTubeにいくらでもある。今どき、教え魔から教えてもらうことはありません」 長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
長年の経験で培ってきた技術や知識を分け与えたい。同じ趣味を持ち、同じ目的を持った仲間なら、それを受け入れてくれる、と信じてしまうのが「教え魔脳」なのだ。ジムに行くたびに「教え魔」のオジサンに見つけられ… このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
このような自己流の頑固な「教え魔」が増えているのがスポーツジムだ。実際に被害にあったという女性、白戸麻耶さん(仮名)に聞いた。「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「軽い運動とダイエット目的で、有名なジムに入会したんです。本格的に鍛えている人が多く通っているということは知ってたんですが、家の近くにあったので、ここでいいかなと軽い気持ちで……。 通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
通い始めて2週間ぐらい経ったころ、タンクトップ姿のマッチョな中年男性が近づいてきて、『がんばってるね。どういう体を目指しているの?』と話しかけてきたんです。 ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
ジムって、そうやって気さくに会話する文化があるのかと思って、『ウエストを細くしてメリハリのある体になりたいんです』とか適当に話してたら、そのオジサンは『それなら広背筋だね。背中が大きくなれば自然とウエストが細く見えるから』と、私をフリーウェイトエリアに連れていきました。 そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
そこで私に手取り足取り教え始めたのがチンニング(懸垂)。台がないと手が届かないくらいの高さにあるバーにぶら下がって、反動を使わず背中の筋肉と腕の力だけで体を上げ下げするトレーニングなんですけど、いきなり『やってみて』と言われてもそんなの無理に決まっているじゃないですか。 でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
でも、オジサンはお構いなし。浜口京子のパパみたいに『気合入れろ! できるできる!』と連呼してきて、やらないと終わらない雰囲気になり、その日はチンニングを10回3セットもやらされました。しかも、補助という名目で私の体も触りまくり。オジサンは親切でやっているのでそんなつもりではないんでしょうけど……。 結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
結局、そのジムに行くと毎回そのオジサンが私を見つけて教えに来るので、翌月に退会しました」ジムあるある「正しいフォームを教えてやるオジサン」 スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
スポーツジムは見た目のボディラインで初心者を見分けやすいようで、新人が入るとすぐに教え魔が近づいてくる。ターゲットになるのは女性だけではない。最近スポーツジムに通いはじめた青柳美智雄さん(仮名)は被害を語る。「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「これは『ジムあるある』だと思いますけど、初心者に対して『正しいフォームを教えてやるオジサン』がいるんですよ。 ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
ある日、バーベルスクワットをしていて、起き上がるときに僕がふらついてしまったことがあったんです。単純に、もう5セットぐらいトレーニングしていたので、疲労で脚がパンパンだったせいなんですけど、そのタイミングで通りかかったオジサンが『そんなやり方ではケガするぞ。正しいフォームを教えてあげるよ』と言い出して。 教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
教えてくれるのはありがたいんですが、その日はもう切り上げようと思っていたので『ありがとうございます。ただ、今日は疲れてもう動けないので、次の機会に教えてください』と丁重にお断りしたんです。ところが、オジサンは『いいからもう1回やってみろ』と逃してくれず、さらに『限界を超えた1回が筋肉を作る』という理論をくどくど話されて……。こっちは疲労困憊だったのに、そのままさらに3セットもスクワットやらされました」体育会系だけじゃない 将棋道場にも出没する「教え魔」 やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
やんわり断っても無視。初心者でもグイグイくる教え魔への対処は難しい。こうした「コーチしてあげる」という風潮は、スポーツなどの体育会系ならではのものかと思ったが、実際には文化系の世界にも出没する。「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「初心者、特に女性が道場に来なくなってしまうので『教え魔』は本当に迷惑です」と語るのは、将棋関係者の中野海さん(仮名)だ。「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「将棋道場や、アマ大会など、不特定多数の人が集まって一斉に対局するような場所に『教え魔』が出没するんです。将棋は投了したあとにその対局を振り返る『感想戦』をする習慣があります。ここに見ていた見ず知らずの人が『あの手が良くなかったね』などと口を挟んでくるんです。 基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
基本的に感想戦は対局者同士で行うもの。そこに割り込んでくるだけでもマナー違反ですが、さらに『あんな手を指すようじゃ分かってない』などとダメ出しするのは最悪です」 将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
将棋道場で教え魔のターゲットにされるのは、圧倒的に女性だという。「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「ただでさえ女性が少ない世界ですが、そこに教え魔が集中する。女性の側からしてみたら、次から次へと知らない男性(特に年配者)が口を挟んでくるという状況で、これならスマホのアプリで指していたほうがよっぽどいいと思って道場に来なくなってしまうんです」 「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「教え魔」のほうが年上のため「年上の言うことは聞くもの」と考える人もいるのがやっかいだ。「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
「『頼んでもいない人に、分からないことを教えられて迷惑だった』と言っても『親切で教えているのだから』と、迷惑がるほうが悪いようなことを言われてしまうこともあり、根は深いです」 若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
若者が最も嫌う話題は、年配者の自慢話や過去の武勇伝だという。「教え魔」がしていることは、これに近い。さすがにこうした一方的な会話は職場や家庭ではハラスメントになるという意識は芽生えてきているようだが、趣味の世界ならいいだろう、と思わず知識をひけらかしてしまうのが、まさに「魔が差す」瞬間なのだ。(清談社)
(清談社)