遺体で見つかった太田洋子さん、願い届かず

静岡県熱海市伊豆山(いずさん)の土石流災害で、県は10日、亡くなった1人の身元を、これまで安否不明だった太田洋子(ようこ)さん(72)と確認したことを明らかにした。
太田さんは3日午前、自宅に1人でいて、土石流にのみ込まれた。直前まで太田さんと一緒に家におり、その瞬間を目撃した妹の山口きく江さん(70)によると、轟音(ごうおん)に気づいて後ろを振り返ったときには、家も車も流されていたという。
「どこに悔しさをぶつけたらいいか分からない」。幼い頃からきょうだいのように接してきたいとこの高橋薫さん(72)は悲痛な表情を浮かべた。
姉の安否を知りたくて、捜索に関わる消防団員らが集まる現場近くの公民館に足を運び続けた山口さん。高橋さんによると、姉の遺体を前に「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と泣きじゃくっていたという。切実な願いは届かなかった。