過剰ノルマ課され自殺…遺書に「くやしい」 遺族が提訴

富山県高岡市の石油販売会社の社員だった男性(当時58)が精神障害を発症して自殺したのは、会社が適切な労務管理を怠ったためだとして、遺族が9日、会社と当時の社長に慰謝料など計約7500万円の損害賠償を求めて、富山地裁高岡支部に提訴した。
訴状などによると、男性は1996年2月、石油販売会社「丸福石油産業」に入社。2009年4月以降、支店の店舗の運営管理業務を担っていたが、19年10月にうつ病と診断され、その数日後に自殺した。男性に過剰なノルマが課され、亡くなる前月の時間外労働が過労死ライン(月80時間)を超える月104時間だったことから精神障害を発症して自殺したとして、高岡労働基準監督署が昨年7月に労災認定した。
9日に富山市内で会見した男性の長男(31)は、男性の直筆の遺書を紹介。そこには「くやしい 情けない めいっぱいがんばってきたつもりなのですが 残念です」などとつづられていた。長男は「大切な父を失ったという事実は、たとえ裁判で勝ったとしても変わらない」とした上で、「過重労働は多くの人を不幸にするリスクがあるということをあらためて社会全体で理解しなければならない」と訴えた。(野田佑介)