東京藝大で聞いてみた 持ち物や服で派閥が乱立? エプロンとつなぎのニクい関係

累計40万部を突破した『最後の秘境 東京藝大』は、社会現象にもなった前人未到、抱腹絶倒の探検記。口笛で合格した世界チャンプがいるかと思えば、ブラジャーを仮面に、ハートのニップレス姿で究極の美を追究する者あり。全学科の現役学生に取材した著者の二宮敦人さんに、本には書ききれなかった逸話を聞いてみた。
【画像】「僕の妻は東京藝大に通う現役学生なのですが…」
「必需品ってありますか、と毎回聞くようにしていたんです。そうしたら出るわ、出るわ、聞いたこともないようなアイテムが。『響声破笛丸』ってご存知ですか?」
きょうせいはてきがん、と読む漢方薬だそうである。
「声楽科の方の必需品です。喉を常に使うから、のどあめが必須なんですね。プロポリス、ボイスケア、龍角散の3派に分かれているそうですが、本当に調子が悪い時に使う最終兵器が、『響声破笛丸』なんです」
文字面を見るだけで効きそうだが、喉の仕事をする人たちの中では有名な薬だそうだ。
「リップクリームが欠かせないと言っていたのは、ホルン専攻の学生さんです。あ、スティックタイプのものではなく、ケースにクリーム状になって入っている、薬用のものです。ホルンでは口で音を出し、楽器でそれを増幅するので、口が荒れてしまうと大変なんだそうです。口内炎ができてしまうと、もう……涙目で吹くことになるのだと」
口は、彼らにとっては商売道具なのだ。「普段からビタミンを取ったり、ケアをしているそうですよ。『口の怪我は、アスリートでいう捻挫のようなもの』とのことでした」 もちろん扱う楽器が変われば、必要とする道具も変わってくる。「打楽器やハープを専攻している方は、テーピングや高級な絆創膏が手放せないと言っていました。太鼓のバチは指の間に挟んだりするので、その部分の皮が剥けたり、マメができるそうです。ハープは爪のキワが食い込んだりするそうですね。ただ、安い絆創膏を使ってしまうと、ねばねばしたものが弦についてしまうので、ケアリーヴという少し良い絆創膏を使っていると聞きました」やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記 ボクサーがバンテージをしたり、サッカー選手がレガースをするようなものらしい。スポーツ選手と同じように、準備運動もあるそうだ。「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「普段からビタミンを取ったり、ケアをしているそうですよ。『口の怪我は、アスリートでいう捻挫のようなもの』とのことでした」 もちろん扱う楽器が変われば、必要とする道具も変わってくる。「打楽器やハープを専攻している方は、テーピングや高級な絆創膏が手放せないと言っていました。太鼓のバチは指の間に挟んだりするので、その部分の皮が剥けたり、マメができるそうです。ハープは爪のキワが食い込んだりするそうですね。ただ、安い絆創膏を使ってしまうと、ねばねばしたものが弦についてしまうので、ケアリーヴという少し良い絆創膏を使っていると聞きました」やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記 ボクサーがバンテージをしたり、サッカー選手がレガースをするようなものらしい。スポーツ選手と同じように、準備運動もあるそうだ。「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
もちろん扱う楽器が変われば、必要とする道具も変わってくる。「打楽器やハープを専攻している方は、テーピングや高級な絆創膏が手放せないと言っていました。太鼓のバチは指の間に挟んだりするので、その部分の皮が剥けたり、マメができるそうです。ハープは爪のキワが食い込んだりするそうですね。ただ、安い絆創膏を使ってしまうと、ねばねばしたものが弦についてしまうので、ケアリーヴという少し良い絆創膏を使っていると聞きました」やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記 ボクサーがバンテージをしたり、サッカー選手がレガースをするようなものらしい。スポーツ選手と同じように、準備運動もあるそうだ。「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「打楽器やハープを専攻している方は、テーピングや高級な絆創膏が手放せないと言っていました。太鼓のバチは指の間に挟んだりするので、その部分の皮が剥けたり、マメができるそうです。ハープは爪のキワが食い込んだりするそうですね。ただ、安い絆創膏を使ってしまうと、ねばねばしたものが弦についてしまうので、ケアリーヴという少し良い絆創膏を使っていると聞きました」やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約3倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記 ボクサーがバンテージをしたり、サッカー選手がレガースをするようなものらしい。スポーツ選手と同じように、準備運動もあるそうだ。「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
ボクサーがバンテージをしたり、サッカー選手がレガースをするようなものらしい。スポーツ選手と同じように、準備運動もあるそうだ。「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「ファゴット専攻の学生さんは、毎朝、藝大に行く電車の中で指をつまんで伸ばして、ぐいぐいやって、ストレッチするそうです。この準備運動をすると、指の回りが全然違うそうで」 喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
喧嘩に行く前の不良のような話だが、ファゴットは指で押さえるところが28個もある。指が動かないと練習をするにせよ、演奏をするにせよ、どうしようもないのだ。 日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
日常が大事。習慣が大事。 音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
音校(音楽学部)のいくつかの専攻では、常にハイヒールを履くことが推奨されているという。ただお洒落だから履いているわけではない。本番ではハイヒールにドレスで演奏するのだから、普段からそれに体を慣らしておいた方がいいというわけ。コミカライズ作品。『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人/原作、土岐蔦子/漫画油画はツナギ、版画はエプロン着用 一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
一方、美校(美術学部)で推奨される服は、エプロン、ツナギ、ジャージといった作業着だ。汗だくになって、絵具まみれになって作業するから、汚れてもいい服でいる方が良いのである。 ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
ただ、そんな美校内でもちょっとした派閥があるとか……。「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「油画はだいたいツナギですけど、版画の人たちはエプロン着用のようですよ。版画の人たちはツナギにちょっと憧れてて、油画の人たちはエプロンがお洒落だなって思ってるらしいです」 美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
美校の学生が持っている必需品は、また音校とはがらりと様変わりする。 作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
作業中に手を拭いたりするための手拭は、当たり前のように女子も男子も持っていて、場合によっては頭に巻いている。もののスケール感をいつでも計れるようにと、メジャーを持ち歩く建築科の学生がいれば、100分の1スケールのノギス(測定器)を常用し、何でもミリ寸法で会話してしまう工芸科の学生がいる。100メートル走は彼らに言わせれば10万ミリ走なのだろうか? 染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
染織専攻では石鹸水に布をくぐらせたり、真冬にプールの中で布を洗ったりするので手が荒れる。だから、ハンドクリームが必需品。かぶれと戦う漆芸専攻では、かなり厳重に手荒れ予防を行っているようだ。「漆が手についてしまった時の洗い方があるんだそうですよ。まず、油で落とす。それから洗剤で洗って、次にハンドソープで洗って。それから、ハンドクリームを塗る。漆芸専攻ならではの知恵ですね」金槌だけで20本所有 金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
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金槌が必需品という専攻もある。「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「と言っても、1本や2本ではないんです。20本前後はあると言っていましたね。そんなにたくさんの種類、お店にあるのかと思うじゃないですか。彼らは金槌を買うと言っても、頭の部分だけ買うんだそうです。そして面をベルトサンダーで削って、紙やすりで磨いて、研磨して、木の柄も自分でつける。ほとんど作っているようなものなんです」 20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
20本も使い分けられるのかと思ってしまうが、全く問題ないという。「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「それくらいないと困るそうです。すべて使い道が異なるのだと。多い人は何百本も持っているというから、驚きです」 道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
道を極めていこうとするなら、それくらいのこだわりは出てくるのだろう。プロ意識と言ってもいいが、それは他の専攻にも通じるもののようだ。最後に、デザイン科の学生の逸話。「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「紙を物凄くたくさん持っているんですよ。クリアファイルに色とりどり、質感も様々なものを整理して、まとめていました。紙見本だそうです」 製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
製紙会社に行くと、紙の見本がずらっと並んでいるという。それを紙袋にどっさり、両手で抱えるくらい貰ってくるそうだ。「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
「ポスターやチラシを作る際に、必要になるんですね。最近はポスターを触るだけで紙の種類をあてられるようになってきた、と言っていました。あの会社のあの紙だから、今度自分でも使ってみようとか……」 専門の道具を己の肉体のように使いこなし、また己の肉体を道具のように使いこなすためにメンテナンスする。 藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
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藝大生の見ている世界は、アスリートや職人のそれに近いのである。デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
デイリー新潮編集部2021年7月14日 掲載
2021年7月14日 掲載