顔の輪郭がわからなくなるまで暴行、東尋坊で飛び降りさせ男性殺害…元少年に懲役19年

福井県の東尋坊で2019年10月、滋賀県東近江市の男性(当時20歳)が殺害された事件で、殺人や監禁などの罪に問われた元少年(21)に、求刑通り懲役19年の実刑判決が大津地裁で言い渡された。
共謀したとされる他の少年ら6人(いずれも実刑判決)のうち、一連の事件で意思決定をした中心人物だとして、最も重い量刑となった。
大西直樹裁判長は量刑理由について、元少年らが長期間、無抵抗の男性に対し、顔の輪郭がわからなくなるほど激しく暴行し、まるで物であるかのように監禁したことを挙げて「被害者の人格を否定し、尊厳を著しく踏みにじった」と非難。発覚を免れるため自殺に見せかけて殺害するという方法は「心を殺した上、肉体も殺す残酷なもの。わずか20歳で命を奪われた精神的苦痛は計り知れない」と指摘した。
また、元少年が動機について「男性のせいで暴力団関係者とトラブルになって腹が立った」と説明していた点には「全く落ち度のない男性に対する責任転嫁というほかない」と 一蹴 ( いっしゅう )。一部否認していた、男性の足を車でひくなどの暴行についても「暴行を制したり非難したりせず、共犯の責任を負う」として関与を認めた。
弁護側は「反省している」などと情状酌量を求めていたが、大西裁判長は「自らの過ちの重大性に、まだ十分に向き合えていない」とし、説諭で「男性の『生きたい』という声に耳を傾けることなく、飛び降りさせたのは取り返しのつかない過ちだ。生まれ変わる覚悟で立ち直る努力をしてほしい」と語りかけた。
元少年はこの日、丸刈り、スーツ姿で出廷し、静かに大西裁判長の言葉を聞いていた。判決後、取材に応じた元少年の弁護士は「(元少年は)閉廷後も、裁判長の言葉を頭で 反芻 ( はんすう )しているようだった」と話した。控訴するかどうかは「今後話し合って決める」とした。