《治療中にわいせつ行為》「吐息がかかる感触があった」タオルで目を覆った20代女性にそっとキス“宇都宮40歳歯科医”に実刑判決

「それでは椅子を倒しますね」
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座っていた椅子が倒れていくのに連れて患者が仰向けの姿勢になり、目元にタオルがかけられる。
歯医者では、治療のために強いライトが当たることや医者の顔が近づくことへの配慮で、タオルやガーゼで目隠しをされるのが一般的だ。
しかし、患者が「見えない」ことにつけこんでキスをする歯医者がいたとしたら……。
6月30日に宇都宮地裁で、タオルで目を覆った20代の被害女性A子さんに治療中にキスをしたとして準強制わいせつ罪に問われていた栃木県壬生町の歯科医・武田博也被告(40)は懲役1年2カ月(求刑懲役2年)の実刑判決を言い渡された。
宇都宮地裁 時事通信社
宇都宮市内の歯科クリニックに勤務していた武田被告が栃木県警に逮捕されたのは、約1年半前の2019年11月。「キスはしていない、まったく身に覚えがない」と否認し、公判でも一貫して無罪主張を続けた。
判決文によると、2018年5月頃からA子さんは武田被告が当時勤務していた歯科クリニックに通院を始めた。
異変はすぐに起こった。A子さん側の主張によると、3回目頃の通院時に、胸の上半分に手のひらがあたる感覚があったという。しかし目隠しされている状態のため、何が当たったか、それが故意だったかを判別することは難しい。
しかしその後も胸への感触が続いたことから、担当医を替えてもらおうとA子さんはスマートフォンのカレンダーに「胸」と入力していた。A子さんは交際相手の男性など周囲にも相談していたが、「気のせいじゃないか」と取り合ってもらえなかったという。 A子さんが治療中に胸の上で手を組むようにすると、触られる感覚はなくなったが、しばらくすると”別の異変”が起きた。治療前や治療の合間に口をゆすいだ後、タオルで目隠しがされている状態のときに、唇に何かがあたる感覚が起こり始めたのだ。「やわらかくて人肌の感触があった」「何度目かには吐息がかかるような感触があった」(A子さん) もしかしてキスされているのではないかと疑い始めたが、歯医者では口腔内や唇に指が当たることは多いため言い出せずにいた。それでもA子さんは唇に何かがあたる感覚があるたびに、カレンダーに記録するようになった。 2018年の12月に入ると、口元にかかる吐息を強く感じたことから「キスされた」と記録した。 2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
A子さんが治療中に胸の上で手を組むようにすると、触られる感覚はなくなったが、しばらくすると”別の異変”が起きた。治療前や治療の合間に口をゆすいだ後、タオルで目隠しがされている状態のときに、唇に何かがあたる感覚が起こり始めたのだ。「やわらかくて人肌の感触があった」「何度目かには吐息がかかるような感触があった」(A子さん) もしかしてキスされているのではないかと疑い始めたが、歯医者では口腔内や唇に指が当たることは多いため言い出せずにいた。それでもA子さんは唇に何かがあたる感覚があるたびに、カレンダーに記録するようになった。 2018年の12月に入ると、口元にかかる吐息を強く感じたことから「キスされた」と記録した。 2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「やわらかくて人肌の感触があった」「何度目かには吐息がかかるような感触があった」(A子さん) もしかしてキスされているのではないかと疑い始めたが、歯医者では口腔内や唇に指が当たることは多いため言い出せずにいた。それでもA子さんは唇に何かがあたる感覚があるたびに、カレンダーに記録するようになった。 2018年の12月に入ると、口元にかかる吐息を強く感じたことから「キスされた」と記録した。 2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
もしかしてキスされているのではないかと疑い始めたが、歯医者では口腔内や唇に指が当たることは多いため言い出せずにいた。それでもA子さんは唇に何かがあたる感覚があるたびに、カレンダーに記録するようになった。 2018年の12月に入ると、口元にかかる吐息を強く感じたことから「キスされた」と記録した。 2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
2018年の12月に入ると、口元にかかる吐息を強く感じたことから「キスされた」と記録した。 2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
2018年12月19日も、午前10時45分ごろからA子さんは武田被告の治療を受け始めた。 A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
A子さんがいつものように椅子に座ると、ゆっくりと倒されていく。頭の上の位置にいた武田被告が目元にタオルをかけている最中に、またしても唇にやわらかいものがあたる感触があったのだ。 武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
武田被告の両手はタオルをつかんでいるため手や指が触れたということは考えにくく、A子さんは「キスされている」と確信したという。この日は治療の合間にもう一度唇に感触があったことから、A子さんは携帯に「2回キスあり」と記録。耐えられず会計時に「先生を替えてほしい」と受付に相談し、そこから事件が発覚した。「歯科医師としての立場を悪用しした卑劣なもの」 裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
裁判で争点になったのも「12月19日に武田被告がキスしたかどうか」だった。武田被告は「全く身に覚えがない」と真っ向から否定し、「キスはしていない」と証言して全面的に争った。 武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
武田被告の弁護側は「A子さんらが示談金名目の金銭要求ができると思って警察に相談したのではないか」「胸を触られたりキスをされたりしていたとしたら継続して通院していたのは不自然だ」「A子さんの話だと、武田被告がキスするのは困難な姿勢だ」などと主張した。 しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
しかし担当した山下博司裁判官は弁護側の主張をいずれも切り捨て、検察側に軍配を上げた。「歯科医師としての立場を悪用した卑劣なものである上、キスをするというわいせつ行為の様態も軽いものではなく、被害者が受けた精神的苦痛は大きい」とした上で、「不合理な弁解に終始して反省の態度は全く窺えない」と執行猶予も認めず懲役1年2カ月の実刑判決を下したのだ。「薄氷の上を歩くような危うい判決文」 性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
性犯罪事件を多く手掛けるアトム法律事務所の高橋裕樹弁護士は判決についてこう解説する。「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「1年2カ月という量刑自体は妥当だが、被告人の体液やカメラの画像など客観的な証拠がなく、薄氷の上を歩くような危うい判決文だ。被告も全面否定しているので、控訴されればひっくり返る可能性もある」 実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
実は、歯医者の治療中のわいせつ行為は決して珍しい事件ではない。2019年1月に神奈川で準強制わいせつ容疑で29歳の男性歯科医師が逮捕され、11月には奈良でも43歳の男性歯科医師が女性患者の胸を触ったとして同容疑で逮捕されている。 いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
いずれも適用された罪は準強制わいせつ罪。抵抗できない相手に対するわいせつ行為で、法定刑は強制わいせつ罪と同じ「6カ月以上10年以下の懲役」である。 性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
性犯罪の取材経験も多い大手紙社会部記者はこう話す。「歯科医に限らず、医師による医療行為と称したわいせつ事件は多く発生しています。信頼して身を委ねなければ治療行為ができないという医者の立場を利用した極めて悪質な犯罪ですが、密室なので証拠不足で無罪となるケースも多い。2019年3月には全国で相次いで性犯罪の無罪判決が出て社会問題化するなど、各地でギリギリの裁判が続いています。冤罪で有罪になる人を出してはいけないのは当然ですが、事件化していないものも含めれば多くの被害者がいるのも間違いない」 泣き寝入りしないための対応について、前出の高橋弁護士は「被害に遭われた方はすぐに警察に行くなり、加害者の体液をとっておくなりすることが重要です。今回のケースであれば、その場で110番通報して警察官を呼び、唇などから証拠採取してもらうなどの方法もあったと思います。犯罪から身を守る方法が広がってくれれば」と語った。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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