大雨で農林業被害15億円超の鳥取 ため池決壊、田畑冠水の町は今

鳥取県内を襲った12日までの大雨は記録的な降水量を観測し、県によると農林業の被害額は14日時点の判明分だけで15億4000万円に達した。北栄(ほくえい)町ではため池が決壊し、周辺の田畑が冠水したほかビニールハウスが倒壊した。県は復旧支援に乗り出したものの、農家は焦燥感を募らせている。【平川哲也】
助け来ず、最期は押し入れで…西日本豪雨
車1台がようやく通れる農道の脇はぬかるみ、木の枝や草の塊に混じって灌水(かんすい)用の黒いホースもあった。梅雨明け翌日の真夏日となった14日、なだらかな丘に田畑が広がる北栄町大谷。「こんな状態になるのは初めて。営農を再開できるのがいつになるのか……」。谷村俊昭さん(76)が指す先に奥行きが20メートルほどあるビニールハウスが倒れていた。
北栄町の南側に隣接する倉吉市で、7月の月間平均降水量を大幅に超える325・5ミリの雨が降った7日。その午後、ハウスから南に約300メートル離れた双子池が決壊した。高さ約4・2メートルの堤を隔てて二つが並ぶ農業用のため池で、大量の雨水が南側にある上流部の池(貯水量約1万7000立方メートル)に流れ込み、コンクリートで補強された堤の一部を破って下流部の池に押し寄せた。あふれた水は張り巡らされた水路を伝い、北側の低地に向かって流れ出した。
ハウスの傍らを流れる幅約1メートルの水路は、地上から底までの深さが1・2メートルぐらいある。台風などの際は水かさが上がるが、谷村さんが越水するのを見たのは初めてだった。「これはえらいことになる」。水はやがて、丘の傾斜に沿って段々に仕切られた田畑へ。耕した土を削り、収穫前の作物も押し流した。 4棟が並ぶ谷村さんのハウスのうち北側の1棟は水の重みに耐えきれず横倒しになり、残りも土砂を含む水が襲った。水が引いた14日の内部は青くかびたような土砂に覆われ、水深が10センチに満たない水路の向こうで、ぐにゃりと曲がった骨組みのそばに収穫間近だった小松菜がいくつか見えた。一段上がった南隣の畑には上流部から流れてきたのだろう、傷のあるスイカが二つ転がっていた。 北栄町によると、明治期に整備された双子池は県による2013年の点検を受け、管理する水利組合が土で築かれた堤をコンクリートで補強した。決壊で流れ込んだ水は町の想定を上回り、北に約800メートル離れたJR山陰線を一時は越えたとみられる。水路は数カ所で崩れ、ハウスの損壊は30棟に上った。 北栄町に限らない。県は農林業被害が県内のほぼ全域に及ぶとみている。判明分だけでイネや大豆、スイカ、白ネギなどが冠水や土砂流入に遭い、農道や水路などの損壊は500カ所を超えた。スイカや白ネギは冠水による病害が懸念されており、県は対策を急ぐとともに損壊したハウスの撤去や再建も支援する方針だ。 北栄町大谷。厳しい暑さの中で、谷村さんは14日、長男と2人で倒壊したハウスを覆うビニールを外した。「水路が崩れて田んぼにも被害が出た。なかなか前に進めん」。決壊した双子池の改修、ハウスに堆積(たいせき)した土砂の除去……。「分からん。いつ何をして、いつ再開できるのか」。谷村さんの鼻のてっぺんから、大きな汗が落ちる。西の空に入道雲が立ち上っていた。
4棟が並ぶ谷村さんのハウスのうち北側の1棟は水の重みに耐えきれず横倒しになり、残りも土砂を含む水が襲った。水が引いた14日の内部は青くかびたような土砂に覆われ、水深が10センチに満たない水路の向こうで、ぐにゃりと曲がった骨組みのそばに収穫間近だった小松菜がいくつか見えた。一段上がった南隣の畑には上流部から流れてきたのだろう、傷のあるスイカが二つ転がっていた。 北栄町によると、明治期に整備された双子池は県による2013年の点検を受け、管理する水利組合が土で築かれた堤をコンクリートで補強した。決壊で流れ込んだ水は町の想定を上回り、北に約800メートル離れたJR山陰線を一時は越えたとみられる。水路は数カ所で崩れ、ハウスの損壊は30棟に上った。 北栄町に限らない。県は農林業被害が県内のほぼ全域に及ぶとみている。判明分だけでイネや大豆、スイカ、白ネギなどが冠水や土砂流入に遭い、農道や水路などの損壊は500カ所を超えた。スイカや白ネギは冠水による病害が懸念されており、県は対策を急ぐとともに損壊したハウスの撤去や再建も支援する方針だ。 北栄町大谷。厳しい暑さの中で、谷村さんは14日、長男と2人で倒壊したハウスを覆うビニールを外した。「水路が崩れて田んぼにも被害が出た。なかなか前に進めん」。決壊した双子池の改修、ハウスに堆積(たいせき)した土砂の除去……。「分からん。いつ何をして、いつ再開できるのか」。谷村さんの鼻のてっぺんから、大きな汗が落ちる。西の空に入道雲が立ち上っていた。
北栄町によると、明治期に整備された双子池は県による2013年の点検を受け、管理する水利組合が土で築かれた堤をコンクリートで補強した。決壊で流れ込んだ水は町の想定を上回り、北に約800メートル離れたJR山陰線を一時は越えたとみられる。水路は数カ所で崩れ、ハウスの損壊は30棟に上った。 北栄町に限らない。県は農林業被害が県内のほぼ全域に及ぶとみている。判明分だけでイネや大豆、スイカ、白ネギなどが冠水や土砂流入に遭い、農道や水路などの損壊は500カ所を超えた。スイカや白ネギは冠水による病害が懸念されており、県は対策を急ぐとともに損壊したハウスの撤去や再建も支援する方針だ。 北栄町大谷。厳しい暑さの中で、谷村さんは14日、長男と2人で倒壊したハウスを覆うビニールを外した。「水路が崩れて田んぼにも被害が出た。なかなか前に進めん」。決壊した双子池の改修、ハウスに堆積(たいせき)した土砂の除去……。「分からん。いつ何をして、いつ再開できるのか」。谷村さんの鼻のてっぺんから、大きな汗が落ちる。西の空に入道雲が立ち上っていた。
北栄町に限らない。県は農林業被害が県内のほぼ全域に及ぶとみている。判明分だけでイネや大豆、スイカ、白ネギなどが冠水や土砂流入に遭い、農道や水路などの損壊は500カ所を超えた。スイカや白ネギは冠水による病害が懸念されており、県は対策を急ぐとともに損壊したハウスの撤去や再建も支援する方針だ。 北栄町大谷。厳しい暑さの中で、谷村さんは14日、長男と2人で倒壊したハウスを覆うビニールを外した。「水路が崩れて田んぼにも被害が出た。なかなか前に進めん」。決壊した双子池の改修、ハウスに堆積(たいせき)した土砂の除去……。「分からん。いつ何をして、いつ再開できるのか」。谷村さんの鼻のてっぺんから、大きな汗が落ちる。西の空に入道雲が立ち上っていた。
北栄町大谷。厳しい暑さの中で、谷村さんは14日、長男と2人で倒壊したハウスを覆うビニールを外した。「水路が崩れて田んぼにも被害が出た。なかなか前に進めん」。決壊した双子池の改修、ハウスに堆積(たいせき)した土砂の除去……。「分からん。いつ何をして、いつ再開できるのか」。谷村さんの鼻のてっぺんから、大きな汗が落ちる。西の空に入道雲が立ち上っていた。