双子遺体遺棄で有罪判決 被告のベトナム人実習生「納得できない」

熊本県芦北町で2020年11月、産んで間もない双子の男児の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生、レー・ティ・トゥイ・リン被告(22)=保釈中=に対し、熊本地裁は20日、懲役8月、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の判決を言い渡した。被告側は「埋葬するつもりで安置していた」と無罪を主張したが、杉原崇夫裁判官は死体遺棄罪の成立を認定した。被告は判決を不服として控訴する。
双子遺体を「安置」と主張した実習生 専門家「議論の余地」
判決によると、被告は20年11月15日ごろ、芦北町の自宅で、双子の男児を出産し、遺体を段ボール箱に入れて自室に置き続けた。
公判で検察側は「妊娠、出産を隠すために遺体を放置した」と主張。被告側は「体力回復後にベトナムで慣習となっている土葬をするつもりで安置していた」などと訴え、被告の行為が「放置」か「安置」のいずれに当たるかが争点だった。
杉原裁判官は、死体遺棄罪は「国民の一般的な宗教的感情を害する」態様で遺体を隠したり、放置したりした場合に成立するとし、被告の行為は「死産を周りに隠したまま私的に埋葬するための準備で、一般的な宗教的感情を害するのは明らか」と述べた。また、分別ある年齢で、日本での生活も2年以上だったことなどを挙げ、被告が故意に遺体を遺棄したと判断した。
一方、量刑理由では、収入の多くをベトナムの家族に送金していた被告が、妊娠で仕事ができず、家賃や生活費が出せなくなることで帰国に追い込まれてしまう状況だったと指摘。杉原裁判官は「十分にサポートする制度もなく、厳しい環境だった。帰国を恐れ、妊娠を周りに告白できずに思い詰め、出産して犯行に及んだ経緯には同情の余地が十分ある」とも述べた。 判決を受け、レー被告は「無罪主張が認められず、大変残念。私は子供の遺体を捨てたり隠したりしていない。判決には納得できない」とするコメントを出した。【栗栖由喜、中村園子】
判決を受け、レー被告は「無罪主張が認められず、大変残念。私は子供の遺体を捨てたり隠したりしていない。判決には納得できない」とするコメントを出した。【栗栖由喜、中村園子】