政界で無名・山中氏 コロナ重視、政権批判の受け皿に 横浜市長選

22日投開票の横浜市長選で初当選を果たした山中竹春氏(48)は、政界では無名の存在だったが、元市立大医学部教授の肩書を生かして新型コロナウイルス対策の充実を訴え、有権者の心をつかむことに成功した。閣僚から異例の転身を図った前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)は、全面支援を表明した菅義偉首相や政権への不満を受ける形で失速した。
横浜市長に立憲推薦・山中竹春氏 菅首相支援の小此木氏ら破る
山中氏は午後8時過ぎ、当選確実の一報を横浜市中区の貸会議室で支援者らと確認。「市民一人一人と向き合いながら、素晴らしい横浜市をつくる」と裏返った声であいさつした。
立憲民主党は当初、市が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を最大の争点として候補者選びを進めた。次期衆院選も念頭に置いて、菅氏のお膝元で真っ向勝負に臨むためだ。そこに新型コロナの研究者としてテレビ出演などをしていた山中氏が浮上。候補者選定を一任された地元選出の江田憲司代表代行は「ドンピシャの候補だ」と周囲に語った。
立候補者が乱立して埋没する懸念もあったが、陣営の動きは早かった。立候補者8人中6人がIR誘致反対を掲げ、新型コロナの感染が拡大すると、重点的に訴える内容を新型コロナ対策に切り替えた。選挙戦終盤。次々とビラを受け取る市民の様子に、陣営幹部は「市民の不満の表れだ。今はとにかくコロナ、コロナ、コロナだ」と語った。【樋口淳也、高田奈実、中村紬葵】