悪ふざけで私に障害残した同級生、SNSで晒すリア充ぶりに憤り

小学2年のときのヴァイオリン発表会(川上さん提供)
(柳原 三佳・ノンフィクション作家)
『柳原さんの記事を日々拝見しています。私は小学5年生のとき、同級生の男児に金属製の武器のようなもので突然襲われ、左の手の骨を砕かれました。26歳になった今もずっとその後遺症に苦しめられ、強迫性障害になって自殺未遂をしたこともあります。
交通事故で亡くなったり、植物状態になったり、という事案に比べたら、私の不幸など大したことはないのかもしれません。しかし、悪意ある他人に後遺症を負わされ、その障害と共に一生涯生きていかなければならないというのは、まさに生き地獄です』
秋田県に住む川上隆さん(仮名)からメールが来たのは、東京五輪の開会式で音楽を担当していた小山田圭吾氏(52)が、過去のいじめ問題を理由に辞任したという騒動が大きく報じられている最中だった。
川上さんのメールは、粉砕骨折の診断書や手術説明書、両親が学校側とやり取りをした文書なども添えられたうえでこう続いた。
『あの出来事からまもなく14年・・・、私に危害を加えた元児童はすでに結婚し、子供もできたことを、最近SNSで知りました。この世に因果応報はないんだな、とやりきれない気持ちになりました。子供の頃、他人に危害を加えながら、何事もなかったかのように成人し、活躍している大人がいる、そうした姿をメディアやネットで目の当たりにするというのは、当事者として、心理的に本当に辛いものがあります。どうすれば少しでも前向きに生きていけるようになるのか、それを知りたいのです』
[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]鎖の先についた分厚い手裏剣が左手に 川上さんが左手に大けがをしたのは、2007年9月の放課後のことだった。 小学校の授業を終え、いつものようにバス停で帰りのバスを待っていたそのとき、ちょうど通りかかった同級生のAが川上さんにからんできたのだという。「Aは徒歩通学の生徒だったのですが、途中にあるバス停で歩みを止め、鎖の先に分厚い金属製の手裏剣がついた武器のようなものを見せびらかしてきました。私が何気なく見ていると、突然、Aがそれを振り回しながら近づき、襲ってきました。そして遠心力と重さで威力がついたその分厚い金属製の手裏剣は、回転しながら私の左手にまともに当たったのです」同級生に危害を加えられ、指を粉砕骨折した現場のバス停(川上さん提供)ヴァイオリンの道を断念せざるを得ない状態に 川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんが左手に大けがをしたのは、2007年9月の放課後のことだった。 小学校の授業を終え、いつものようにバス停で帰りのバスを待っていたそのとき、ちょうど通りかかった同級生のAが川上さんにからんできたのだという。「Aは徒歩通学の生徒だったのですが、途中にあるバス停で歩みを止め、鎖の先に分厚い金属製の手裏剣がついた武器のようなものを見せびらかしてきました。私が何気なく見ていると、突然、Aがそれを振り回しながら近づき、襲ってきました。そして遠心力と重さで威力がついたその分厚い金属製の手裏剣は、回転しながら私の左手にまともに当たったのです」同級生に危害を加えられ、指を粉砕骨折した現場のバス停(川上さん提供)ヴァイオリンの道を断念せざるを得ない状態に 川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
小学校の授業を終え、いつものようにバス停で帰りのバスを待っていたそのとき、ちょうど通りかかった同級生のAが川上さんにからんできたのだという。「Aは徒歩通学の生徒だったのですが、途中にあるバス停で歩みを止め、鎖の先に分厚い金属製の手裏剣がついた武器のようなものを見せびらかしてきました。私が何気なく見ていると、突然、Aがそれを振り回しながら近づき、襲ってきました。そして遠心力と重さで威力がついたその分厚い金属製の手裏剣は、回転しながら私の左手にまともに当たったのです」同級生に危害を加えられ、指を粉砕骨折した現場のバス停(川上さん提供)ヴァイオリンの道を断念せざるを得ない状態に 川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「Aは徒歩通学の生徒だったのですが、途中にあるバス停で歩みを止め、鎖の先に分厚い金属製の手裏剣がついた武器のようなものを見せびらかしてきました。私が何気なく見ていると、突然、Aがそれを振り回しながら近づき、襲ってきました。そして遠心力と重さで威力がついたその分厚い金属製の手裏剣は、回転しながら私の左手にまともに当たったのです」同級生に危害を加えられ、指を粉砕骨折した現場のバス停(川上さん提供)ヴァイオリンの道を断念せざるを得ない状態に 川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
同級生に危害を加えられ、指を粉砕骨折した現場のバス停(川上さん提供)ヴァイオリンの道を断念せざるを得ない状態に 川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんはすぐに近くの病院に運ばれた。 診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
診断の結果は、左の薬指などの粉砕骨折。できる限りの治療を受けさせたいと思った両親は、総合病院に転院させ、すぐに手術を受けることになった。しかし、一度粉々に壊されてしまった骨の形を元通りにすることはできず、指の機能は元には戻らなかった。 他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
他人から見れば単なる指の骨折に過ぎないのかもしれない。しかし、このケガは、川上さんの人生に大きなダメージを与えることになったのだという。「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「実は、私は3歳のころからヴァイオリンを習っており、日ごろから練習を重ねていました。1か月後には発表会も控えており、それが終わると青少年オーケストラに入ることも決まっていました。それだけに、左手の指をケガするということは私にとってあまりにも深刻な出来事だったのです」 川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんの両親は当時、弁護士にも相談し、相手の親に少額ではあったが慰謝料等を求めたという。しかし、相手の親は応じようとしなかった。学校側も単なる小学生同士のトラブルということで大ごとにはしたくなかったようで、逆に川上さんは教師から、「(けがをして)みんなに世話になっているのに、感謝の気持ちが足りない」と注意されたこともあったという。「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「今思えば、人に危害を加えるような危険なものを、なぜAは小学校に持ってきていたのか、理解に苦しみます。私の親は一時、訴訟も考えたそうですが、周囲で『不当な額を請求されているらしい』という噂が広められ、結果的にそれ以上の追及は諦めたのです」 川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんが負った障害は「左手薬指中節骨変形治癒」。薬指が小指側に回旋転位し、小指に重なってしまうため中指との間に大きな隙間ができ、水をすくうこともできない。 なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
なにより、左指の自由が利かなくなった川上さんにとって辛かったのは、8年間続けてきたヴァイオリンをあきらめざるを得なかったことだ。「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「不自由な左手を使う度に私は劣等感に苛まれ、Aの顔が思い出され、それに対する強迫症状によって、長年不安感に苦しめられました。大学に入ってからも重度のうつ病と診断され、休学を余儀なくされたこともありました」受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
受傷直後の医師の説明書(川上さん提供)「子ども同士のふざけ合い」では済まされないものだってある 川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんが被った被害は、大人の世界なら傷害事件として扱われる。しかし、当事者が小学生の場合は別だ。刑法では「14歳に満たない者の行為はこれを罰しない」と定めている。14歳未満の者は、心身ともに未成熟なので「責任無能力者」として扱われるからだ。 この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
この法律の壁に阻まれ、真実をうやむやにされ、泣き寝入りを強いられたという被害者は少なくない。いじめによる暴力、悪ふざけによる乱暴、仲間外れなどによる精神的な虐待・・・。 しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
しかし、小・中学生の世界には、「子ども同士のふざけあい」では済ませることのできない深刻なケースが多数発生しているのも事実だ。それがエスカレートすると、最悪の場合、被害に遭った子どもが死傷したり、心に大きなダメージを受けて自死を選択したりする場合もある。 また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
また、後遺障害を負った被害者の中には、川上さんのようにその瞬間の体験がトラウマとなって永く苦しめられる人もいるのだ。 川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんは語る。「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「つい先日、『川に沈んでいた愛息、なぜ県警は「解剖しても無駄」と告げたのか 見つかった生前の日記、ページめくった父親の悔恨』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66554)という記事を読みました。これも小学生の友だち同士が絡んだ事案でした。目撃者もなく、何もわからない中、遺族が自分の息子の死の真相を知りたいと思う気持ちは当然です。徹底的に真相を突き止める、そんな当たり前の正義を行えない警察や学校・・・、やるせないです」整理つかない気持ち、憤りぶつける場もなく・・・ 左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
左手の後遺症の治療は、14年経った今も続いている。今年7月には、遠方の病院で指の機能を回復するための手術を受けたばかりだ。今も2週間ごとに深夜バスで病院に通っているという。14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
14年後の今夏、再手術を受けた左指(川上さん提供)「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「以前、学校で起こった『椅子引き』のいたずらによって脊髄を損傷し下肢麻痺になった方が、車椅子バスケットで前向きに活躍されているブログの記事を読みました(『椅子を引く、よくあるイタズラで、国体を目指していた僕は寝たきりになった。そして・・・』〈外部リンク:ハフポスト〉https://www.huffingtonpost.jp/yuya-yamada/basketball_dream_b_16874376.html) 先天的か、後天的か? 事故か、人のせいか? 障害を負った選手たちの経歴や経緯は人それぞれだと思いますが、それでも自分の障害を受け入れて、目標を作って活躍されている方は、とても強いなと思います」(川上さん) 間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
間もなくパラリンピックが開催される。重い障害を負いながらも最高峰の舞台で活躍する選手たちの眩しい映像は、多くの人に勇気を与えてくれる。その一方で、さまざまな理由で自身の障害を受容できず苦しんでいる人たちがいる。 川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
川上さんが続けた。「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
「既に時効も過ぎてしまいましたが、未だに心の整理のつけ方が分からないまま苦しんでいます。心と体に残る傷は何年経っても癒えません。同じような理不尽が繰り返されないためにも、私のような者がいるという現実を、ぜひ知ってもらいたいと思います」筆者:柳原 三佳
筆者:柳原 三佳