復元中の艦上偵察機「彩雲」を初公開 31日まで 河口湖飛行館

毎年8月1カ月間の期間限定で開館している「河口湖飛行館」(山梨県鳴沢村富士桜高原内)で、復元中の旧日本軍の艦上偵察機「彩雲」を初めて公開している。「戦争の実態を実物で伝えたい」と南洋など太平洋戦争の激戦地で戦闘機など軍機の残骸を収集して復元してきた原田信雄館長(84)は、10年かけて作業の完成を目指すという。【小田切敏雄】
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原田さんによると、「彩雲」は終戦前年の1944年春、開発からわずか2年で試作1号機が完成し、終戦までに463機が製造された。高速で米軍機グラマンを振り切り「我ニ追イツク敵機無シ」というパイロットの無線連絡も残っているという。
展示されているエンジンや機体の一部は、2000年ごろにトラック諸島(現ミクロネシア連邦チューク諸島)の春島と呼ばれていた島のジャングルの中で発見された。熱帯湿原の中で半世紀以上も放置されていたが、ほぼ完全な状態を保っていた。原田さんは「世界中で米国スミソニアン博物館とここに計2機が残っているくらいで重要な技術遺産だ」と話す。
小さい時から車と飛行機が好きだった原田さんは、米軍の空襲で都内の実家が焼夷(しょうい)弾で焼け落ちた体験も持つ。自動車関連会社を経営しながら、鳴沢村の別荘地で河口湖自動車博物館を40年間、併設する飛行館を20年間運営。特攻専用の「桜花(おうか)」、陸軍戦闘機「隼」、山本五十六・連合艦隊司令長官が最期に搭乗した「一式陸上攻撃機」の同型機などを復元し、展示してきた。
コロナ禍で昨年は休館し2年ぶりの開館となる。原田さんは「タブー視されがちな戦闘機だが、誰かが残さないとなくなってしまう。戦時中の日本の航空機の技術力は高かったことも展示を通じて伝えていきたい」としている。開館は31日まで。休館日なし。午前10時~午後4時。入館料1500円(子供500円)。同館(0555・86・3511)。