酸素ステーション利用低調=最多3割、辞退者多く―東京都

東京都が新型コロナウイルスの自宅療養者を一時的に受け入れるために開設した「酸素ステーション」のうち、渋谷区の軽症者向け施設の利用が低調だ。
1日の稼働率は最も多い日で約3割。専門家は「(利用を)辞退する人の方が多い」と解説するが、都担当者は「目的は果たしている」と強調。近く機能強化を図る方針だ。
この酸素ステーションは、都が国から譲り受けた旧こどもの城「都民の城」に8月23日、設置された。130床用意し、救急搬送を要請した自宅療養者のうち、軽症と判断された患者を一時的に受け入れ、医師らが酸素投与などを行う。しかし、開設から9月2日までの11日間の合計受け入れ人数は151人。午前9時時点でベッドが最も多く使われた日は8月30日の38床だった。
都医師会の猪口正孝副会長は同31日の記者会見で、自宅療養者が救急搬送を要請する理由のうち3分の1は精神的な不安などで、「(病院に)搬送するほどの状況ではない」と説明。酸素ステーションに運ばれても受け入れは1泊程度と短いため、辞退者が多いとした。
しかし猪口氏は「作る必要はないということには決してならない」と述べ、今後の感染者増に備え、必要性を強調。都担当者も、利用者の多くは症状が良くなって自宅に帰り、残りの人は入院につながっているため、活用は「順調に進んでいる」と話す。
都は9月中に、調布市の味の素スタジアム内や中央区の築地市場跡にも軽症者向けステーションを増設する。小池百合子知事は3日の定例記者会見で、重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」を3施設に導入し、医療機能を充実させて名称を「酸素・医療提供ステーション」に改めると発表。「多機能のステーションになっていく」とアピールした。