自宅療養中の50代男性が死亡 保健所でカルテ作成されず2週間放置

埼玉県は6日、新型コロナウイルスに感染して自宅療養していた県内の50代男性が、自宅療養者として保健所に認識されず、2週間放置されて死亡が確認されたと発表した。男性は息苦しさや倦怠(けんたい)感を訴えていたが、保健所のミスでカルテが作成されなかったため、症状を把握できなかったという。
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県と県春日部保健所によると、男性は8月17日に陽性が確認された。同保健所管内に住んでいたが、住民票上の住所がさいたま市だったため同市の保健所に情報が移管。市保健所は本人に電話をかけ、39・8度の発熱や、歩行時に呼吸苦があるなどの健康状態を聞き取った。
市保健所は入院の必要はないと判断し、同19日に健康観察の担当を男性方のある春日部保健所に戻した。しかし、引き継ぎの際、同保健所がカルテを作成しなかったため、健康観察の対象から漏れた。男性は19~21日に3回、感染者の症状を患者らが直接入力するシステム「HER―SYS(ハーシス)」を通じて息苦しさなどを訴えたが、保健所の担当者はだれも気付かなかったという。
9月3日、男性の知人から春日部保健所に「男性と連絡が取れない」と電話があり、職員が自宅を訪問した。応答がなかったため、警察と救急隊員が駆けつけたところ、室内で死亡している男性を発見した。8月下旬ごろに死亡したとみられるが、死因は不明。基礎疾患はなかった。
県保健医療部は「大変遺憾。二度と起きないように情報の一元化など対応を見直す」としている。【岡礼子】