ホテル療養中に死亡 遺族に神奈川県が和解金575万円支払いへ

神奈川県は6日、新型コロナウイルスに感染し、ホテルで療養中に死亡した50代男性の遺族に対し、県の体制に不備があったため早期に医療施設に搬送できなかったとして、民法に基づく和解金575万円を支払うと明らかにした。県によると、新型コロナの療養者の死亡に関して自治体が解決金を支払うケースは全国でも珍しいという。
カルテ作らず2週間放置され、自宅療養の男性死亡
県によると、男性は2020年12月8日に軽症と診断され、9日からホテルで療養していた。9日以降、血中酸素飽和度が90%を下回ることもあったが、医師の診断は見送られていた。11日午後3時の健康観察で連絡がなく、同8時ごろに部屋で倒れているのが発見された。男性に基礎疾患はなく、死因は新型コロナによる急性気管支肺炎だった。
この男性の死亡後、県は血中酸素飽和度が93%以下になった場合は医師に報告するルールを作成している。県が設置した第三者委員会が3月にまとめた検証報告書によると、当時は飽和度の基準がなく、自己申告に頼った安否確認や健康観察の体制に不備があったと認定した。一方で死亡との因果関係までは認めなかった。
第三者委の報告を受け、県は男性への対応に不備があったとみて遺族と協議を進めていた。8月に和解案を示し、遺族から了承を得たという。関連議案を8日開会の県議会に提出する。【高田奈実】