神奈川県、死亡職員遺族に1億円支払いで和解へ パワハラは認めず

神奈川県職員の男性(当時37歳)が2016年に自殺したのは上司のパワーハラスメントや長時間労働が原因だったとして、遺族が県に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、黒岩祐治知事は6日、横浜地裁の和解勧告を受け入れ、遺族に和解金1億円を支払うと明らかにした。関連議案を8日開会の県議会に提出する。可決後に和解が成立する見込み。
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県によると、横浜地裁が8月2日に和解を勧告した。和解内容には、業務過重が自殺につながったとして、和解金の支払いのほか、遺族への謝罪と再発防止策の作成が盛り込まれた。パワハラについては外部有識者が20年にまとめた報告書で認定されず、県は否認しており、和解内容でも触れられなかった。
黒岩氏は6日の記者会見で「亡くなった職員は真面目で優秀だった。遺族にお悔やみとおわびを申し上げる」と述べた。パワハラについては「重く受け止め、根絶に向けて働き方改革を進めていく」とした。遺族は代理人弁護士を通じて「誠実な対応をしていただいた。再発防止に向けて一層の取り組みがなされることを期待している」とコメントした。
訴状などによると、男性は13年以降、長時間勤務が慢性化。上司に大声で怒鳴られることもあった。16年9月末にうつ病を発症し、11月に県庁近くで自殺した。地方公務員災害補償基金県支部は公務災害に認定し、遺族が19年に提訴した。【高田奈実】