「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」小田急刺傷事件 女子大生を救った看護師が語る“あの日のこと”

「このままでは死んでしまう。助けなきゃ」
【画像】「誰でもよかった」と供述した對馬容疑者
目の前には血塗れの若い女性。無我夢中、救護に当たったのが、20代の看護師・A子さんだ。
小田急線の長閑な車窓風景が一変したのは、8月6日夜8時半頃。對馬(つしま)悠介容疑者(36)が刃渡り約20の牛刀を取り出し、座席の端に座る20歳の女子大生の胸部や背中、腕など7カ所を切りつけたのだ。

その夜、A子さんもまた乗り慣れた新宿行きの車内にいた。成城学園前駅を過ぎた頃、突然、後方車両から何十人もの人が走って迫ってくるのを目にした。
A子さんが振り返る。
「喩えが悪いんですが……、『進撃の巨人』の、巨人から逃げる人。本当にそんな感じの勢いで。私も訳が分からず逃げました。後ろを振り返っても何も見えない。『通り魔!』『犯人が!』と、すし詰めの車内に響く声で初めて認識しました。事件が起きたんだ、って」
先頭車両に辿り着いた時、目に入ったのが、被害者となった女子大生だった。左半身を血塗れにし、右腕で左腕を隠していた。
「どうしましたか? 大丈夫ですか?」「走って、逃げて、来た」 微かな声、顔も唇も真っ白だ。命の危険を感じ、気づけば咄嗟に叫んでいた。「誰か布持ってる人いますか! 私看護師です!」 人混みから差し出されたスカーフを受け取り、胸部に巻き付けた。犯人がまだ近くにいるかもしれない――そんな恐怖も忘れるほど必死だった。「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「走って、逃げて、来た」 微かな声、顔も唇も真っ白だ。命の危険を感じ、気づけば咄嗟に叫んでいた。「誰か布持ってる人いますか! 私看護師です!」 人混みから差し出されたスカーフを受け取り、胸部に巻き付けた。犯人がまだ近くにいるかもしれない――そんな恐怖も忘れるほど必死だった。「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
微かな声、顔も唇も真っ白だ。命の危険を感じ、気づけば咄嗟に叫んでいた。「誰か布持ってる人いますか! 私看護師です!」 人混みから差し出されたスカーフを受け取り、胸部に巻き付けた。犯人がまだ近くにいるかもしれない――そんな恐怖も忘れるほど必死だった。「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「誰か布持ってる人いますか! 私看護師です!」 人混みから差し出されたスカーフを受け取り、胸部に巻き付けた。犯人がまだ近くにいるかもしれない――そんな恐怖も忘れるほど必死だった。「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
人混みから差し出されたスカーフを受け取り、胸部に巻き付けた。犯人がまだ近くにいるかもしれない――そんな恐怖も忘れるほど必死だった。「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「あまりの出血で、どこからかも分からないほどで。立ったままでは血圧が下がるので、座席に寝かせ、鞄を置き足を上げました。腕からも血が流れてくるのが見えたので、素手で圧迫止血して。もちろん、感染症のリスクもゼロではない。一瞬、躊躇しましたが、咄嗟に出た行動でした。右手で止血しながら、左手で脈をとると、とても弱かった。これはちゃんと止血しないと危ないと思って、『医療者の方いますか!』と叫びながら、協力して下さった乗客の方にはとにかく布を集めてもらいました」「頭を踏まれた」車内はパニック状態 救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
救護の最中、助けを求めて来た別の負傷者もいた。「被害女性と同じ車両に乗っていた男性で、頭から血を流していました。『逃げる途中で転んで頭を踏まれた』と。車内はそれほどパニック状態だった。脈は正常だったので、安静を保てる姿勢を伝えました」 男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
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男性の様子を見つつ、再び女子大生の傍に戻ったA子さん。「息が苦しい」と意識が朦朧とする彼女の手を握り、声を掛け続けた。「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「大丈夫だからね、頑張ってね。深呼吸してね」負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
負傷者を乗せたストレッチャーを運ぶ救急隊員 夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
夜9時過ぎ、救急隊が到着すると、急激な疲労感が襲ってきた。搬送される女性を見送り、誘導され車両を降りる途中目にしたのは、凄惨な犯行現場だった。「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「柄の折れた、血の付いた包丁が床に落ちていた。通路も血塗れでした。乗客の携帯や定期、鞄や傘も床に散らばっていて。こんなに酷かったんだって……」「被害女性のことを、ずっとずっと思っています」 近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
近くのクリニックで消毒をして着替え、知人の付き添いで帰宅。夢と現の境で持てずにいた実感は日を追うごとに恐怖と化し、次第にA子さんを追い詰めた。「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「その日は一睡もできませんでした。翌朝のニュースで自分の声の入った動画が流れて、『私、居たんだ』って。それからも『サラダ油で燃やそうとした』といった供述が報じられるたびに、『殺されそうになっていたんだ』と怖くて悲しくて。眠れない、食欲もない。勤務中でも涙が出て……」 A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
A子さんが取材に応じたのは、せめて自分の言葉が、被害者に寄り添う報道になれば、との思いからだ。「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
「もし公共交通機関に救護用の手袋や防護服が常備されたら、コロナ禍でも医療者が安心して行動できるかもと思いました。何より被害女性のことを、ずっとずっと思っています。傷が治っても、心の傷は大丈夫か、とか……。力になれることがあったら、何でも協力してあげたいです」 気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
気丈に振る舞うA子さんだが、しばらく仕事を休むという。「人を殺せなくて悔しい」と身勝手な供述を繰り返す對馬容疑者は近く、殺人未遂の罪で起訴される。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年9月2日号)