行動制限緩和「国民を楽観させるなら不適切」 全国知事会が精査要望

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が19都道府県で今月末まで延長されることを受け、全国知事会は11日、オンラインで会議を開いた。
政府が打ち出した行動制限の緩和などの出口戦略について、国が知事会など自治体と協議する場をつくるよう求める緊急提言をまとめた。
東京都と大分県を除く45知事が参加した。酒類提供などでの行動制限を緩める政府方針に対し、提言は「行動制限の緩和のみが目立つことにより、国民を楽観視させるとすれば、不適切」と指摘し、内容や地域を精査するよう求めた。また、緩和のためのPCR検査や陰性証明の取得にかかる費用を国が公費負担する▽感染再拡大に備えた立法措置▽防疫を一元的に担う組織の創設、なども求めた。
飲食店の感染防止対策として都道府県が現在導入している第三者認証を、制限緩和の目安に使うことについては、「地域間の不公平感や事業者の混乱が生じる懸念がある」とし、認証制度の統一や基準の明確化が必要とした。
会議では「出口戦略には根本的な反省がない」(和歌山県の仁坂吉伸知事)、「前提条件の議論が不十分。緩和は慎重に」(岐阜県の古田肇知事)などの懸念が相次いだ。一方で「経済は回すべきだ」(山梨県の長崎幸太郎知事)、「繁華街での実証実験に協力したい」(大阪府の吉村洋文知事)など前向きな意見もあった。
また、政府が示した緊急事態宣言解除の新基準については、「感染抑制効果が十分に得られず、行動制限を繰り返すことがないような基準とすること」と指摘し、重症者の増加や医療逼迫(ひっぱく)を回避するために、新規感染者数を引き続き注視するよう求めた。(阿久沢悦子)