保釈中の被告にGPS端末 海外逃亡防止に限定し制度導入へ

保釈された被告に全地球測位システム(GPS)端末の装着を可能にする制度が導入される見通しとなった。
日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告ら保釈中の被告の逃亡が相次いだことを受け、防止策を検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会が8日、答申案をまとめた。海外逃亡の恐れがある場合に対象を限り、空港などに近づけば即座に把握できるようにする内容だ。
答申案ではさらに、被告をその関係者に監督させる「監督者」制度を新設するなど、保釈保証金により逃亡を抑止する現行の仕組みの大幅な強化が盛り込まれた。法制審総会での審議を経て法務省が刑事訴訟法や刑法の改正案を作成し、早期の国会提出を目指す。
答申案によると、海外逃亡の防止に必要と認めるとき、裁判所はGPS端末の装着を被告に命令できるようになる。弁護人や検察側から意見を聴くなどして必要性を判断することになるとみられ、命令する場合には空港や港湾施設の周辺などを「所在禁止区域」に指定し、立ち入りを端末が検知すると必要に応じ被告を拘束する。1年以下の懲役の罰則を設け、被告が義務に反し端末を外した場合も拘束と罰則の対象とする。
監督者制度では、裁判所が本人の同意を得て選任した監督者から「監督保証金」を納付させ、被告が逃げて保釈を取り消された場合などに没収できるようにする。迷惑をかけられないという心理的効果を狙ったもので、監督者に選ばれるのは被告と一定の人間関係がある人になる見込みだ。