集落にポツンとプレハブ小屋 あえて不便な生活送る″変わり者”一家 五右衛門風呂やキッチンも自作【鳥取発】

鳥取・大山町にユニークな生活をするIターン家族がいる。自宅は畳6畳ほどのプレハブ小屋2つ、キッチンは自作、最近では外に五右衛門風呂を作った土山さん一家。11世帯ほどの小さな地域であえて不便な生活を送る家族が、豊かさとは何かを問いかける。
標高約380メートルにある鳥取・大山町明間。11世帯24人が住むこの集落を上からみると、四角いプレハブがポツンと2つある。
(Q.こちらは住宅ですか?)住人:ここに住んでいます
(Q.プレハブに住んでいるんですか?)住人:そうですね
このプレハブに住む土山敏宏さん(42)。自宅だという中を見せてもらうと、そこには27歳の奥さん・直子さんと3歳の息子・瑞郷くんが住んでおり、本棚や洋服を入れる棚に布団、広さは畳6畳ほど。もう1つのプレハブもタンスなど生活用品が置いてある。
(Q.なぜプレハブに?)土山敏宏さん:大山に移住をしてきて土地だけ買って、プレハブだけ買って暮らし始めたんですけど、いずれは自分で建て始めたいんですけど…今はこんな感じです
(Q.冬とか夏は大丈夫なんですか?)土山敏宏さん:狭くて機密性が高くて暖房効率もいいので、冬は快適です。ただ、夏の日中は直射日光が当たると暑いので、断熱の為に屋根の上に竹とか板とか並べています
中国地方最高峰の大山のふもとに住みたいと思っていた、兵庫出身の土山さん。福祉の仕事で100万円以上のお金を貯め、2013年には土地を購入、プレハブを建てていた。
そして2016年に念願叶ってIターン。秋田出身の直子さんとともに、プレハブ暮らしを始めた。これまでに井戸水を掘り水道を確保し、プレハブの横にはキッチンも。
このキッチンの床は土で、扉もなく、土山さんが作り、直子さんが塗装をした。
土山直子さん:真砂土でも踏み固めたら、硬くなるし、不便がない。大地の上で料理をしているような気がして気に入っています。不便なことが好きで、この生活をしている。便利なことより、昔ながらの生き方がいいなと思って
物にあふれる現代社会とは一線を画す生活。食事をする場所は、毎日自由に決めている。さらに夜には、明かりを少なく、大山の自然に近い空間を満喫している。
土山直子さん:子どもも暗くなったら寝て、朝日が出ると起きる。自然になっていますね
土山さんのいまの仕事は庭師。Iターン後、見習いとして修業をつんでいる。収入は月約20万円程度だが、今の生活でお金には困らないという。
何でも買うのではなく作り上げる土山さんは、昔懐かしい五右衛門風呂の露天風呂も製作。念願だったという五右衛門風呂は、近くにあった石などを使い、湯舟以外は全て手作り。1年以上かかったという。
(Q.これ実際に入ることはできるんですか?)土山敏宏さん:はい、入れます。どうぞ入ってください
実際にカメラマンが入浴も。
さらに土山さん一家が訪れたのは、廃校になった小学校の体育館。2年前に使われなくなった体育館を町から月3,000円で借りうけ、愛好する居合術の道場として使用している。
土山敏宏さん:若い世代が武術とか伝統文化とかに触れる場所づくりというのができたらいい
変わり者のIターン家族、地域の人たちはどうみているのか。
住民:(結婚を祝う会を)盛大とは言わんけど、飲み食いをした。資金がないので、プレハブだと言っていた。そのうち建てるだろうと思っていたけど、そのまま
住民:ここは子どもの声が聞こえないので、にぎやかになっていい
大山町の人口は、2020年の1年間だけでも前の年と比べ160人以上少なくなっている。高齢化による人口減少が進む地域で、思い描く暮らしをする土山家。過疎化の進む地域にある豊かさを追い求めている。
土山敏宏さん:経済的にとか物質的に豊かな生活よりも、ちょっと不便とか、ちょっと質素な簡素な生活こそ、いい子育てができるんじゃないかなと思って。世の中がどうであれ、こういうことは貫いて行きたいなと思っています
(TSKさんいん中央テレビ)