採用面接のNG質問「愛読書は?」急増、不適切な質問を調べている県教委「個人の自由だ」

「愛読書は?」。
企業の採用選考の面接では、能力や適性に関係がない質問だとして「NG」とされるが、滋賀県教育委員会の高校生対象の独自調査で、愛読書を尋ねた事例が昨年度は前年度の3倍近くに増えたことがわかった。コロナ禍の「巣ごもり」で本を読む機会が増え、趣味を「読書」と答える生徒が増加したことが背景にあるとみられる。高校生の就職活動が続く中、厚生労働省は企業側に注意を促している。
採用側が能力や適性に関係ない事柄を質問することは就職差別につながる恐れがある。厚生労働省はホームページで、両親の仕事などの「家族」、愛読書や尊敬する人物などの「思想信条」に関することを不適切な質問として例示し、尋ねないよう呼びかけている。
県教委は「就職差別を防ぎたい」として、高校生が採用活動で受けた質問を学校側が聞き取り、不適切な質問を毎年調べている。
県教委によると、2016~19年度の不適切な質問数は30件台から40件台前半で推移し、身元調査につながるものが目立っていた。昨年度は37件で件数自体はあまり変わらなかったが、愛読書に関する質問が20件と過半数を占め、19年度(7件)の3倍近かった。
県教委は「趣味を『読書』とする回答が増え、採用側がつい愛読書を聞く傾向にあるのでは」と分析。「どんな本が好きかは個人の自由で、採用選考に持ち込むべきではない」とし、生徒には「答えなくて良いと聞いている」などと対応するよう指導しているという。
高校生の就職活動は9月中旬に解禁。厚労省によると、高校生や大学生らが各地の労働局に寄せた不適切な質問に関する相談は毎年1000件前後に上る。厚労省は「聞きがちな内容も多いが、質問自体が精神的な圧迫を与える恐れがあり、意識を改めるべきだ」と指摘。学生には「質問の意図をやんわり確認するなどすれば、話の流れが変わるのでは」と助言する。(生田ちひろ)