「隣にいないこと信じられない」 9歳の娘失った母が語った胸中

岡山県津山市で2004年、小学3年の女児(当時9)を殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われた無職、勝田州彦(くにひこ)被告(42)の裁判員裁判の公判が18日、岡山地裁であった。
女児の母親が証人として出廷し「隣に娘がいないことが信じられない」「太陽のような、ヒマワリのような子だった」と涙で声を詰まらせながら胸中を語った。
母親の証言によると、事件のあった04年9月3日朝、「行ってきます」と家を出る娘に「気をつけていってね」と返したのが最後のやりとりとなった。
娘が運ばれた病院で、医師から蘇生措置をやめると告げられたときは「頭が真っ白になった」。事件後の2~3カ月は「人が怖くて(誰にあっても)犯人じゃないかと思った。家の外に全く出られなかった」と振り返った。
その後は娘が下校し、帰宅していた時刻がくると、「娘が帰ってくるような気がして」玄関に出るようになったという。
「甘えん坊で優しい子。学校から帰ると『大好き』と言ってギュッとしてくれた。幸せだった」。《お母さん大好き》と書かれた手紙も何度も渡されたという。事件の1週間前、岡山県北部の蒜山(ひるぜん)高原へ行ったときの家族写真を今も大切にしている、と語った。
最後に犯人への気持ちを聞かれ、「娘の人生を返してほしい」「娘と同じように苦しみ、命をもって償ってほしい」と訴えた。
また18日の公判では、倉成章裁判長が、逮捕後の取り調べで被告が「自白」したとされる録音・録画の映像について「必要性がない」と述べ、検察側の証拠請求を却下した。
弁護側は、「自白」を裏付ける客観的な証拠はないなどとして無罪を訴えている。検察側は、これまでの公判で、被告が「刃物で刺した」などと述べた取り調べのやりとりを文字に起こした「反訳書」を朗読。客観的状況と整合する自発的な自白であり、信用できると主張している。
次回24日に結審し、判決は来年1月6日の予定。(高橋孝二)