福井県唯一の観覧車、43年の歴史に間もなく幕 支柱には第2の人生

武生中央公園(福井県越前市)にある大観覧車。
1978年、この地に2万株以上の菊を飾る秋のイベント「たけふ菊人形」(今年は終了)での目玉の大型遊具にと設置され、以来、多くの人を楽しませてきた。あれから43年――。老朽化のため、県内唯一の観覧車は、間もなくその長い歴史に幕を下ろす。
今年開かれた「たけふ菊人形」の最終日の7日、観覧車は30分待ちの行列ができるなど多くの人でにぎわった。
「最後ということで来ました」
市内の飯田孝子さん(77)は30年以上ぶりに長女とともに乗車した。長女が小学生のころは毎年、菊人形の時期に合わせて乗っていたという。「昔と比べて町並みも整然として、変わってしまったなと実感しました」
当時の武生市が設置したその観覧車は、6人乗りのゴンドラが16基あり、全高36メートル。約8分で1周する。機器の更新を重ねながら、菊人形の期間中や5月の大型連休を中心に運行してきたが、2020年度に大型遊具の老朽化対策を検討した際に近く建て替えが必要と判断された。建て替えの場合は概算で3億5千万円がかかると見込まれ、廃止が決まった。
「菊人形の会場を示すランドマークでもあった。なくなるのは寂しいね」
約40年前に武生市の商工観光課の主事だった細川康夫さん(71)はそう語った。設置直後は、テレビの映りが悪くなった、と市民から苦情があったという。「地元に謝りにいった。その後、観覧車に共同アンテナを設置しました」
残る観覧車の運行日は20、21、23、27、28日の午前9時~午後4時。26日は午後4時~9時に特別に夜間運行する。26日については、販売する飲食物をゴンドラ内に持ち込めるようにし、観覧車内に明かりをつける。
また、28日は、公園でハンドベルやオカリナのコンサート、菊傘踊りの披露などステージイベントを開く。26~28日は観覧車前で、模造紙にちぎり絵で大きな観覧車を来場者に描いてもらい、合わせて寄せ書きを募る。
新たな遊具は、観覧車の支柱部分を使った滑り台付きの展望デッキを想定している。ゴンドラも休憩スペースなどに活用する。同市出身の絵本作家かこさとしさんの世界観を反映させるという。
観覧車は12月から取り壊しが始まり、新たな遊具は来年7月に完成予定。モノレール、メリーゴーラウンドなど他の遊具も22年度にリニューアルする。(柳川迅)