「魚民」のもつ鍋に1000匹の虫…飲食店の呆れた異物混入トラブル。ネジ、髪の毛、腐った野菜etc.

◆大量の虫がもつ鍋に浮かび炎上した魚民
居酒屋チェーン、魚民の赤羽店が大量の虫が混入したもつ鍋を提供したとして大炎上した。
事の発端は注文したもつ鍋に大量の虫が混入していたというツイートが瞬く間に拡散され、その後、店側の対応のまずさもあってさらに炎上が続いたというわけだ。
こうした飲食店の虫や異物の混入トラブルはなぜ起こってしまうのだろうか。都内で5店舗の居酒屋を経営する男性に話を聞いた。
「髪の毛が入っていたとか、小さな虫が一匹入っていたというトラブルは飲食店にはつきもの。だけど、あの数の虫が入っていたなんて、まず考えられない。単純に従業員の意識が低いだけです。
こんなのちょっと注意すれば絶対に防げること。いや、注意というレベルじゃないな、野菜を洗えばすんだ話。と、いうことはだよ、野菜洗ってなかったんだよ、あの店は。あり得ないよな」
と、自分の店ではないにもかかわらず、かなりご立腹である。
◆思いもよらない“風評被害”
また、こうしたことが話題になると、思いもよらない“風評被害”が起きてしまうこともあるのだとか。
「こういうことが起こると、お客さんから言われるんだよ、『虫、大丈夫ですか?』とか。ああいう連中と一緒にされたくないし、冗談でも言われて気持ちがいいもんじゃない」
十把一絡げというワケではないが、同じ飲食業界という括りで煽りを喰らったら、それはもうたまったものではない。
◆店員の髪の毛がラーメンに浸かったまま……
そこで今回、飲食店における異物混入トラブルについて取材を進めてみると、かなりの数の話を聞くことが出来た。ここからは震え上がるような異物混入トラブルの事例を挙げていこう。
会社員男性(42歳)は有名ラーメンチェーンで起きた強烈な体験を語ってくれた。
「都内を中心に10店舗ほどある人気のラーメンチェーンで、ラーメンを注文したら女性の店員が持ってきてくれたんです。笑顔で『お待たせしました!』って来たんですが、丼を持ち上げたときにラーメンの丼に彼女の髪の毛がビシャッと……。
もう、ビックリして『髪の毛入ってるよ!』って怒ったら、丼を持ち替えながら『え? どこですか?』って。その時に今度は指が中に入って……。マンガみたいな展開でしたね。でも、何の悪気もなく『すいません!』ってそのまま出してきたんです」
さすがに男性は怒って、声を少し荒げたところ店長が出てきて平謝りしてきたという。
「普通、飲食店の従業員の方って、髪の毛を後ろで縛って帽子とかの中に入れるじゃないですか。でも、その店は従業員はお揃いのTシャツ着てオシャレな感じを出してて、彼女も髪を三つ編みにして前に出していたんですが、胸元くらいまであったんです。店長にもせめて髪の毛は後ろにするとかしないとダメじゃないかって言いました」
飲食店はオシャレではなく、安心安全で味を追求してほしいものだ。
◆噛んだらガリッ! ハンバーガーの中から出てきたものは……
デザイナーの女性(36歳)は大手ハンバーガーチェーンで起きた一件を思い出すたび、奥歯が疼くという。
「ハンバーガーのセットを頼んで、お店の中でさぁ食べようとかぶりついたら、ガリッって。え? なに?ってなりますよね。ナプキンに出したら、ネジが入っていたんです」
すぐにカウンターに行き、ネジとハンバーガーを出したところ、店員からは驚きの対応が……。
「店員が指でネジを見ながら『あっ!』って言うんです。それで私に向かって『これは、作業するところの照明のネジですね』って平気な顔で奥に行ってネジをはめだしたんですよ。

その後、店長がすっ飛んできて、平身低頭で謝ってきたという。歯が欠けなかったことが唯一の救いと彼女は言う。
◆腐っていることがわからない店員
会社員男性(44歳)は今年の夏に起きたことを呆れ顔で話してくれた。
「ブランド鶏を使ったスープを売りにしているラーメンチェーンで、薬味のカイワレが傷んでたんです。葉が黒ずんでたり、黄色っぽかったり。それで『傷んでるから変えてください』と。そしたら、次に出てきたのは、もっと傷んだカイワレで、オマケにタネの殻も付いていたんですよ。
持ってきた店員のコに『これ、傷んでるというか腐ってるし、洗ってないからタネの殻とかついてるんでしょ?』って言ったら、『あ、そうなんですか?』って。どこが腐ってておかしいのかわかってないんですよ」
結局、埒が明かず男性はカイワレを避けてラーメンを食べ、会計時に店長にもクレームを伝えたのだが、不貞腐れた態度で「気をつけます」と言うだけ。頭にきた男性はチェーン店を統括する運営会社に電話したという。
「電話口で本部の人は謝り、写真も撮ってたのでメールで送るというと『確認して店長から謝罪の電話を入れさせます』と。でも、今に至るまで謝罪の電話はありません。私は別に謝ってほしいわけではなくて、ちゃんと食品の管理をしてくれればいいだけなんです。そのことも伝えたのですが、私のことをクレーマーのように扱ってきました」
男性はこの店のスープがおいしくて好きだったというが、この一件以来、足は遠のいたとか。
◆なぜ異物混入トラブルは起きるのか
前出の飲食店経営者に紹介したトラブル事例を読んでもらい、なぜこうしたことが起きたのか聞いた。
「髪の毛はもってのほか。後ろで束ねることは基本中の基本。髪の毛の混入トラブルは飲食店の中でも一番多いクレーム。その対応を最初から放棄してるとしか思えない。ハンバーガーのネジは、百歩譲って不可抗力かもしれないけど、掃除しながらグラグラしてないかはわかるからね。掃除してなかったの?って。
腐ったカイワレは論外。私だったら、お前食ってみろと言ったかも。写真も見たけど、これは明らかにちゃんと洗ってない。カイワレのタネの殻なんて洗えば落ちるし、野菜の傷んだところって洗うと取れることも多いからね。もし、洗っていたら少し傷んだカイワレを出してしまったくらいで済んだかもしれない」
そして男性は最後にこう付け加えた。
「いずれのケースも店側の対応が酷すぎる。しかもチェーン展開しているところとは思えないほど。クレームに対してはまずしっかり謝ること。でも、私も体験したことがあるけど、クレームに対してビックリするような対応をする飲食店が存在するのも事実。魚民の一軒もさ、じゃあデザートと割引しますね~って、どうして火に油を注いじゃうのかな。
従業員の教育が……って言えばそれまでだけど、まずは自分がされたらどんな気持ちになるか考えたほうがいいだろうね」
おいしく、安全に食事は楽しみたいものである。
取材・文/長谷川大祐(SPA!)