「パンに虫が」コンビニ苦情電話にまさかの狙い 店長は声で見抜いた

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、大阪府警寝屋川署がこのほど、寝屋川市内のコンビニエンスストアの店長と銀行の社員の男女2人に感謝状を贈った。
「パンに虫が入っていた。裁判で損害賠償を請求しようと思います」
6月7日午前、ファミリーマート寝屋川寿町店に、客を名乗る男から、こんな電話があった。対応したのは統括店長の松本剛さん(34)。男の丁寧で紳士的な口調に逆に動揺を誘われたという。しかし、電話口の向こうから「相模原市役所の者です」という声が聞こえると、詐欺を疑った。
店員が苦情電話の対応をしている隙を狙い、被害者にATMを操作させる手口が相次いでいると、警察から聞いたことを思い出した。すぐに、ATMを確認すると、70代の男性が携帯電話を片手に、操作していた。男性が「市役所から還付金があると言われた」と話したことから、詐欺を確信。警察に通報し、被害を未然に防いだ。
今月12日にあった感謝状の贈呈式で、松本さんは「地域で必要とされる店を目指してやってきたので、人助けができてうれしい」と話した。
10月11日には、ゆうちょ銀行寝屋川支店で、来店した60代の女性が還付金詐欺の被害に遭いそうになっているのに、対応した社員の近藤智子さん(54)が気づき、警察に通報した。
同市内では特殊詐欺の被害が、今年に入ってから9月末までに計44件と、昨年同月比で24件増加している。このうち、還付金詐欺が35件と多発している。辰谷裕司署長は「被害防止には、市民の協力が必要不可欠。携帯電話を持ってATMを操作している高齢者がいたら注意してほしい」と話した。(寺沢知海)