トイレでDV対策?神戸市の取り組みとは…

トイレットペーパーを用いて、女性に対する暴力の根絶を目指すという神戸市の取り組みが、SNS上で話題を呼んでいます。この取り組みの意図について、神戸市の担当者に伺いました。
■「殴ったのは愛情の裏返し?」投稿には約10万件の「いいね」
「ゴメン、殴ったんは、愛情の裏返し。」なんてあり得ない―
買い物に出掛けた神戸市内のショッピングモール内のトイレで、思わずギョッとするような文言がプリントされたトイレットペーパーを発見したのは、Twitterユーザーのsakk0_zzzさんです。
斬新なアイデアだと感じ、写真を撮ってTwitterに投稿したところ、11月21日までに9万8000件以上の「いいね」がつき、広く拡散されたと話します。
■4つのメッセージがプリントされたトイレットペーパー5000個を配布
トイレットペーパーには、他にも「いつもメールをチェックされる。そんなのしんどくない?」「彼といるとビクビクする 本当にそれって『愛』なのかな」「夫の暴力がこわい 彼の罵声が怖い ビクビクしながら暮らしてます。それはDVかもしれません」といった、DV被害に苦しむ女性たちが共感しやすいメッセージがプリントされていて、神戸市が設置した「女性のためのDV相談室」の連絡先も記載されています。
実は、これが内閣府が推進する女性に対する暴力根絶を目指す「パープルリボンキャンペーン」に合わせて、神戸市が2017年から始めた取り組みで、市内の百貨店やショッピングモール内の女性用トイレなどに、5000個のトイレットペーパーが設置されています。
■トイレを選んだ理由「加害者の目が届きにくい場所」
神戸市こども家庭局家庭支援課担当課長の垣内里美さんによると、トイレットペーパーにプリントされた文言は、大学の先生や法律家などが、DV被害者などの声を聞きながら、どういうメッセージなら届きやすいかを考え、選定したといいます。
また、あえて「トイレ」を使った啓発に踏み切った理由については、トイレが「加害者の目が届きにくい場所」であることと、さらにメールやチラシなど、形が残ってしまうものを利用すると被害者が一層追い込まれる危険性があるため、水に流せば無くなるトイレットペーパーを使ったということです。
■増加する女性からの「DV」相談 被害に気がつかない被害者も
内閣府男女共同参画局のデータによると、配偶者からの暴力に関する相談件数は、2002年から2015年の間で3倍以上まで増加し、2019年度では約12万件となっているということです。
相談のほとんどは、男性配偶者からの暴力に悩む女性から寄せられたものです。