HIS、過去最大500億円の赤字…子会社の不正受給も響く

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が28日発表した2021年10月期連結決算は最終利益が500億円の赤字(前期は250億円の赤字)だった。
赤字は2期連続で、過去最大となった。コロナ禍での旅行需要の低迷に加え、子会社が政府の観光支援策「Go To トラベル」の補助金を不正受給した問題も影響した。
売上高は72・4%減の1185億円だった。コロナ禍前に売り上げの8割を占めていた海外旅行の取扱高が96・3%減と激減した。国内旅行も緊急事態宣言の長期化が響き、15・6%減だった。国内外の約100店舗を閉店し、従業員を社外出向させるなどコスト削減を進めたものの、補いきれなかった。
HISは今月13日に予定していた決算発表を、子会社による不正受給問題を受けて延期していた。不正受給分の返還などを踏まえた業績への影響額は、売上高で20億円分、最終利益で3億9000万円分と試算し、それぞれ差し引いた。
財務の健全性を示す自己資本比率は10月末時点で前期比7・9ポイント減の9・9%まで低下した。22年10月期以降に海外投資ファンドや沢田秀雄会長兼社長を引受先とする第三者割当増資などで240億円を調達する方針で、一定の財務強化が見込まれている。
HISは当面、需要が期待できる国内旅行に注力し、店舗の統廃合を通じた経営のスリム化を進める。22年10月期の業績予想は未定とした。沢田氏はオンライン記者会見し、「非常に厳しく油断できない状況だ」と語った。